18.豪華客船
8人はスカイシップに戻った、お互いに顔を見合わせてニコニコしているが…メリーは内心ドキドキしている(思わずベイの決め台詞を邪魔しちゃった…きっと悪魔の使いって言いたかったんだろうな。ベイ怒っているだろうな〜)と思いながら…ベイの顔を横目で見ている。そんなメリーの気持ちを察したリンダが「まさかナースの方が病気だったとは、ビックリしましたねベイ博士」と言って話しを切り出した、するとルーシーも「ドクターの旦那様は奥様を治してもらって泣きながら喜んでいましたね」と話しを続けると、アンジーが「でも自分達の常識では理解出来ないから、あの部屋の中にいたドクターとナースの人達は今頃…頭の中が混乱しているでしょね」と…混乱と言う博士の大好きなキーワードを使って話しを盛り上げた…グレイは更に「きっとパニック状態なんじゃないかな、死んだ人が生き返るなんて、本来有ってはいけない事ですからね、混乱以外の何者でも無いでしょうね」と話しを膨らませると、ボブは「本当にそう思うよ、きっと今頃ニュース番組なんかでも、信じられない事が起こりました、なんてスタジオが混乱してるんじゃないかな」と微笑みながらジョニーの顔を見た、ジョニーは小さく頷きながら両手を広げ「きっとニュース番組は、積乱雲が急に消えた、なんて言う所あたりから大騒ぎしてますよ、それに安置所で生き返った人達や、家族の人達にトップシークレットですからって言ったけど、絶対に何人かの人は喋りますよ、誰にも言わないで下さいと言われると、余計に言いたくなっちゃう人って居ますから…ベイ博士、今回は人のクチコミからも世の中が混乱して行きまよきっと…」と言って親指を立てた。ベイは嬉しそうな顔で「イヤ〜今回も皆んなの働きのおかげで…世の中を混乱させる事が出来たね、嬉しいね、ご苦労様でした」と言って微笑んだ。7人は(よーし上手くゴマカセタ、これでメリーは叱られないだろう…)と思った…その時、博士はメリーの腰に手を回すと「あのさメリー…さっき僕が話し出した時、急にキスをして来たでしょ、出来れば、あんな事は、やめて欲しいんだけど」メリーは(あっ〜、やっぱり怒ってたんだ…ベイに嫌われちゃうのかな〜)メリーの目には見る見るうちに涙がたまり「あの…ベイ、ごめんなさい…」と小さな声であやまった。リンダは(しまった〜フォローしきれてなかった)と思ってボブの顔を見上げた。ボブはとっさに「あの〜…」と言いかけるとベイはメリーの顔をジッと見つめたまま「さっきも言ったじゃん、僕の頭の中はメリーの事でイッパイなんだって。初めて会った人達の前で…キスをされると、僕自身…自分をおさえるのが大変なんだよ…胸がドキドキして、理性が失われて、メリーの服を全部脱がして、抱きたくなっちゃうんだよ、ここにいる皆んなの前なら、小さい時から一緒だから良いけどさ…」6人は(やめて〜、ベイ博士とメリーがブリッジの中でいきなりセックスを始めたら、泣きたくなっちゃうから…)と思った…「だから、知らない人達の前で、キスをするのは止めてね」と言ってメリーにキスをした。メリーは、ホッとした思いと(私自身を、そんなにベイは好きなんだぁ…よ〜し、今夜は乱れるぞ〜)と思いながら「ごめんなさい、もうしないから」と言って、ベイにしっかりと抱き着いた。6人はホッと胸を撫で下ろし…(やれやれ、丸くおさまった…)と思った。そんな時、女将さんが「ベイ博士、実は22分ほど前に豪華客船からSOSの信号が出て居たんですけど…ここから1万8000キロの場所です。行かれますか?」ベイ博士は皆んなの顔を見回し「心の準備はいいかい?」7人は声を揃えて「いつでも大丈夫です」と言って親指を立てた。ベイは嬉しそうな顔で「女将さん現場に向かって頂けますか」「了解しましたベイ博士、4秒で着きます」7人は(あっと言う間かい…)と思っていると…女将さんから「お待たせ致しました事故現場上空です」と言うアナウンス的な声がデッキ内に響いた。「女将さん状況を教えてください」と言う博士の声に「1200名乗りの客船に、今回は1086名が乗っていました。港まであと4時間の所で、誤って浅瀬の岩に接触してしまった事が、今回の事故の原因です。12隻の救命ボートには船長と乗組員と乗客合わせて472名が乗っています…614名は客船とともに海中に、その内24名の遺体は、船の外に出てしまったようです、報告は以上です」ボブが「あの〜女将さん614名の方達の生存は…?」「はい…たった今、全員お亡くなりになりました」ボブは「あっ、そうなんですか…」と言いながらリンダの顔を見つめた。するとベイが元気な声で「サァー仕事にかかるよ〜。