↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/34

11 温泉ドッキリ!

イーロンの家はこの村に入るときチラッとだけ見たが、周りの家に比べて結構デカい。なんか旅館みたいな見た目をしてるな。そんなデカい屋敷に二人しか住んでないというからもったいない。といってもほとんどが鍛冶場の工場的な部分らしい。

 聞くところによると青龍は村全体で鍛冶屋をしていて、それで生計を建てているらしい。確かに村の家からは金属音が聞こえたがまさかその正体が鍛冶屋とは思わなかった。ランロンも日本刀のようなものを装備していたな。きっと自作の物なんだろう。そんな鍛冶場屋敷で俺らは、改めて挨拶と引き抜きの件について和室のような部屋で話していた。

 「なるほど、それでうちの村から優秀な者を引き抜きに来たと。」

 「・・・そういうこと・・・」

 「無理だな。」

 「・・・なんで・・・」

 「ただでさえここは人員不足なんだ、他に当てる人なんぞいない。」

 「・・・じゃ、条件をつける。この人を賭けて勝負をして・・・」

 そう言ってセルロは俺を指差した。

 「俺ぇ!?」

 「・・・これは大事な任務、しくじれない・・・」

 「だからって何で俺が!」

 「・・・なるほど交換決闘、か。」

 「・・・そういうこと・・・」

 「確かに闇勇者のデータなんて早々取れない。それを餌にしようというのだな?」

 いや、何で勝手に話が進んでるんだよ。模擬戦のときも思ったけど何で俺の意見聞こうとしないの?俺に拒否権は無いの?

 「わかった、ならば応じよう。こちらは、そうだな・・・ランロンはどうだ?」

 「・・・充分・・・」

 「父上!?」

 ランロンが素っ頓狂の声を上げる。わかる、わかるよ。俺も今そんな気持ちだよ。

 「ワタシがこの弱そうな男と同等だというのですか!?」

 「そこ!?」

 「どう考えても釣り合いません!撤回して下さい!」

 「なんで無視!?」

 「・・・もう決まった事に文句言わないで・・・」

 「「決まったの!?」」

 俺とランロンが声を合わせて驚く。いつの間に決まったんだよ。

 「なんだ、息ぴったりではないか。意外と相性がいいのかもな。」

 そう言って豪快に笑い出すイーロン。笑い事じゃないんだよおっさん、こっちは必死だっての。

 「父上!本当にするのですか!」

 「くどい。もう決定したのだ、グダグダ言うな。」

 「し、しかし・・・」

 なんか親子で言い争ってるな。ランロン怒ってるけど、どうしたんだろう。俺はよくわかんないからセルロに聞いてみよう。

 「セルロ、交換決闘って何?」

 俺がセルロに聞くと分厚い魔導書を開き、その中のあるページを見せてきた。 

 「えーっと、なになに?交換決闘とは契約紋を用いた決闘である。互いの陣営の欲する人物を戦い合わせ、勝利した陣営には敗者側の人物が契約紋を通して陣営に組み込むことが出来る?」

 「・・・わかった・・・?」

 「つまり、俺が勝ったらランロンがこちらに。あっちが勝ったら俺がそっちにって事?」 

 「うむ、大体そんな感じだ。」

 それでランロンは怒ってたのか。俺より強いと思ってるんだな、たいした自信だ。そういう奴を見るとその自信を壊したくなるな。

 「じゃあ明日やろう。早い方がいいし、何よりランロンが負けた時どんな顔するのか見てみたいしな。」

 「ト、トシユキ様。あんまり煽らないで下さい・・・」

 リーランが困った表情で話しかけてくる。だが、お構いなしだ。

 「なんで?あぁ、友人が負けるとこを見たくないんだな。」

 「あぁ?」

 ランロン声低っ!どんだけキレてんだよ。前もって言っておくがお前から売った喧嘩だからな、これは買うしかないだろう。

 「いいだろう。明日の正午、正式に交換決闘してやる。負かしてこき使ってやるからな。」

 「こき使うことより使われる心配をしたほうが良いんじゃないか?」

 「言ってろ。」

 そう言うとランロンは乱暴に部屋から出て行った。

 「明日とはまた急だな、何か急いでいるのか?」

 「いや、ただ単純に煽りたかっただけだよ。」

 「まぁ貴様がいいのなら良いだろう。とりあえず今日は疲れを取るといい、何なら風呂もあるぞ。」

 風呂、だと・・・?なるほど、これはランロンの風呂を覗くしかないな。明日煽るときに使えそうだし、普通に美人だから見たいというのもある。いや、むしろ突撃という手もあるな。そうすれば、あいつの恥らう姿も見れるかもしれない。

 「じゃ、風呂行く?」

 「え、でもランロンが入ってると思われますが・・・」

 「気にすんな。」

 「・・・私も入りたい・・・」

 あ、そういえばこいつもいるんだったな。美人のお風呂場ツーショット・・・いいな。

 「よし、そうと決まれば向かうぞ。」 

 「わ、私は遠慮します。」

 リーランが拒否してきた。前はあんなに積極的だったのに、今は無理なんて言うなよ?

