アカデミーの長い1日⑥
宜しくお願いします。以前書いていた話ですが、前の作者ページにログイン出来なくなってしまったので、推敲しながら再投稿。話が変わった部分もあります。
宜しくお願いします。
ライオン丸の剣がゆっくりと上がる、巨躯だから鈍いのかと思った瞬間、チヒロの意識とは別にクロスが動いて、振り下ろしを防いだ。
重なった剣からは、重厚な圧を感じる。クロスが動いているから止められたが、持っているのがクロスでなければ、受け止められないだろう。
チヒロが受け止めるのをクロスに任せ、手をライオン丸の鎧に当てるとゼロ距離からファイヤボールを放った。チヒロは『火魔法B』持ちだが、ライオン丸にこれが効くとは思っていない、ライオン丸を少しでも怯ませる事が目的で本命は次だ。
『それで次は何をするのだ』
見透かした様なライオン丸の声に、チヒロは動きを止め、バックステップで距離を取る。
「お見通しなの?」
『貴様が何をするのかはわからん、ただ貴様の眼がそう言ってる』
「眼ね。それでわかられるのはキツイね」
周囲の空気が減る。ライオン丸の口から炎が放たれた。クロスが面となり防ぐ。
『見えたぞ、棒から面となった。先程の打ち込みもそれで防いだか』
「クロスって言うの。すごいでしょ」
『ユニークスキルか、しかし使いこなせていないな』
その台詞にチヒロは珍しくイライラした。
「うるさいな、泣かせてやる」
『既にお前が敵ではない事はわかった』
「力量が及ばないのはわかった、それでも泣かす」
『そうではない、お前が原因ではない事がわかった。そこで待て、我はココを進む』
ライオン丸は踵を返すと、チヒロにはもう構わず奥に進んで行く。
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ヒロキの前には鈍く光る大きなスライム。ダンジョンでスライムに遭遇した事はあるが、銀色に光るスライムは見た事がなく、ヒロキは遠距離攻撃もも出来ないために、どうすべきかと手をこまねいていた。
スライムは動きこそ速くないがヒロキに向かって来ており、ジリジリと後退している。このまま下がり続ければ行き止まりだから、何かするなら早い方が良い。
『拳武家』『身体強化A』『瞬歩』のスキル。何をすべきかと頭を巡らす。だが出来る事は決まっている。フィストガードを撫でると力を込めてスライムを殴った。
手応えはない、柔らかい何かに包まれると同時に、拳に熱さを感じて『瞬歩』で退く。
フィストガードが溶けている。触れたところが溶かされるのであれば相性は最悪だ。
一旦退くと決めて入って来た所まで退く、やはり行き止まりだ、スライムがゆっくりと進んでくる。
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