53.トムとニーナ
ベイは皆んなからの視線に耐えられなかったのか?真っ赤になった顔を両手で隠し………「お願い…そんな目で見ないで…僕は本当に大した事を考えてないから。皆んなが知っている通りメリーの事しか考えていないから」と言うと、リンダが「はい、よく存じ上げています、昔からそうでしたから。更に付け加えれば…暇さえあればメリーを膝の上に抱っこしている…私達はそんな風に認識しておりますので」と言って微笑むと、部屋中が大爆笑になった。 。 第15 〈…ニーナ…〉 ニーナはニンマリと微笑んではいるが、大人の女性の気持ちが今ひとつ分からない?…ニーナはメリーを見つめ「メリー先生…ベイ博士はそんなに沢山メリー先生のお尻を触るんですか?」と質問をして来た。すると少し天然が入っているメリーは、子供の質問には正しく答えなければいけないと思ったのか「そうね、いっぱい触って来るわね」「触られるのは嫌ですか?」「嫌なわけ無いじゃない、むしろ嬉しいわ」「何で嬉しいんですか?」「だってベイは私の事が好きだから触ってくれるのよ、嫌いなら触らないでしょ…」「はい、そう思います…パパもママのお尻をよく触っています、私達が知らないとでも思っているのか…ママの後ろからパパがお尻を触ると、ママは振り返って嬉しそうな顔で「なんなのブラウン」と言ってキスをします…それって好きだからですか?」メリーは頷きながら「その通りよニーナ、パパとママは愛し合っているの…お喋りしたり、手を握ったり、抱きしめたり、キスをしたり、全部大事な事なのよ」ニーナは深く頷きながら「私…お兄ちゃんのことが大好きなのに、お兄ちゃんが私の事を触らないのは…嫌われているのかしら?」と言ってトムに視線を向けた…トムは真っ赤な顔で「ニーナ、僕もニーナが大好きだけど…僕達は兄妹なんだよ。ニーナが大人になったら、素敵な男性が現れて「結婚して下さい」って言ってくれるから…」「私はお兄ちゃんの奥さんになりたい」「ありがとう、僕もニーナを奥さんにしたいけど…兄妹だからね、法律で許されないんだよ…」と言ってトムはボブの顔を見て(そうですよね先生)と言うような表情で訴えた。ボブは以前、トムに勉強を教えている時に、話しが少し脱線した事があった、その時に将来どんなお嫁さんが欲しいのか、と言う話題になった。トムは照れくさそうに「僕はニーナのように素直で明るい女の子がいいです」と言った。ボブはトムの頭を撫ぜながら「トムはニーナが好きなんだね」と言った、するとトムは淋しげな表情で「でも僕達は兄妹なんです…」と言って下を向いてしまった。ボブはその時のことを思い出しながらベイの顔を見た…。。実は以前、トムとニーナを生き返らせた時、以外な事実が判明した…しかし、ブラウン夫妻が隠している事を、周りの人間がとやかく言う筋合いがないので黙っていた。ベイはボブの視線の意味を理解した上で、ブラウン夫妻に目を向けた。ブラウンとレイチェルは、ベイの視線を感じながら…顔を見合わせ…目で会話を交わしている(あなた…どうしよう、大丈夫かしら?)(大人になってから言うつもりだったんだけれど、トムとニーナがそんなに悩んでいるなんて…)と思っていると、アンジーがトムとニーナの間に入り…2人の肩を抱き寄せながら…ポツリ、ポツリと呟いた「私達が昔ね…施設に居る時にね…メリーと、リンダと、ルーシーと、私の里親が決まったの…本来なら喜ぶべき事なんでしょうけど…私はとにかくジョニーから離れたくなかったの…ジョニーに抱き着いて「ずっと一緒に居たいの…」って泣きながら言ったら「僕もだよアンジー、ベイに相談しよう、きっと何とかしてくれるよ」って…2人でベイ博士の所に走って行ったの、そしたら…すでにボブとリンダ、グレイとルーシーが来て居たの、たしかメリーは…ベイ博士の胸にしがみついて泣いて居たわ…ベイ博士は微笑みながら「大丈夫…大丈夫だから、いま頭の中を整理しているからね、皆んなが幸せに成れるような作戦を考えるからね」って言ってくれて…それから作戦が実行され…色々な事がいっぱいあったけれど…皆んな、パートナーの手は絶対に放さなかったわ。ニーナ、トムが大好きなら…何があっても離れちゃダメよ」と言って、アンジーはニーナのおでこにキスをした。ニーナは満面の笑みを浮かべながら、トムの顔を見ている…その様子を見たレイチェルは…意を決したようにブラウンの手を握り…そして「アンジーさんのお話で…私の揺れ動く心が…おさまりました、ありがとうございます。」と言った後に、レイチェルはトムとニーナの前に立った。トムは内心叱られると思ったのか…少し伏し目がちに立っている…しかし、レイチェルの顔はとても柔和な表情である。