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17 大浴場再び!

更新遅れてすみません

見てくれている人は少ないと思いますが、更新はなるべく週一で間に合わせたいと思っています。

 魔王城に戻ってきた俺たちは青龍での出来事を報告するために王の間、すなわちクローサの私室に向かっていた。魔王が自分好みの女の子と聞いたランロンは無意識の内にスキップまでしていて、鼻歌までしており非常に上機嫌だ。

 「いやーどんな子なんだろうなー、楽しみだなー」

 城に着いたときから似たような事を何回も繰り返し言っており、その姿は想い人を考える少女の姿そのものだったが根幹にある欲望は少女というよりは獣に近いものだといえよう。

 「もう少しで着くので黙っててくれませんか」

 「だってどんな子か気になるしさ、ってか何で敬語なんだ?」

 ランロンの態度にややイライラしながら仕事モードで注意を促すリーラン。しかし、ランロンはまったく気にしない様子で返事を返していて、ランロンは自分の迂闊な発言を後悔しているようだった。

 入り口から約15分程経ったところでようやく王の間の扉が見えてきていた。セルロは自分の居場所でもある図書館にそうそうに戻っていて休息を取っていた。

 「着きました」

 「ここに魔王ちゃんが・・・」

 「クローサに会うのなんか久しぶりな気がするな」

 「それじゃ開けますね、失礼します」

 ノックを二回してから勢い良く王の間の扉を開け、部屋の中に入る。

 「あ、リーラン帰ってきたんですか、って、まだ開けないでください!」

 クローサが必死に叫ぶので何事だと思って、中の様子を伺うとそこには上半身裸の状態で着替えをしているクローサの姿があった。

 「あっ、すいません」

 「ぐはっ!」

 「ごちそうさまです」

 リーランはニヤニヤと笑みを浮かべながら平謝りし、ランロンはその着替えの姿を見て鼻血を流しながら倒れ、俺はたわわに実った巨乳様に感謝の意を込めお礼を言っていた。





 「まだ開けていいとは言ってませんでしたよね?」

 羞恥心により顔を真っ赤にさせ、怒った顔をしている。

 「す、すみませんでした。フフッ」

 「君が魔王ちゃんかー、確かにかわいいね」

 「何で俺だけビンタされてるの?」

 リーランは謝罪しつつも笑みを隠せておらず、ランロンはクローサの見た目の評価をしていた。

 クローサの着替えに遭遇した俺はなぜか一人だけ頬に真っ赤な手形を付けられることになっていた。

 「女の人に見られるのと男の人に見られるのとではまったく違いますからね、当然の処置です」

 「いや、こいつもクローサの事そういう目で見てるから」

 隣でクローサをじっくりと見ているランロンに視線を送り、指差す。

 「そんな目で見てる訳無いじゃないか」

 「裸見た瞬間鼻血流してぶっ倒れた奴が言うな」

 「それは言わないでくれ」

 俺とランロンのやり取りを黙って見ていたクローサが深いため息をつき、話の本題に入った。

 「それでその方は誰なんですか?」

 「ん?ワタシか?」

 「はい。もしかして青龍の方から派遣されてきた方ですか?」

 「まぁ、そうなるな」

 「セルロがちゃんと仕事をしてくるなんて珍しいですね」

 自分で頼んでおいてそんな事を言うクローサ。しかし、その言葉には嫌味などは無く親しげな印象があった。

 「そうでした、その事で少し報告が」

 「何かあったんですかリーラン?」

 「青龍で勇者の襲撃を受けました」

 「・・・ちゃんと始末は付けましたよね?」

 「もちろんです、トシユキ様がきちんとトドメを刺したようです」

 「そう、ですか」

 少し重苦しい空気が流れ、沈黙が続く。魔界と人間界でどんな因果関係があるかはわからないが、ただならぬ因縁をこの沈黙からは感じ取られた。

 「それならよかったです。それはそうと貴方の名前を聞かせてくれませんか?」

 沈黙を破り、元の明るい表情でランロンに問いかけるクローサ。

 「ワタシはランロンという、青龍頭領イーロンの娘だ。よろしくな、魔王ちゃん」

 「ま、魔王ちゃんはやめて下さい・・・」

 苦笑いをしながら答えるクローサ。そういえば以前ファンクラブみたいなのがあったな、そのせいでちゃん付けが嫌なんだろう。

 「そういえばランロンって俺の部下になるって本当なのか?」

 「確かにそうなりますね、元々トシユキ様の部下としてスカウトする気でしたから」

 ほう、俺の部下・・・なんだな?

 「よし、じゃ帰ってきた記念にあそこに行くか」

 「あそこってどこですか?」

 クローサが首をかしげながらわからないといった表情で聞いてくる。

 「魔王城といえばあそこしかないだろ!」

 「どこですか?」

 「私わかったかもしれない・・・」

 「何を言っているんだ?」

 魔王城の思い出といえば、そう。

 「大浴場だ!!」




 大浴場。魔王城にあるそれはもといた世界では見たことの無いほど広く、温泉の種類も豊富でいて露天風呂などの特殊な風呂などもある。泉質も上質であり、肌の保湿・ツヤ・ハリも保てるなど女性に嬉しい効果付きだ。そしてなにより