 「強制だ、早く向かうぞ。あいつが上がってしまう。」

 「やっぱり、強制ですか・・・はぁ・・・」

 「・・・男の人の裸見れる・・・」

 ・・・そういえばこいつ、変態だったな・・・

 「お前は待機で。」

 「・・・むり、行く・・・」

 その言葉にはハッキリと言い切るほど強い気もちが込められていた。多分こいつは何言ってもついてくるだろうな、諦めよう。

 ・・・とりあえず風呂場向かうか。




 

 鍛冶場屋敷の風呂場は思ったよりデカかった。城の大浴場ほどじゃないが、木製の風呂が真ん中に置いてあり、古風な雰囲気が出てとても良い。

 どうやらあいつはまだ来てないようだ、先に入って待ち伏せしよう。 

 「・・・脱がないの・・・?」

 「そんな至近距離で見られたら着替えられないわ。」

 間近に視線を感じて、脱ぎかけた服を持つ手も止まってしまう。

 「お前ら先に入ってろ、俺もしばらくしたら入る。」

 リーランとセルロがしぶしぶといった感じで風呂に向かう。とりあえず、あいつが来るのを待つか。

 今回俺がしようとしている事・・・それは前回のクローサと同じことをする、だ。入ったのを見計らい、ひっそりと息を殺して背後から揉む!だからあいつが先に入るのが前提な訳だ。

 なにやら足音が聞こえてきた、恐らくあいつだろう。俺は脱衣所の掃除ロッカーに隠れる事にした。ここなら様子も見れるし、尚且つ生で脱ぐところが見れるからだ。

 「フンフフ~ン、フンフ~ン。」

 鼻歌を歌ってやがる、これから自分が何をされるのか知りもしないでのん気なものだ。

 「いやーあのセルロって子、かわいかったな~。」

 まぁ、確かにあいつの本性を知らない内ならかわいいと思えるだろうな。見た目はいいのにもったいない、と俺も思っていたからだ。

 「あ~あんな子を一度思いっきり抱きしめてみたいなぁ。」

 あぁ、小さいしなんかわかるかも。それを言ったらクローサもなんだけどな。

 「ってなんか音がするな。」

 ドキッ

 「風呂の方からだな、この声は・・・リーランとセルロちゃん?」

 なんだ、俺がばれたわけじゃないのか。ビビらせやがってまったく。

 「セルロちゃんがいる?なら早く入らないと!」

 そう言って急いで服を脱ぎ始めるランロン。お前恥じらいとか無いの?

「セ~ルロちゃ~ん!」

 そんな猫撫で声を上げながら風呂にいる二人の所に行くランロン。

 「ふぅ、やっと出れた。とりあえず俺も服を脱いで入るか。」

 そういえば三人とも全裸だったな、俺もそうしたほうがいいのだろうか。

 「全裸でいいか。服も脱いだし、いよいよ作戦開始だ!」

 はりきって風呂の戸を開けたのはいいが、あんまり大きい声を出すとバレるな、危ない危ない。

 「いや~ほんとかわいいな、セルロちゃん。何でこんな子いるって教えてくれなかったんだ?」

 「ランロンの趣味を知ってるからだよ。こうなることも予想できるしな。」

 「・・・鬱陶しい・・・」

 ちょうど三人が入り口側に背を向けて並んで浸かっていた。恐らく最初の二人が俺のすることを察してこういう配置にしてくれたのだろう。

 「別に良いじゃん、好きなものは好きなんだし。」

 「それでセルロ嫌がってるじゃないか。好きでもいいけど迷惑はかけるなよ。」

 なるほど、ランロンって子供好きなのか。おっと、話を聞いてる場合じゃないぞ。素早く作戦を成功させないとな。

 「嫌がってないよね?セルロちゃん?」

 「・・・正直アナタ嫌い、うざい・・・」

 俺に狙われてるとも知らずに鼻の下伸ばしてるな。よし、じゃ背後に周ってっと。

 「隙あり!」

 「あ、トシユキさま。」

 「・・・ナイス・・・」

 さぁ、どんな反応を見せてくれるんだ?俺に見せてみろ!

 「・・・貴様、何をしている?」

 えっ、なんで恥ずかしがるわけでもなくただ殺気放ってんのこの人。超怖いよ。

 「何をしている、と聞いたんだが?」

 「えっと、その、揉んでる?」

 「いい度胸だな・・・」

 そのとき俺の顔面に右ストレートが入った瞬間であった。




 「言ってなかったけど、こいつロリコンなんだ。」

 いきなりとんでもない切り出し方するなリーラン。

 「ろっ、ロリコンではない!ただ少女の姿に興奮するだけだ!」

 世間一般ではそれをロリコンというんだよ、知らないのか?

 「で、こいつは何をしたかったんだ?」

 ランロンが縄で縛られた俺を指差す。ちなみに口に布も当てられていて喋ることは出来ない。

 「ふごふぐふふんふぐふぐ。」

 「何言ってるかわからないな、とりあえず殺しとくか。」

 「な、なに言ってんだ!こんな人でも一応闇勇者なんだぞ!」

 うん、こんな人と一応って言葉が要らなかったかなー。

 「こいつもう明日までこのまま放置でいいかな?」

 「どっちでもいいよ、殺さない限りはね。」

 「・・・眠い・・・」

 「じゃあ一緒にねようか、セルロちゃん。」

 「・・・触らないで・・・」

 「もうっ、クールだなぁセルロちゃんは。」

 こいつすげぇポジティブだな、俺ならこんな拒絶されたら相当落ち込むわ。

 「じゃ、解散。」

 リーラン、お前俺放置する気満々だな。眠いのかも知れんがもう少しがんばってくれよ。

 「じゃ寝ようかセルロちゃん!」

 「・・・うるさい・・・」

 おい、マジで置いてく気か!?こんな何もない部屋で何をすればいいんだ!セ、セルロ!お前助けてくれるよな!?

 「・・・大丈夫、さすがに襲いはしない・・・」

 そんな心配してねーよ!この状態から助けてくれよ!何でわからないんだよ!

 「じゃさっさと寝ろよ、明日は決闘だからな。」

 「おやすみ、トシユキ様。」

 「・・・おやすみ・・・」

 いやいやいやいやいや!何で戸閉めるの!?うわ、あいつらもう声遠くなってるし!

 はぁ、ほんとにここで夜を明かすのか・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。