第一話 「運命の歯車が狂うまで」
外出の帰り、俺は吐く息全てが溜め息になっていた。
「なにこれおもんない……」
これからも退屈な日々が続くのかと諦めながら、改札に切符を入れた。
キャァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「ん……⁉」
改札を出ると目の前を大勢の悲鳴に続いて人々が通り過ぎていった。
「なんだよ一体……」
その方角に自宅があるので向かわないわけにもいかず、群衆が来た方に行き、一つ目の交差点に差し掛かった時、俺はようやく人々が悲鳴を上げた原因を見つけた。
(なんだあれは……!まさか……あれがヴァリァス⁉)
写真でしか見たことがなかったが、間近で見てみると壮大だった。あまりにも禍々しいそれを観察していると、黒く染まった地面の上に異形の化け物がいるのに気づいた。
「……ムカデとサソリのハーフみたいなヤツだな」
そのムカデと対峙しているのは、一人の男だった。後ろ姿は普通の成人男性だが、剣を持っていて、いかにも特殊部隊という感じだった。
両者はピクリとも動かず、氷漬けにされたかのように止まっている。するとムカデが滅茶苦茶速い動きで男の持つ剣を空高くに吹き飛ばした。
(なんなんだコイツは……!)
後ずさると足元に剣がバキンという音を立てて地面に突き刺さった。
「怖っ……!」
とりあえず俺は落ちてきた剣を拾い上げ男の元に向かった。
化け物が目の前にいるにも関わらず平気な顔して剣を持ってきた俺を見て驚いたのか、男は目を丸くした。
「なッ、早く逃げなさい!!侵食されたら死ぬぞ!!!」
「あ、え……これ要らないんですか?」
「それは電気を流して初めて戦える剣だ!!電池が切れては使い物にならん!!!」
こうして話している間もムカデはじっとしていた。俺は剣を持っていても戦闘はできないため、男に剣を渡そうとするが、ムカデが突如として動いた。
「早く逃げろッ!」
ドカッ!!!!!!
「ゴホッ……!」
俺は化け物に一撃を食らい、地面に叩きつけられた。そして俺は左腕にただならぬ違和感を覚えた。
「こ、これは……⁉俺の腕が……⁉」
ヴァリァス____!!!!!!
左腕が黒く染まっていく。力も入らず、感覚も無くなっていく。痛みも感じない壊死が計り知れない恐怖となって俺に降りかかる。
「腕……!腕……!」
ブゥン!!!!!
ムカデの足が風を切って俺の目の前まで迫ってくる。咄嗟に持っていた剣を翳したとき、化け物の輪郭が遥か彼方に引き伸ばされていった。
「おもしろい!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!ブックマークもよろしくお願いいたします!
毎週金、土、日曜に更新しているので、チェックの方よろしくお願いします!




