嫌われている理由
グリーシアン・ローズ学園には王族から一部の庶民までが在籍しており、学園内では身分差別は禁止されているがそんなルールはあっても無いのと等しい。王族と庶民の身分が同じというのはありえない話だ。身分が低いものにとっては過ごしにくい、そんな状況を学園側は黙認している。
私ーシェル=スプリングルは侯爵令嬢で身分も高く、スプリングル家は侯爵の中でトップの権力を保持している。
だが先日、「グリーシアン・ローズ学園に通わせてほしい。」と半年ぶりにあった父にお願いをしてみた時、
「この家から出ていくのであれば金は出してやろう。ただしスプリングル家を名乗ることは許さん。」
どうしてこんなにも除け者にされるのだろう…。
別に悪いことをした訳じゃないのに…。
……
「はい。ありがとうございます。お父様。」
怒ることも出来ない自分に腹が立つ。
「ねぇ、ハンナ。」
「なんでございましょう。お嬢様。」
ハンナは私が生まれた時からずっとお世話をしてくれている乳母で私の唯一の味方であった。
ハンナだけが辛い時も嬉しいときも常に側にいてくれた。
「私はなぜこんなにもお父様やお母様に嫌われているの? 私は何も悪いことなんてしてないのに。
「ええ。お嬢様は決して悪いことなんてしておりませんよ。悪いのはお嬢様の姉であるカレン様ですよ!」
「え?お姉様?」
「はい!蝶よ花よと育てられてきたカレン様はずいぶんと甘やかされあの我儘っぷりと言ったら…。
カレン様の婚約者の方もカレン様の一目惚れで無理やり婚約を取り付けたのですよ。」
「そうだったの。でもそれが私を嫌う理由なの?」
「カレン様は現在18歳で、お嬢様が生まれた時は当時8歳でした。生まれてきたお嬢様を見た時は本当に可愛らしくそれは天使のようでした。
カレン様はそんなお嬢様を見てから、
『シェルが私を馬鹿にしたのよ!』
『私のドレスを勝手に着られたの!』
『使用人を取り込んで私をいじめようとしてるのよ!』
などとお嬢様を悪者に仕立てあげたりと…。」
「ええ。私も覚えているわ。どんだけやっていないことを主張してもお父様もお母様にも信じてもらえなかった。
でもなぜお姉様はそんなことを?」
「それはですね……。お嬢様、いやシェル様が超絶美少女だからですよ!!!所謂、女の嫉妬でございます。」
ん?
「なんでそんなことになるの!?きっとお姉様は私のどこかが気に入らなかったからだと思うわ。それに私は可愛いなんてハンナからしか言われたことないもの…。」
ハンナに励まして貰う程私が悲しんでいるように見えてしまったのが情けなくて少し申し訳ないような顔をしてハンナに微笑んだ。
ハンナは少し驚きながらも私に微笑かけて私のお気に入りのお茶を入れてくれた。
『お嬢様はご自身の魅力に気づいていらっしゃらないのです…』とぶつぶつ呟きながら。
そんな私も一週間後には学園に通う。今までよりも強く生きていかないといけない。学寮で過ごすため今までのようにハンナに甘えているだけなのは駄目なのだ。今までのハンナと過ごしてきた思い出を体験していなくても今の私の頭にはしっかりとその思い出が刻まれている。
そんな思い出を思い出してしまって
私は少し泣きそうになりながらも、
「ハンナ、今までありがとう。大好きよ。」
ハンナも私と同じように涙を堪えて
「お嬢様っ…。私も大好きです。これから辛いこともあると思いますがお嬢様なら乗り越えられます。ずっとこのハンナ応援しております。」
「ありがとう…。」
*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*
そして、私はグリーシアン・ローズ学園の入学式に出席することになったのだ。
理不尽な点もあると思いますがご容赦ください…。




