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パーティーでの憂鬱

ブックマークありがとうございます!


ーーパーティーが始まる1時間前の事。


シェルはパーティーに着ていくためのドレスを選んでいた。元々あまりドレスを持っておらず学園に持ってこれたのはわずか4着。姉であるカレンは普段着のドレスだけで10着は持っており、パーティー用の華やかなドレスも合わせるとシェルのドレスはかなり少ないと言えるだろう。シェルは両親からドレスなどの贈り物をされる事が滅多に無く、唯一誕生日祝いに貰ったシェルの髪色と同じパウダーピンクのイヤリングを未だに大事に保管してある。


4着のドレスのうち、1着はドレスといえるか分からないようなピュアホワイトのワンピース。


2着目はAラインのシェルピンクのドレス。女性の柔らかで優しい形で、個人的に自分の名前が入っている色が使われているのでお気に入りだ。


3着目はエンパイアラインの紫陽花のような色彩で洗練された美しさがありクラシカルな雰囲気を醸し出しているドレスだ。


4着目はプリンセスラインのアイスブルーの淡いドレスで、きめ細やかなレースが張り巡らせてあり、華奢なイメージを連想させる。


どのドレスも華やかで派手なものでは無いが、知的で繊細で教養のあるドレスはシェルに良く似合うものとなっている。(どれもハンナのセンスだが。)



「どうしよう、どれを着ていけば…?あまり派手過ぎるのは良くないよね、でもシンプル過ぎても駄目だし…」


結局悩んだ挙句シェルが個人的に気に入っているAラインのシェルピンクのドレスに決めた。ドレス選びに時間を取られもうすぐパーティーが始まる時間が迫っていた。シェルは急いで身なりを整え、パーティー会場に向かった。



*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*



パーティー会場は先程行われた入学式と同じ場所で行うのだが、荘厳で厳格な雰囲気とは打って変わって豪華で華やかな雰囲気に包まれている。シャンデリアなどの装飾品もどれも一級品だ。


そして周りの貴族令嬢たちは私が着てるドレスとは反対に宝石やダイヤが散りばめられた華やかなでゴージャスなドレスを身に纏い、パーティーを楽しんでいる。


そんな私はというとウェルカムドリンクを持って会場の目立たない隅に避難中です…。


何故こうなったかというとーー


重厚な扉を開き、この会場に足を踏み入れた時、一斉に色んな人に見られて会場がざわめきが起こりました。うぅ…やはりこのドレスがおかしかったのでしょうか。みなさんのように華やかなドレスではないから…。私はこのドレス気に入っているのに……

シェルにとってパーティーに参加するのは初めての経験であり、「とりあえずドリンクを受け取って目立たないよう隅に居よう」となって現在に至る。




ーー実際は入って来たシェルを見て多くの人がその美貌に目を見張って驚いたからなのだ。それもそのはず、パウダーピンクのふわふわとした髪に、憂いを帯びたアイスブルーの瞳、決して豪華ではないドレスだが、優雅で可憐な雰囲気を身に纏う女性に、今も誰が一番にシェルに話しかけるか互いに牽制しながらタイミングを見計らっている状態にあることをシェルは知らない。




そんな中シェルはこれからの自分について考えていた。ここに来る多くの者はこの学園で様々なマナーや貴族としての教養、礼儀、言葉使いなどを学び卒業してからそれぞれ、家業を継いだり、王宮専属の騎士になったり、婚約者と結婚したりと様々な道に進む。姉であるカレンはシークが学園を卒業したら結婚する事になっているがこんなに結婚するという話が遅くなった理由はシークが出来る限り理由を付けて結婚を先延ばしにしていたからである。


シェルはもちろんあの家に帰る気はさらさらない。ハンナに会えないと考えると寂しく、悲しい思いが募るが、強く生きていくと決めた以上自立して生きていくべきだろう。どこかの男爵様と婚約し、結婚して後継者を産むという手もあるが、やはり侍女として働き自分で収入を得て生きていくのが最善だと思う。前世ではバイト三昧で自らの手でお金を得て弟たちを養いながら生活していた名残が残っているのか、誰かに養われるというのはやはり性にあわない。

実際学園は侍女としての教養や心遣いを学ぶ場も設けており、シェルと同じ考えを持った一部の庶民たちもそこで学ぶのだ。


シェルは明日から始まる学園生活に少しだけ胸を踊らせながらパーティーが早く終わるのを待った…。



「では今からダンスパーティーを始めさせていただきます。」


そういうと今までたくさんの豪華な食事が並んでいたテーブルが一斉に下げられ広大なダンスホールが現れた。


ダンスかぁ…。一応ハンナに基本の動作とかは教えて貰っていたけど、まぁ誘ってくれる人がいないから踊る必要は無いよね、それよりも早く終わらないかな…



「あの…!私と一緒に踊って頂けませんか?」


「え…?」


私よりもひとつ年上ぐらいの若い男性が話しかけてきた。ええと…ダンスか……ダンス!?

ダンスなんて誘われたのも踊るのも初めてだし、お、踊れるのかな? でも断るのは失礼だし…でも失敗して相手の方に迷惑かけてしまったらどうしよう!


そう考えて固まっているシェルに


「ええと…ダメですか?」


と、もう一度男性が話しかけてきた。相手の男性からしたら自分が勇気を出して話しかけるとその女性は綺麗な顔を強ばらせ無表情のまま固まってしまったのだ。やはり自分ではダメなのかと思い、諦めかけていたのだ。


ーーその時


「私と一緒に踊ってもらえますか?」



声がした方を見上げると、艶やかなプラチナブロンドの髪に透き通るようなコバルトブルーの瞳、まるで物語の王子をそのまま絵に書いたような男性が微笑みながら、そこに立っていた。


誰だろう?

何だか周りが騒がしい?よく見ればさっき誘ってくれた男性が真っ青な顔をして『失礼しましたっ!!』と言って走り去っていった。


えっ?なんで?せっかく誘ってもらったのに!


そう思っていたら、その男性に手を引かれてダンスホールに案内される。曲が始まり、男性のリードに合わせて何とか踊っていく。相手の足を踏まないように常に気を張って踊っていたからいつもの無表情がより顔が固まっていたと思う。

というかこの男性は誰なんだろう。この人が話しかけて来た時から会場がざわめいた気がしたんだけど。もしかして偉い方なのかな?どうしよう!絶対に足は踏まないようにしよう…。



そうしてこのダンスが終わってからも次々と他の方からお誘いを受けたのだが、普段使わない筋肉を足を踏まないように酷使したため、『すみません、少し休んで参ります。』と断りを入れ、こっそりとパーティーを抜け出した。



疲れた…。ベットにダイブしてシェルは考える。


「本当に誰だったんだろう?」





シェルが先日パーティーでダンスを踊った男性はこのクリスティーネ王国の第一王子であるカディス=クライネであったと知るのは翌日の事だった。








まだまだ拙い文章なので、誤字脱字などがありましたらご指摘頂けたら幸いです。

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