レイチェルは、2人の目線に合わせる為に床に座った「トム…大人になったらニーナを奥さんにしたいの?」トムは静かに頷いた、レイチェルは「そう…分かったわ…ニーナもトムの奥さんになりたいの?」「ごめんなさいママ、私…難しい事は分からないの…でもお兄ちゃんの奥さんになりたいの…その事を考えると胸が苦しいの…」レイチェルは優しく微笑むと「…いいわよニーナ、トムのお嫁さんになってあげて」「いいのママ」「いいわよ」とレイチェルが言い終わると同時に、ニーナはレイチェルの胸の中に飛び込んだ…レイチェルはニーナの背中をさすりながら「ニーナ、私は貴女のママよ…でも1つだけ聞いてほしい事があるの」「なぁにママ?」「あのねニーナ………貴女には…もう1人…ママが居るの」「えっ?…」「本当は…ニーナがもう少し大人になってから…言うつもりだったんだけど…今言うわね」ニーナは黙って頷いたが、レイチェルの目からはすでに涙が溢れている「ある晴れた日に…貴女の…お父様とお母様が…ホテルに泊まりに来られたの…昼の1時頃だったわ。お母様の腕の中には、産まれて間もない貴女が寝て居たわ…真っ白なベビー服を着て…私は天使が寝ているのかしらと思ったの…お父様は少し疲れているように見えた…ブラウンが三人を部屋に案内して…フロントに戻って来た時に「レイチェル…なんだかマズイ気がする」って、私はなんの事だかよく分からなくて…。夕方に三人で「ちょっと外に出て来ます」お父様がそう言った時に、お母様に抱っこされていた貴女が、急に泣き出したの…御二人はとっても辛そうな顔で貴女を見ていたわ……その時フロントの奥に寝かせていたトムも泣き出して…ブラウンがトムを抱っこしながら「あの…もし宜しければ、赤ちゃん泣いているようですから、私達夫婦で御預かりしましょうか?…あの、私が抱っこしているのは、息子のトムって言うんですけど…今2歳でして…あの…娘さん…御預かりしましょうか…」って。お父様とお母様は顔を見合わせて…そして私の胸の中に貴女が来たの…お母様が「娘のニーナです、よろしくお願いします」そう言った後に貴女の頬と私の頬にキスをされて…そしたらブラウンがトムを御二人に見せながら「まだ2歳なんですけど、頭が良くて、とっても優しい子なんです…きっと大人になったら…ニーナちゃんを守ってくれると思います…ニーナちゃんの花婿候補にいかがですか?」って言ったの、私はびっくりして「あなた、お客様に失礼な事を言わないで。すみません、本当に優しくて、良い主人なんですけど、たまに訳の分からない事を言うんです、ごめんなさい気を悪くされましたでしょ」って言ったら…お父様がブラウンの手を握って「ありがとうございます、よろしくお願いします」って言われて、そしたら今度はお母様が…貴女を抱っこしている私ごと抱きしめられて「いけない事をした時は叱って下さい…愛してやって下さい…お願いします…」って…。御二人を乗せた車の後ろを見ながら、ブラウンが泣いているの…「どうしたの」って私が聞いたら「たぶん御二人は帰って来ないよ…帰ってきて欲しいけど…」…次の日、御二人が事故で亡くなった事をニュースで知ったの…ニーナ、貴女のお父様の名前はニールさん、お母様の名前はエレナさん…ごめんなさい、今まで隠していて…」と言って下を向いた。部屋の中がシーンとなった(ニーナちゃんに…何て声をかければいいんだろう…)誰もがそう思っていた時である、ニーナが歓声を上げた「やったー、お兄ちゃん、私たち結婚出来るのよ。お兄ちゃん、アレって夢じゃなかったんだね、良かった〜、お兄ちゃんの奥さんになれる」と言ってニーナは大喜びであるが…大人達は何の事だか分からない?…ブラウンがトムに向かい「トム…夢って何の話かな?聞いてもいいかな?」と言った、部屋の中の大人達が全員トムを見つめた…しばらくの沈黙…その後トムはうつむいたままで「あのねパパ…少し話しが長くなるけど…いいかな?」ブラウンは小さく頷きながら「構わないよ…ゆっくりでいいから」と言ってトムの頭をなぜた「…あのね、僕達が死んで、このホテルの周りを漂っている時にね…オジさんとオバさんに声をかけられたんだ…オバさんが「ニーナ、可愛い女の子になったわね…」って、そしたらニーナが「おば様、私の事を知っているの?」