 「混浴だあああああ!」

 「やっぱり恥ずかしいですっ!」

 「クローサ諦めろ・・・こういう人なんだ」

 「・・・何で私も・・・」

 「まぁまぁそう言わずにセルロちゃんも入ろうよ」

 今俺は四人の美女に囲まれながら大浴場の脱衣所にいた。クローサには闇勇者権限を使って、リーランはクローサイジりをするならと、セルロは半強制的に、ランロンにはセルロを連れてくると言ったらOKを出してくれた。

 「なんでこんなことに・・・」

 「いいじゃない、みんなで風呂。やっぱ入るなら城の大浴場だしねー」

 「・・・眠い、帰っていい・・・?」

 「さ、入ろうかセルロちゃん。背中流してあげるから」

 そういえばこうして見るとロリコンってことを抜きにしてもランロンはかわいいよな。蒼い髪が首元まで伸びており、蒼い瞳が美しく目つきは鋭いが決して悪くは無い。高く伸びた身長もあって大人びた印象がもてる。胸もそこそこあり、スタイルがいいとも思える。

 「なんだ、ジロジロ人の裸を見て」

 「いや、なんかもったいないなと思って」

 「何言ってるんだ?」

 セルロやクローサに対する時はあんな猫撫で声なのに、俺やリーランと話す時は厳しい口調になる。こいつは恐らく本当にロリコンなんだろう。これだけの容姿をもっていながら本当にもったいない。

 「それじゃあ風呂に入るか」

 「またセクハラしないで下さいね」

 「それはフリで言ってるのか?」

 「・・・クローサ大変だね・・」

 「ワタシもしたいんだが」

 ランロンの発言をそれぞれが意図的に無視をして大浴場の中に入っていった。

 「お~!やっぱり城の風呂は広いなー!」

 「もしかするとここに一番お金をかけたとまで言われてますからね・・・」

 「初代は何考えてここまで豪華に作ったのかねぇ」

 「・・・ある意味すごい・・・」

 「な、なんだここは・・・」

 大浴場の圧倒的な数と大きさにランロンが驚きを隠せないまま、大浴場を見つめる。

 「青龍の風呂場とは全然違う・・・種類も多いし、これはすごいな・・・」

 「でも俺の地元にもこんな感じの場所はあったぞ」

 有料だけどね。

 「ま、そんなことより今後の予定を話しましょうか」

 「今後ってどういうこと?」

 「・・・また仕事・・・?」

 「何の話だ?」

 今後の予定、ということは恐らく他の地域に出向けという事だろう。青龍の他には確か、白虎、朱雀、玄武だったはずだ。しかし、一つの地域であんなに疲れたのにあと三つも行かないといけないとなるとハッキリ言ってすごくめんどくさいな。女の子達と触れ合えるのは良いが元の世界の自堕落自宅警備生活が恋しくなってくる。でも、戻れるわけでもないだろうしここではちゃんと働くか。

 「何の話かと言われれば仕事の話ですね、今度は白虎に向かってもらいます」

 「白虎かーあそこ暑いから嫌いなんだよね」

 「・・・絶対、行かない・・・」

 「ワタシは行かないからな」

 なんか予想以上に評判が悪い。ほとんどの意見が行きたくないってどんな所だよ。

 「行きたくないって言っても行ってもらいますからね。ですが、ランロンさんは中央に残って下さい」

 「もしかしてまた行くのって私とセルロ?」

 「ええ、そうです」

 「・・・暑いの嫌・・・」

 「貴方は少しわがままが過ぎます。嫌と言っても無理ですからね」

 仕事の話となるとやはりクローサは口調が少し厳しくなるようだ。ビジネスウーマンというよりは新人OLって感じだけど。

 「そういう事で良いですか?」

 「どうせ嫌って言っても無駄なんでしょ?」

 「当然です。行くか行かないかは聞いていません。話を聞いて了解したか、と聞いているんです」

 「はいはい、了解ですよ」

 「・・・仕方ない・・・」

 「それでいいのです」

 「何でワタシは行かなくていいんだ?」

 「それはここの仕事をしばらくやってもらうからですよ。早く覚えてもらわないと困りますからね?」

 そう言うといつもの天使のような笑みがどことなく邪悪なものに見えた気がした。だが、恐らく気のせいだろう、うん。

 「まぁ、頑張れ・・・死ぬなよ?」

 リーランがランロンの肩を叩き、不吉な言葉と共に同情の視線を向ける。働きすぎで死ぬってどんなブラック企業なんですかクローサさん。

 「元々人手が足りなかったからわざわざ他の地域まで足を伸ばしてもらったんですから、今は中央の仕事をしてもらいます。落ち着いたら違う仕事もしてもらいますけどね」

 笑みを絶やさず落ち着いた口調で言い切ったクローサは絶望した表情をしたランロンを見てよろしくお願いしますねと一言だけ挨拶をした。

 「さて、仕事のお話はこれまでにしてそろそろ上がりましょうか」

 「先に上がってて。私はまだゆっくり浸かってるとするよ」

 「・・・のぼせたかも・・・」

 「だ、大丈夫かセルロちゃん!?」

 リーラン以外全員が風呂を上がり、夕食を終えたら再び王の間に集合という事で話は落ち着いた。出発の日時などを取り決めるらしい。そういえば以前食べた食事がものすごくおいしかったな。ワームもおいしかったがこの世界の食べ物はレベルが元の世界より高い気がする。とにかくこの後の食堂の食事が楽しみだ。

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