アカデミーの長い1日⑤
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
草の渦の中央に立てば草草が中央に向かっている事がよくわかる。一本一本の草は少しだけ靡いているが、大きく傾いている草もあり、それが12本の線となり中央に向かっている。よく見ればそのうち8本は途中が乱れていた。
「ヒロキはあっちね」
その乱れの一つを指差しながら、チヒロは他の乱れた場所に歩き出している。
「ヒロキ、危なくなったらお姉ちゃんを呼ぶんだよ」
「わかったから、呼んだらすぐ来いよ」
チヒロがお姉ちゃんを押し出している時は、何を言っても無駄だ。ヒロキの返答にチヒロが満面の笑みを返した。
チヒロがそうしている様に、ヒロキも大きなうねり沿いに歩く。他よりも大きく倒れた草は何かを示しているはずだが、『草原は印』の一文以外はやはり思い出せない。
やがて乱れた箇所に辿り着いた。それまで綺麗に線を描く様であったのに、そこだけ草が周囲に向けて倒れている。ヒロキが乱れの中央に立つと足元が暗くなった。直ぐに顔を上げると、周囲はゴツゴツとした岩肌となっていた。いつの間にか足元の草も消えている。後ろは塞がれており、一本道の洞窟。
「進むしか無いな」
1人呟くとヒロキは奥に進んだ。
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チヒロは石の上に立っていた。周囲は磨き上げられたように綺麗な大理石となっており、ところどころに自身が映っている。後ろは塞がれており目の前には通路がある。
少し進んだ所で前方に気配がある。何かいる。少し前に引っ張られる様な感覚があったと思うと、前からとてつもない咆哮が来た。クロスがチヒロの前に面となって展開しているからチヒロ自体は何ともないが、受け止めているクロスが揺れている。剣や魔法を受け止めても何ともないクロスである。それだけに前にいる何かが強大であるとわかった。
咆哮が収まり前に進む。クロスは警戒を解かず、面で展開したままだ。いた、2メートルはあるだろう鎧姿の巨躯は大きな剣を構えている、最大の特徴はライオンの頭。
「モンスター学は真面目に受けてたのに知らないヤツだ。もしかしたら新種? 名前はライオン丸だね」
自身の緊張を解くために口に出す。新種なモンスターは発見者が名づけ出来るが、関連性が認められないと認可されない。ライオン丸はギリギリ認可されるかも知れない。
よく見ればライオン丸は傷だらけだ。
『我々は契約を全うしていた。何故だ、何故約を違える!』
頭に響く声。目の前のライオン丸が発しているとわかる。
「よくわからない。私はアカデミーが煙に包まれたからココに来た。アカデミーを元に戻したい」
「違う。我々の平穏を見出したのはお前らではないか。それを今度は元に戻せとは、あまりに身勝手」
ライオン丸が剣を構える。傷だらけでも、その圧は今まで戦ったモンスターの比ではない。チヒロはクロスを棒状にし構えた。
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