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封印されて五百年、世界は俺に牙を剥く  作者: NAriS


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光が咲く

残り3話

デグニテは黄色い瞳孔を光らせ笑う。


 俺は距離を取る。


 

 だが傷口から溢れ出た魔力が変質し、肉体を維持している。


デグニテが一歩踏み出す。

その瞬間にはもう俺の目の前にいた。


拳が迫り、咄嗟に腕を交差させる。


凄まじい衝撃が身体が軽々と吹き飛ばす。


城壁へ叩きつけられ、そのまま壁を突き破った。


石レンガが崩れ落ち、視界が揺れる。


 立ち上がろうとした時、頭上に大きな気配を感じて空を見上げた。


 デグニテが空中にいた。


 『 白羽矢(シラバネヤ) 』


 轟音とともに青白い光が地面を突き刺す。


 地面を転がるように避け、雷が着弾し深い窪みを作る。


 デグニテも同時に着地する。


 今しかない...

 俺は踏み込み、拳を腹へ叩き込む。


 確かな感触、だが浅い...


 デグニテは僅かに後退しただけだった。


 「その程度か。」


 俺は返事をしない。


 そのまま壁側へ走り、デグニテが追う。


 「逃げるのか?」


 デグニテの拳が振り抜かれ、俺は壁へ足を掛ける。


 身体を回転させ、空中で姿勢を変える。


 そのまま膝を突き出す。

 膝蹴りがデグニテの顔面へ直撃する。


 鈍い音。


 デグニテの首が僅かに揺れた。


 完全に不意を突いた。

 デグニテが右手で鼻を押さえる。


 「なるほど....」


 デグニテの口元が歪む。


 「面白い。」


 再び飛んできた拳を避ける。

 さらに避ける。


 俺は城の上層へ向かって走った。


 俺に残された手段は理解していた。


 門が見える。


 俺は砕けかけた門をくぐり、足を振り抜く。


門が砕け、大量の木片と石片が舞い上がる。


 視界が塞がれ、その隙に回し蹴りを放つ。


 デグニテの脇腹へ命中する。


 それでも大した手応えはない。


 木片の向こうで魔力が揺れ、冷気が流れ込む。


 ーー嫌な予感が冷気とともに首筋を伝い鳥肌が立つ。


 『 百鬼狩(ナキリガリ) 』


 デグニテの手の中に氷が形成されていく。


 やがて反りのある片刃の巨刃となった。


デグニテはそれを片手で軽々と振る。


 一振りで城壁が斬れ、石レンガが宙を舞う。


 二振り目には凍てつく風が降りかかる。


 俺は後退する。


 残り一本のナイフで刃を受け流しながら反撃の隙を伺う。


 だがその剣を折っても再生する。


 野太刀が届かない距離を保つ。


 だが、次の一振りで野太刀が砕け、破片が大量に飛び散る。


 壁に破片が突き刺さる。

俺の腹にも深く刺さっていた。


 デグニテがもう一度巨刃を生成する。


 同じ手は通用させない。


 回転斬りだ...


 巨刃が死角から現れた時、刃が俺を捕らえていた。


 柄が伸び、反った片刃の槍のようになっている。


 「逃がさん。」


 横薙ぎに振られ首にひやりとした殺意が触れる。


 「 魔法盾!」


 咄嗟に魔法盾を生成して氷を防ぐ。


 その隙にデグニテの腹に蹴りを入れ込む。


 「....フン」


 デグニテが鼻で笑う。


 デグニテがすぐさま体勢を立て直し槍を降り直す。


 俺は狭い通路に追い込まれる。


 この狭さでは...


 デグニテが笑い、槍の刃をこちらに向ける。


 その瞬間、

 槍が砕けて氷の刃片が通路を埋めるように迫る。


 俺は城壁を交互に蹴って城の三段目まで登る。


 後はこの建物を通れば....


 背後からデグニテの気配が迫っていた。


 氷が集まり、棘のついた巨大な棍棒だった。


 デグニテが振り棍棒が横薙ぎに迫る。


 避けきれず、腕で防ぐ。


 骨が軋み、身体が吹き飛ぶ。


 俺は壁を貫き、荒れた食卓へ叩き込まれた。


 テーブルが砕け、椅子が宙を舞う。


 デグニテが壁から突っ込んでくる。


 テーブルを飛び越え部屋を出る。


 デグニテが追い、その度に建物が壊れる。


 床が抜け、天井が落ちる。


 やがて出口が見え、階段を駆け上がり、城壁を蹴る。


 城壁の上に登り、俺は天守閣の屋根へ飛び移る。


 デグニテも天守閣へ登る。


 「何をするつもりだ?」


 「...ただ.....ここで終わらせるつもりなだけだ。」


 その言葉を聞き、デグニテが氷を反った片刃剣に変え、一気に踏み込む。


 俺は滑り込んで居合斬りを回避する。


 すぐさまデグニテの喉元に手をかける。


 「―反発魔法!」


 デグニテを吹き飛ばし、見張り台の最上階に激突する。


 まだデグニテは起き上がる。

 こいつを倒すには犠牲が必要だ...


 犠牲は絶対に無駄にしない...


 だから...

 「――代償強化」


 全ての魔力と魔法を捨てる。



 「――雷魔法――」


 「 アマテラス 」


 デグニテは逃れることが出来ない。


 「それが貴様の覚悟か...」


 見張り台ごと光に包まれ、塔が崩れ落ちる。



 デグニテは言葉を残す暇もなく溶けて、蒸発するように消え始めていた。

残り2話

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