【番外編】変化
魔鳥の世話をするステラを眺めながらエレンがルーカスに言った。
「...十年か。少女から立派なレディになったな...」
「気持ち悪い目で彼女を見るな」
ルーカスの肘がエレンの脇腹を突く。
「ゔっ...冗談だって。でも、あえて言わせてもらおう。...よかったなルーカス、これで年の差を気にせず堂々と手が出せるな☆」
突き立てたエレンの親指をへし折る勢いでルーカスが怒った。
「ふふ...あの二人はいつも仲良しね」
ステラが魔鳥の身体を丁寧にブラッシングしながら笑う。刻が動き出して二ヶ月が経とうとしている。ステラはルーカスが目覚めてから、彼女に触れるときにどこかぎこちないことを気にしていた。
「...もしかして、この十年で私が変わってしまったから......」
魔鳥がそんなステラの不安を察知して彼女に擦り寄った。
「...心配してくれてるの?ありがとう」
ステラは笑顔になると、ルーカスとエレンのところに戻った。
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その夜、窓辺から星月夜を眺めるステラのもとにルーカスがやってきた。
「綺麗な星だな」
「本当に。今日は雲がないから星がよく見えます」
「...ステラ、お前に渡したいものがある」
「何ですか?」
ルーカスはステラの背後にまわると、彼女の首にネックレスをかけた。
「わぁ...綺麗......」
小さな星が一粒、胸元で輝いている。
「...お守り、だ。俺の魔力がマーキングしてあるから、何かあったらすぐに駆けつけられる」
「ありがとう、ございます......」
嬉しそうなステラの顔を見て、ルーカスは顔が熱くなるのを感じた。大人びたステラを前にすると、鼓動が速くなり、彼女のことを直視できずにいる。
「...ルーカス様。十年も経って、私も変わりました。もしかして、昔の私の方がよかった...ですか...?」
「な"っ...そんなわけないだろ。俺の気持ちは昔も今も変わらない。ずっとお前が好きだ」
「でも...この姿だと触れてくれないから......」
いじらしいステラの表情に、ルーカスは思わず顔を手で覆う。
「...ずるいだろ、そんな表情......」
ルーカスはステラを抱き寄せると、煌めく星々の下で彼女にキスをした。
「ずっと恋愛にはうんざりしていたのに、お前には何度も恋してしまうんだな」
ルーカスは優しい手で彼女の頬を撫でた。
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エレンが魔鳥に乗って夜空を飛んでいた。昼間のルーカスの様子を思い出して、思わず吹き出す。
「『ステラが魅力的になりすぎて触れ方がわからない』って...そんなことを言うようになるとはね。ルーカスは女に言い寄られることはあっても、自分から言い寄る経験は皆無だもんなぁ...。あーあ、俺もあんなに一途に誰かを好きになってみたいなぁ。...二人が幸せになってよかった」
エレンが笑うと、魔鳥がスピードを上げて王都の夜空を駆け抜けた。




