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悪役令嬢登場

更新が遅れてすみません。


ブックマークが物凄く励みになります!


不味い、非常に不味い。


まさか、昨日のパーティーでダンスを踊った男性がクリスティーネ王国の王太子であるカディス王子だとは思いもしなかった…。もちろん誰もが知っているであろうこの国の王子の顔を知らなかったシェルが悪いのだが。ほぼ引きこもり状態で趣味の手芸やお菓子作り、読書ぐらいしかしてこなかったシェルにとっては『へぇ、綺麗な人だな』としか思わなかったのだ。





「ねぇ。ちょっといいかしら?」


そんな風に考えてると後ろから呼び止められた。声を掛けてきたのはくるくるの栗毛にくりくりしたヘーゼル色の瞳を持つ愛くるしい雰囲気の可愛らしい女性だった。その女性の後ろにはこれもまた綺麗な女子生徒が2人。しかし彼女らの瞳にはシェルに対する怒りや敵意がひしひしと感じられる。



「…はい。何で御座いましょうか?」


「私はイザベラ=フィラードと申しますわ!あなたは先日図々しくもカディス様とダンスを踊ってらっしゃった方ですわよね?」


「あなた!カディス様と親しいご関係にあるイザベラ様を差し置いてダンスを踊るなんて!身分不相応にも程があるわ!!」


「そうですわ!あなたがどんなに頑張ったって、フィラード侯爵家のイザベラ様にはかなわない事ね!」


「…申し訳ありませんでした。」


シェルは自分がカディス王子の顔を覚えていなかったのが全ての原因だと思い、素直に謝った。



フィラード侯爵家というとクリスティーネ王国の中でもかなりの権力を保持し、また侯爵家の中でもトップクラスの財力を誇っている。そんな家柄出身の可愛らしいイザベラとあの美しい王子はお似合いだなとシェルは素直にそう感じた。




「たかだか男爵と関わりがある程度のあなたがカディス様を()()()()()()など無礼ですわ!どうせあなたもカディス様の側室の座を狙ってるんでしょうけど、いつも能面のような顔で愛想もない可愛げもないあなたに務まるなんて思えないのですけど。」



「あの…イザベラ様。私はカディス様をダンスにお誘いもしておりませんし、側室の座も狙っておりません。」


「なっ…!イザベラ様に口答えする気ですの?!」


「いえ、そういう訳では…ただ私は本当に一度も側室の座を狙っておりませんし、私は侍女になるべくこの学園に来たのです。」


「「「…はぁ?……侍女!?」」」



普通ならクリスティーネ王国の次期国王であるカディス王太子の側室に入るということはこれ以上ない名誉なことであり、誰もがその座を望むものだとされている。そのうえ、その家は将来繁栄がもたらされ力を持つことが出来る。

また、世の女性たちからは聡明で、優美で、麗しげで、上品で、女性にも優しい絶世の美男子であるカディスは言うまでもなく大人気なのだ。


しかもこの国では侍女というものは平民がなるものとされており、時々男爵令嬢などが見習い侍女になる事もあるが何年か経験した後、侍女を辞め、決められた婚約者と結婚することもある。しかしそれはごく稀で自ら侍女になると言ったシェルはイザベラにとって前代未聞だろう。



「で、でもどうせすぐに辞めて婚約者と結婚するのでしょう?侍女になるのも花嫁修業みたいなもので…。」


「いいえ。イザベラ様。私は侍女として生きて食べていくのです。」


「食べていく…?」


「はい。側室の座も狙っておりませんのでご安心下さい。」


何故か自信満々に答えるシェルにイザベラたちは何も言えず、


「そ、そう。これからは身分を弁えなさい。」


「そうよ!イザベラ様の寛大さに感謝しなさい!!」


「カディス様に近づかないでちょうだい!」


とそれぞれ言い残して去っていった。



すごい、嵐のような人だったな…。

やっぱり覚悟は決めていたけど人に宣言したからには立派な侍女にならないと。これからしっかり学んで自分で強く生きていかないと。



*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*



そんな覚悟を再び決めていたシェルの後ろに一人の女性が立っていた。その女性は艶やかな漆黒の髪を持ち所謂日本人だった。そしてその美しい顔を歪ましシェルの凛とした背中を静かに睨んでいた。







まだまだ拙い文章ですが頑張って更新していこうと思います。


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