Awoken
目を覚ました時、知らない天井があった。
身体が、重い。
起き上がろうとしたが骨が軋む音が鳴り続けた。
扉が開く音。
人が入ってくる。
「だ、大丈夫なんですか...?」
村の男だった。
「二度と起きないのかと思いましたよ....。」
男はため息をつき、その場に座り込む。
「……助かったよ。ありがとう。」
自然と言葉が出るとともに表情筋がほぐれた気がした。
「こっちの台詞ですよ。」
少し、間があく。
「あなたがいなければ、村は壊滅していました。」
そう言われた。
肯定も否定もしなかった。
できなかった。
魔王がここに来たのは俺がいたからだろう。
しばらくして、身体が動くようになるとすぐ村を出ること告げた。
村人たちが、こちらを見る。
笑っている者もいた。
頭を下げる者もいた。
子どもが、手を振っていた。
なんだかよく分からない。
だが、
悪い気分じゃないな。
「これを持っていきなさい。」
長老が何かを差し出す。
簡素な地図だった。
「交流があった集落を印してある。今はどうなっているか分からんがな。」
指で示される。
いくつかの点が描かれていた。
「お前さんの助けになるかもしれん。」
頷く。
それで十分だった。
村を出る。
誰かが何かを言っていた気がした。
聞かなかった。
足は、もう止まらない。
歩き出す。
地図を見る。
俺は再び魔王城の方向へ向かう。
途中で村に寄ろう。
人がいれば知っているかもしれない。
剣のことを。
あの、壊れないはずの剣のことを。
どこにあるのかは分からない。
だが、それは必要なものだと、分かっていた。
歩く。
魔王を討つために。
それが俺の使命なのだろう。




