第四節「むかしがたり:みっつ?」
夢現で、コッパーは物語を見た。
――――――
むかしのこと。
一人の若者がいました。
それは、たくましく、働き者で、素直な青年でした。
悪しき考えを持つ者がいれば、行ってなだめ、時に倒し、人々を守りました。
なにより、毎日、神への祈りを欠かさずに暮らしていました。
しかし、悪しき考えを持つ者が集まって力を持ち、
神を倒せば神になり替われると誤った考えを持ちました。
そして今まで、自分たちの行動を邪魔してきた若者への復讐に、
改心した弱き者の顔をして悪しき者たちは若者に助けを求めます。
今いる神は偽物で、本物の神を隠してしまっているのだと。
素直な若者は騙されてしまいました。
若者は誰よりも怒りに燃え、誰よりも剣を振るい、
悪しき者たちに背を押され、神の宮まで焼こうとしました。
神の宮を囲む白き花が火にあぶられると、花は悲鳴を上げ、風を巻き起こしました。
若者はその風に襲われ、目を閉じました。
その胸に、神の御声が届いたのです。
「いつも祈りを欠かさぬお前であれば、神の愛に気付くことができるであろう」
若者はその優しい声を聴き、涙を流しました。
誰が正しく、誰が悪かを思い出したのです。
目を開いたとき、若者を悪に引き込んでいた者らは、罰を受けて炎の中にいました。
若者は剣を取り直し、今度は神に背く者たちを斬りました。
炎が静まり、再び宮の姿が現れたとき、
若者はただ一人、血にまみれて立っていました。
神は仰せになりました。
「おまえの剣は、わたしのもの」
「おまえの痛みも、わたしのもの」
それから若者は改めて、一生を神の為に尽くし働くようになり、幸せに暮らしました。
道を誤っても、心を素直に、神への祈りを忘れなければ、
神は導いてくださるのです。
――――――
これは、夢だ。
これも、イメナータから…
違う。
この話は…聞いたことがない。
どこかで聞いた、別の物語か?
だが、どこで?
自分におとぎ話をするような人間を知らない。
少なくとも、覚えてはいない。