って聞いたんだ、オバさんは「うん……知っているわよ…ずっと見ていたもの…ねぇ抱っこしてもいい…」って、ニーナはオバさんの顔をジッと見つめた後…ニッコリ笑って「いいわよ、もう死んでいるから誘拐される心配もないものね」って、オバさん笑いながらニーナを抱きしめて…そしたら今度はオジさんが僕に向かって「トム君…お父さんが言っておられた通り、優しくて賢い男性になったね」って言ってくれて、だから僕は「ちっとも賢くないので…ニーナを守れず死んでしまったんです」って答えたんだ…そしたら「そうか〜…でも、オジさんとオバさんは…嬉しいよ…まさかニーナとトム君とおしゃべりが出来るなんて」って…オバさんはズッとニーナに頬ズリしてるの、それから30日間、オジさんとオバさんと過ごしたかな、沢山お話しをして…とっても仲良くなってね…でも今日が最後で…オジさんとオバさんが天に上がるって言う日に…ニーナがオバさんに「お兄ちゃんの事が好きだけど、兄妹だから結婚できないの…」って言ったら…オバさんが「大丈夫よ結婚出来るわよ…だってニーナを産んだのは…オバさんだから…ごめんね、びっくりした」って言ったらニーナが「…知ってたよ…ずっとお腹の中で…お母さんと、お父さんの声を聞いてたもん…きっと大人の事情って言うのがあったんでしょ…」って…オジさんとオバさんは大泣き………でも最後にオバさんはニーナをギュッと抱きしめて、キスをしながら「レイチェルママとブラウンパパを大切にするのよ」って…そしたら、オジさんは僕に「ニーナを頼みます」って言って何回も頭を下げてきたの…僕はオジさんに抱きついて「ニーナとズッと一緒に居ますから、大事にしますから」って…泣いちゃって…それから、天に上がっていくオジさんとオバさんに手を振って…そしてまた2人で…ホテルの中を漂っている時に、生き返らせて貰って…でも生き返ったら、漂っていた時の事が夢のような…なんだかボンヤリとして…よく分からなくなってきて…ごめんなさい…長くなったけど僕の話はこれでおしまい」そう言ってトムが顔を上げると、周りの大人達の顔は涙でグチャグチャである。ブラウンはトムとニーナの頭を撫ぜながら「ごめんよ…そんな事があったんだね…2人とも偉かったね」と言うと、レイチェルはニーナをギュッと抱きしめて「お母さんに会えて良かったね、抱きしめてもらって良かったね、キスしてもらえて…本当に良かったね…」と言って泣きだした、するとニーナはレイチェルの背中をさすりながら「ママ泣かないで、私にはママが居て、お母さんが居て。パパが居て、お父さんが居るのよ。そしてお兄ちゃん…じゃなくてトムと結婚出来るのよ…それに私達2人には、何でも教えて下さる先生が8人、いえ10人もいらっしゃるのよ…私達、きっと世界で一番幸せなカップルだと思うわ」と言って微笑んだ。ポジティブなニーナの強さに、大人達の心は大いに救われた。女将はベイに向かって「元はと言えば…ベイ博士の復讐計画大作戦から出発したんですよね…でも途中から、不運な死に方をした人達を、生き返らせちゃえ大作戦になり…そこから地球を救う御手伝いに変わり…そして最後は、トム君とニーナちゃんが、大人になったら結ばれる、と言う話でおさまりましたね。ベイ博士、皆さん、今まで本当に楽しかったですね」と言って微笑んだ。ベイは頷きながら「本当に…一生懸命に考えた作戦でしたけど…まぁ〜僕の優柔不断な性格上…最後までブレない作戦は……無理みたいですね…」と言って頭をさすると、匠は微笑みながら「臨機応変に進化して行くんですよね、ベイ博士の作戦は、私は大好きですよ」と言うと、女将もすかさず「私も同じ意見です。小さな子供さんの幸せを丁寧に解決される…一番大事な事だと思いますよ、ベイ博士の事ですから、次の作戦も頭の中で考えているんでしょうね」と言って珈琲を一口飲んだ「…あらあら大変…冷めちゃってます…」と言いながら人差し指を立てた…するとあっと言う間にテーブルの上にある珈琲カップ全部から…湯気が上がった。誰もがニンマリと微笑み…そして親指を立てた。朝から色々な事が沢山あった朝食会は、この後15分ほどで終了した。女将と匠を入れた10名は、ブラウン一家に見送られ、いったんスカイシップに戻った。 第16 〈…サプライズ…〉そして8人はすぐさま黒衣モードを身にまとい、テレビ局の一室に瞬間移動をする準備をした…女性のニュースキャスター…グロリアに会うためである。特別なニュース番組を終えたグロリアは、控え室でリチャードスミスに御礼を言っていた「…お疲れのところ申し訳ありませんでした、また当番組に出演して頂き…ありがとうございました。そして途中…私自身、私情を挟んで取り乱してしまった事…本当にすみませんでした…どうか…お許しください」と言って涙ぐみながら頭を下げた。リチャードは慌てて「いえいえ頭を上げて下さい、私は怒ってなど居ませんよ…むしろ出来る事なら貴女に、神様達を紹介したいくらいです…でもきっと皆さん…お忙しいと思いますので…」と言っている時に、部屋の隅っこがキラキラと光り出した、2人が(…えっ?…)と思っているとイキナリ8人がパッと現れた…グロリアは「えっー」と叫びながら口を押さえた。。。。