匠さん、まずスカイシップを海中に、そして海底に沈んだ船を見つけたら、大きな泡で包んで下さい」「了解しましたベイ博士」「4人の女性はブリッジで待機、ボブとジョニーとグレイと僕は、今から船外に放り出された24名の方達の回収作業に…フリー達は僕達を誘導…ブレス君は球体の潜水艦になってくれるかな…さあ下のデッキに行こう」博士の号令で一斉に動き出した。4人が透明の球体潜水艦に乗り込み、海中に出た時には既に…目の前には豪華客船が、大きな泡に包まれた状態になっていた。グレイが「さすが、匠さんは仕事が早いですね〜」と言うとボブが「俺達も24名を少しでも早く探さないとね」と言って親指を立てると、3人も続けて親指を立てた。…海中で浮遊している24名をわずか4分間で回収してスカイシップに戻り、マシンを動かし24名を生き返らせ…その後に全員で豪華客船に移動した。まず8人全員で船内食堂の大広間に遺体を運び込んだ。客室の中の遺体は家族とみなし、2人とか4人とかに並べて寝かし、廊下やその他の所に倒れていた遺体は少し離した、別の列に並べて寝かせた。ここまでの作業だが…590名ともなるとさすがに時間がかかる、其れは一度に遺体を三、四人くらいずつしか抱えて移動が出来ないからである。ベイのその様子を見ながら(…う〜ん、こう言ったケースはこれからも有るよな〜、体力的にはフリーとブレスレットの補助力があるから疲れ無いけど…重力を操れる機能も…ブレスレットに組み込んでいたら…こういった時に便利だよなぁ…)と考えていた。590人の遺体が綺麗に並べられた。先に生き返った24名は部屋の隅でドキドキしながら見守っている、すると目の前で…次々と、光と煙りに包まれて、亡くなった人達が生き返って来るのだ…(えっ〜?マジで?…自分達もああやって生き返ったの…あの8名の方達は誰…神様…?ですよね…)と思うと…身体が自然にブルっと震えた。ベイとメリーがマシンを動かし、ボブとリンダは生き返った人達を順番にシャワー・マシンに案内し、グレイとルーシーは軽食と飲み物を渡した。アンジーとジョニーは少し離れた所で2人会議を開いていた、614名に対して、なぜ事故が起きたのか?…なぜ、自分たちが生き返る事が出来たのか?と言う疑問に対して答える為の、シナリオを考えていた。ジョニーが「…ウソをついてもスグにバレてしまうので本当の事を言わないとね」と言うと、アンジーも「そうよね、今はネットに何でも流れてしまうものね…」そんな打ち合わせをしている2人に、後ろからメリーが声をかけた「ジョニー、アンジー、もう少しで全てが終了するけど、準備はいいかしら?」「はーい、今2人の中でシュミレーションが終わったところよ」と言うアンジーの言葉に、メリーはフリー・メーを使い「リンダ、ルーシー。アンジーとジョニーの準備が出来たそうよ」「了解、こっちも最後の家族の方達がシャワー・マシンから出られたところよ」とリンダが答えると、ルーシーも続いて「こちらも了解でーす、あと4人分の軽食と、飲み物を用意しとくわね〜」と答えた。3人のやり取りを聴きながら、ベイとボブとグレイは、生き返った人達に「皆さ〜ん、少しこちらに注目して下さい。今から皆さんの身に何が起こったのか?なぜ、生き返る事が出来たのかを説明します、スミマセ〜ン注目して下さ〜い」と言った。その声に、先に生き返った24名も、嬉しそうに590人の中に入って行った。小さな子供達が窓の外を指差し「パパ、ママ、私達って海の中に居るの」「そうよ…」と答えた両親も、内心は(スゲ〜、どうなってるんだよ?)と思っている「凄〜い、魚がいっぱい泳いでる…」と言う無邪気な子供達と同じくらいに、大人達も(信じられね〜、マジかよ〜)と思っていた。ジョニーとアンジーは微笑みながら614名の前に立つと、軽く一礼をした。まずジョニーが「皆さん、今回はとんでもない悲惨な事故に遭遇してしてしまいました。しかし幸運な事に、とんでもない天才科学者にも遭遇しました…あちらに立って居られる方はベイ博士、私達7人は助手です。今、子供さん達が海の中だと言っていましたが、正確には大きなシャボン玉に包まれた状態で…海の中に居ます。ベイ博士は世界一のトップシークレットの頂点に立って居られる方です」全員がベイの方に視線を向けた…ベイは小さな声で「フリー・ベー、ジョニーに余計な事は言わないでと伝えて」と言った、フリー・ベーは言われた通り、ジョニーの耳元に居るフリー・ジーに伝えたが……ジョニーは言う事を聞かずに、ニヤリと笑った。フリー・ベーは「ベイ博士、ジョニー様に、お伝えしましたが、笑って居られるだけです」「うん、ありがとうフリー・ベー…ちゃんと見えてるよ」と言って肩をすくめ…タメ息をついた。