灼道と凍域
森が途切れ、木は減り、視界が開ける。
地面は荒れ、大きな岩が点々と転がっていた。
その先に影が見えた。
―――都市だ。
俺は再び足を進める。
そのとき、二つの気配を感じた。
そして——
小さな気配が、無数にある。
視線を向けた先に2体の魔族が現れる。
その後ろには下級の魔物を大量に引き連れていた。
数を把握する間もなく——
魔法が放たれる。
一瞬で、視界が炎で埋まる。
前が、見えない。
横の岩影に滑り込み、負傷を逃れる。
この威力は間違い無く―――
「代償か....」
あの魔物達の命を削り力に変えている。
炎が止む隙を突くもすぐに炎が放たれる。
魔法を撃たなければ距離を詰められ撃てば魔物が減る。
こちらが有利なのは一目瞭然だ。
だが違和感があった。
足元に広がる白い霜。
とてつもない冷気を感じた。
触れれば終わる死の氷であると確信する。
どうやら炎と氷で逃げ場を潰すつもりらしい。
これでは岩影も、安全ではない。
安全地帯はじわじわと奪われていく。
....時間がない。
炎が止んだ瞬間に飛び出る。
同時に——
試すしかない。
「――魔法盾」
透明な結晶のようなものが虚空に現れ、魔法を防ぐ。
そのまま炎の中を突き進む。
熱が押し寄せるが、炎が届くことはなかった。
そのまま進み、炎が止んだ瞬間、距離はかなり縮まっていた。
そして、こちらの盾も消えてしまう。
その間も止まることなくさらに詰める。
だが——
再び炎が迫り来る。
盾は出すことができなくなっていた。
ならば炎を消すしかない...。
「――抹消魔法」
目と鼻の先だった炎を打ち消し炎の無い空間が生まれる。
炎が止まった瞬間、魔族まで後一歩だった。
足を踏み込んだその瞬間――
炎が吹き出した。
全身が焼け、皮膚が焦げ始める。
炎が止んだ時には意識が朦朧としていた。
「ーー回復魔法」
焼けた肌を治し、腕を振る。
頭に一撃叩き込む。
骨が砕ける感触が手を包み、土煙が上がる。
もう一体は俺を見失っていた。
視線の外、上から拳を叩きつける。
氷が砕け、静かになる。
魔物を片付け、都市へ向かう。




