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メタモルフォーゼス  作者: 新町 東
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第17話『平賀くん、まさかもう見つけて来たんですか?』

第17話『平賀くん、まさかもう見つけて来たんですか?』


「「え?」」


「え?」


 二人は和俊の言葉に信じられないと言いたそうな表情をする。


「城之崎先輩、柄巻先輩、よく考えてみて下さい。だっておかしいでしょ、専門校には入学させる事は出来ない。その癖、採用試験は受けてもいいよ、ですよ。それなら最初から入試資格ぐらい渡して挙げてもいいじゃないですか。事実、数は少ないですがCランクの魔法師は存在するんですから」


「……そう言われればそうですが、平賀くんはそう言うものだと割り切っているのだと思っていました」


「確かに高ランクであればあるほど長時間の活動が可能で、上質で希少な魔法を持っている可能性も上昇します。現に教会側でトップクラスと呼ばれる魔法師の殆どが異質な魔法の持ち主たちです。だからと言ってCランクの魔法が劣っているわけではありません。物によっては似たよう上のランクの魔法よりも長時間使用出来たり、高い威力を発揮する場合もあります。それに……」


「それに?」


「魔法師と敵対する組織の構成員の殆どはCランクの魔法なんですよ。そう考えると現役の魔法師を最も多く殺傷してきたのは紛れもないCランクなんです。何だったらCランクのみで結成された魔法師を殺すことに特化したテロリスト集団なんてものも存在しますからね」


「「!?」」


「もちろん、その場の戦況や戦術、魔法相性なども考慮されます。ですが逆に考えればそれらを考慮すれば他の魔法師と何ら変わらずにCランクを運用できるんですよ。故にそれらを踏まえて協会側はきちんと認識すべきなんです」


 その男は身を乗り出して、そして不敵な笑みを浮かべ、


「Cランクの魔法はやりようによっては上のランクと何ら変わりないと。そこに差別を持ち込むのは間違っていると」




「彼の頭の回転には目を見張るものがありますね」


「ええ、正直言って悔しかったわ。私の浅はかな考えでは友だち一人救えそうになかったんだもの」


 そんな加奈子の言葉に、


「加奈子、それは違います」


 それをハッキリと告げる。


「こんな無謀な私の願いを応援してくれる貴女がいなければ私は今頃、折れていたかもしれません」


「そんなこと……」


「ありますよ」


 佳澄は柔らかな笑顔を浮かべ、


「どんな時も私の為に全力な貴女が、私にとっての支えなのです。ですから、このエスターテ杯で必ず勝利し、私の夢を叶えることで、必ず恩返しをするとここに誓います」


「佳澄……」


「ですがその前に、人数を集めなければいけませんね」


「そうね。明日からは今まで以上に忙しくなるわね」


「はい!!」


 その二人の笑顔は、晴れ渡る青空の様に清々しく輝きに満ちていた。




 翌日の放課後、俺はさっそく生徒会室に向かうことにした。


 そうしたら智樹の奴が巻き込まれたんだから協力してやると、ニヤついた表情で近寄って来た。


 下心の隠し方を知らないゲスな奴からの申し出とは言え、遅かれ早かれ人数が足りなかった時の最終手段である智樹を先輩方に紹介しようと思っていた所だった。


 なのでその提案を了承、そしてその時俺はこいつを全力でこき使うことに決めた。




「昨日振りね、平賀くん。あれ?その人は?」


「平賀くん、まさかもう見つけて来たんですか?」


「いえ、残念ですがそういう訳ではありません。こいつは……」


 俺が紹介しようとした時だった。


「どうも初めまして!!俺は一年、広田智樹です。親友の和俊に頼まれ生徒会のお手伝いをすることになりました。これからよろしくお願いします!!」


「え、ええよろしくね広田くん。私は……」


 智樹は城之崎先輩との距離を一気に詰め、


「存じ上げておりますとも、この眩く魅力的なの笑顔の持ち主はこの学校ではただ一人しかいません!!生徒会長の城之崎先輩ですよね!!そしてその隣にいるクールビューティーなお方は副会長の柄巻先輩ですよね!!」


「は、はいそうです」


 この学校を代表する美人二人をここまで圧倒する下心丸見えの新入生が他にいるだろうかいや居ない。


 城之崎先輩から差し出された手を両手でしっかり掴む智樹の姿はアイドルの握手会に来た只のファン同然だった。


 ふと柄巻先輩の方を見るとチョイチョイっと手招きをしていたので近づいた。


「平賀くん、あの男は大丈夫なんですか?あの加奈子が苦笑いを浮かべながら狼狽えている所なんて初めて見ましたよ」


「あぁ……普段からあんなんですが俺の幼馴染の腐れ縁なんでいざと言う時に色々都合がいいんですよ」


「そうですか。一応聞いておきますが、彼のランクは?」


「俺と一緒のDランクですよ。ですが体力もありますし、あの性格なので色々聞き込みなんかを頼もうかと」


「Cランクでエスターテ杯に出てくれそうな人材を探してもらう訳ですか」


「そうなりますね、先輩方が直接出向くのも悪くはありませんがやはり一年生側からすれば緊張してしまいますからね。こういうのは同学年の方が良いと思いまして」


 なるほど、とどうやら納得してくれたみたいなのでいつまでも城之崎先輩の手を握り続けている度し難い智樹を引き剥がす。


「ほら城之崎先輩が困ってんだろ。そんじゃ早速だが仕事だ。昨日説明した条件を覚えているか?」


「ああ、Cランクでエスターテ杯に参加してくれる一年生だろ」


「そうだ、それじゃあ行って来い」


「へーい、それでは先輩方、俺、行って来まーす!!」


 そう言うとダッシュで生徒会室から出て行った。


「すみません、城之崎先輩。悪い奴ではないんですが……」


「大丈夫よ気にしないで。それじゃあ私たちも探しに行きましょうか」


「あ、ちょっと待ってください。その前に決めておきたい事があるんです」


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