ジョニーは更に「ベイ博士は生命のミナモトを研究され、肉体の再生と生命復活の実現化を成功された方です。皆さんは運良くベイ博士に発見され、トップシークレットに選ばれた方達です。良かったですね、夢を見ているんじゃ無いですよ、皆さんは、船の沈没で亡くなったんです…しかし科学の力で生き返る事が出来たんです。今から、皆さんを港に送って行きますのご安心下さい」と言って微笑んだ。次にアンジーが「何か質問がある方が居られましたら?…」と言う声をかけると、1人の壮年が手を上げた、アンジーは微笑みながら「どうぞ、何でしょうか?」「あの…私達は、船にドシンと言う音がして「えっ?」と思ったんですけど、船内アナウンスで、船は大丈夫ですから部屋から出ないで下さい、と言う話を聴いて…でも船が傾いた時…窓の外に救命ボートが出されていて…あの〜私達は、見捨てられたんですか?」アンジーは小さく頷きながら「はい、残念な事ですが、その通りです。この客船は初めから救命ボートは1200人分用意されて無いんです、700人分です…其れと今現在、海上の救命ボートに乗っている人数は472名、本来ならあと228名乗る事が出来たのに…人を乗せずに、472名の人達の、荷物が乗っています…」会場から落胆の声が響いた。アンジーはその声を聴きながら「今から皆さんの事を港に送りしますが、救命ボートに乗っている472名は送りません。置いときましょう、なんだかムカつくじゃないですか、そのうち誰かが迎えに来るでしょ、お金持ち何ですから、自分達の事は、なんとかするでしょう、私達はそこまでお人好しではありません、私達7人が尊敬するベイ博士も、日ごろ冗談半分で「俺達は神様の使いと言うよりも、自然の摂理に逆らって、死んだ人を生き返らせるんだから、悪魔の使いなんだと思うよ…悪魔だから優しくないし、気まぐれで良いんじゃないかな」って言って居られるくらいですから」会場から笑い声が上がった、アンジーは更に「他に質問はありませんか?」「あの〜」と手を上げたのは22歳の青年である「はい、どうぞ何でしょうか?」「あの…荷物を取りに行ってもいいでしょうか?」アンジーはベイの顔を見た…すると博士はフリー・ベーを通してアンジーとジョニーの耳元に「荷物は濡れていたけど、匠さんが全て元どおりに乾かしてくれているよ」と伝えた。アンジーは微笑みながら「皆さんの荷物は私どもメンバーの匠さんがちゃんと乾かしてくれて居ますよ」と言うと会場から歓声が上がった。その後も質問をうながしたが、誰も手を上げなかったので、ジョニーは先ほど手を上げた青年に視線を向けながら「では皆さん御自分の荷物を取りに行きましょうか、どうぞ立ち上がって御自分の部屋の方へどうぞ、慌てなくてもいいですからね、1時間後にまたこの場所に戻って来て下さい」と言って皆んなを送り出した。全員が部屋から居なくなるとベイはフリーを通して「女将さん、614名の方達の経済状況はどんな感じだか分かりますか?」「はい、ベイ博士は、きっと私にそう質問して来るだろうと思って、全て調べ上げておきました」「皆さんどんな感じですか?」「皆さん。裕福な生活をしている訳ではありません、何年もの間お金を貯めて、家族の、あるいは夫婦の、思い出作りに参加した人達ばかりです…先ほど最後に質問して来た青年などは、かなり貧しいですよ、途中からこの船に乗って来たんですが…アメリカで頑張って働いて、母親と婚約者を迎えに行きたいようですよ」ベイは頷きながら「女将さん、金庫からお金を出す用意を…お願いします」と言った「はい了解しました…」7人はベイと女将のやり取りを聴きながら、ニッコリと微笑んだ。そして1時間後、満面の笑みで荷物を持った614名が大広間に返って来た。ジョニーとアンジーは、皆んなから見えるように椅子の上に立つと「皆さん、もうすぐ港に着きます。海上に出ると船を包んでいるシャボン玉が破れ、皆さんが下船し終わると…この船は海中に沈みます、船底に穴が開いているので仕方ありません」と言うと全員が(なるほど…)と思いながら頷いた。しばらくして…イカリが下され…船は港に接岸されされた。港の方では入国審査を行う職員達が困惑していた、それは、船が座礁して沈んだと言う連絡が既に入っていたからである…なのに今、自分達の目の前には豪華客船が…。その時アンジーが船の船外マイクを使い「…スミマセ〜ン、何だか、人を驚かす番組の企画だそうで、後で船長からの説明があります。とりあえず乗客の方達を降ろさせて頂きます。」と言った。。。。




