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メタモルフォーゼス  作者: 新町 東
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第20話『助けに来たよ!!』

作者:今回の内容の序盤はとある人物の過去のお話となっています。

作者:その後に前回の話の続きを書いております。ご了承ください。

第20話『助けに来たよ!!』


 それは昔の出来事だった。


 人々の悲鳴、建物の倒壊する音。


 当時はまだ小学生だった少女は母親にその小さな手を握られながら共に渦中から逃げていた。


 しかし不幸なことに、狂気の目はその母子を捉えた。


 背後から迫る死の恐怖。つい振り返ってしまった時、少女はそれを理解する。


 それは本物の殺意をその薄い笑みに乗せてこちらに向けていることを。


 止まってはいけない、分かってはいても足が自分の物とは思えない程に重い。


 戦いを知らずとも直感が理解する。背後の狂気はそれを見逃してくれるほど甘い存在ではないと。


「誰か……助けて…………」


 救いを求める少女の掠れた小さな声では誰かに届く訳が無い。


 そう思った時だった。


 


 それは後に『シュレッケン襲撃事件』と呼ばれる事件。


 テロ組織シュレッケンによる襲撃により魔法師はその悉くが倒され、結果的にまだ学生であった平賀和昌の手によって幕を閉じられた事件。


 多くの人々は和昌の功績と勇気を称え、彼が『四不の英雄(よつふのえいゆう)』と呼ばれるきっかけとなった、そんな事件。


 しかしながらその影で、平賀和昌がシュレッケンの幹部と激闘を繰り広げているその裏で、それは人々を救い続けていた。


 瓦礫に埋もれた人々を救い続け、襲われている人々を救い続け、人々の傷を癒し続けた者がいた。


 そしてその少女も救われたのだ。


 その人物によって――――――同じ年齢ほどの少女の手によって。




 逃げる母子とそれを追うシュレッケンの間に舞い降りて来たその少女は、


「助けに来たよ!!」


 と脳が蕩けてしまいそうな甘くハスキーな声で言うと、その魔法であっという間にシュレッケンを倒した。そして、


「まだ助けを求めている人がいるから、バイバイ!!」


 そう言い残して文字通り飛んで行ってしまった。


 


 事件終了後、協会に対してあの少女にお礼を言いたいと言う人々が殺到したのだが協会所属でなかった為にその正体が明らかになることは無かった。


 そしてその少女を見た人々はその姿格好から謎の魔法少女として一時は和昌と並ぶ時の人となったのだがそれ以降その姿を見かけた者がいない故にその存在は、人々の脳内からも姿を消していったのだった。


 それでも。周りはそうであっても、いつまでもその恩を忘れない人もいる。


 助けられた本人は……栗山紗百合はそれを決して忘れない。


 いつまでも、いつまでも…………。




「で、どうだったんだ?間仲の魔法は?」


 その日の下校時の会話。


 間仲くんが仲間入りを果たし、メンバーの士気が上がったがそれ以外に特に収穫は無く、その日は解散となった。


 それで智樹がメンバー探しに出た後に魔法を見せてもらった話をしたらそれについて言及して来た訳だ。


「あれは非常に面白い魔法だった」


「面白い?どういう事だ?」


「簡単に説明するなら……初見殺しでジャイアントキリングだな」


「初見殺しでジャイアントキリングだと!? あんなに可愛い顔して随分と物騒じゃねぇか」


「ああ、今度見せてもらえよ。条件にもよるが、あれは俺たちにとって切り札とも成り得るぞ」


「そうだな、そうさせてもらおう」


 素直にそう思えるほどあの魔法は異質だった。よくもCランクであんな魔法をその身に宿したものだ。


 だが、


「Cランクで希少な魔法、しかも格上相手に勝つ可能性が大いにある。これは喜ぶべきだが」


「だが?」


「柄巻先輩が霞んでしまうのではないかと思ってな」


「ああ、確かに」


 Cランクの魔法は高ランクの魔法に劣ってないと言うのを証明する事を大義名分に、柄巻先輩の採用試験の為の箔を付ける事が主目的だ。


 もちろんメンバーになってくれる人が来てくれるのは非常に有り難いが、もしもその人物が間仲くんレベルの希少な魔法であれば、柄巻先輩に集めたい注目も散らばってしまうだろう。


「多分これ以上に変わった魔法を使うCランクはこの学校にいないと思いたいが、もしいたとして参加してくれることになったら、専門校相手でも勝率がグンと上がると思う」


「そうだな」


「でもただ騎士の格好に変身して剣を扱うだけじゃとてもじゃないが勝てたとしても華に欠けてしまう可能性が高い」


「確かにな……やっぱり俺たちの知ってる魔法師が結構ハデハデな魔法ばっかり使うからな。うちの姉貴みたいに」


「由樹さんの場合はハデと言うよりかは、結構ありがちな魔法なんだけど使い方が上手いって感じなんだよな」


 因みに由樹さんの魔法は兄貴の魔法とは違い、ちゃんとした魔法の為に応用も利く。


「……なあ、和俊」


 智樹が何かを思いついたのか一つ間を開けて話し始める。


「何だ」


「もしも、もしもの話だ。これから先仲間になってくれた奴らがみんなして変わった魔法ばかり使うようであればの話なんだけどさ……」


「…………智樹まさか!?」

 

 智樹の言い淀む姿からあいつが言いたい事を俺は察した。


「柄巻先輩に『アレ』教えてやれないかなぁ?」


和俊:どうして過去編を入れたんだ?

作者:これからのお話に必要だったんだけど入れるタイミングを失ってしまい、今回無理矢理入れる形になってしまいました。すいません。

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