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トップシークレット  作者: toshimi1215
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12.マジックショー


ジョニーとアンジーは顔を見合わせた後に「喜んで…させていただきます」とアンジーが言えば、ジョニーは「子供たちの喜ぶ顔が…今から目に浮かんできますよ」と言って微笑んだ。ベイは女将に「すみません女将さん…手配の方を宜しくお願いします」と言って頭を下げると「はい…ただいま5カ所の病院と交渉しております…もう少しお待ち下さい…一軒の病院からOKが出ました…二軒目、3軒目からOKが出ました………4軒目、5軒目、全てOKが取れました」「女将さんスゴイ…何でこんなに早く交渉が出来るんですか?」と言ったのはボブである「ボブさん、実はジョニーさんからベイ博士に今回の提案があった段階で、病院の方に、子供達の為に楽しいボランティア活動をさせて頂く事は可能ですか?と言う交渉を進めていました」「えっ〜でも…もしもベイ博士から許可が下りなかったら…なんて思わなかったんですか?」「ボブさん…私と主人は、ベイ博士から産んで頂いた子供だと思っています…父であるベイ博士は、皆さんの希望を否定される方では有りません…その事は皆さんの方が、よくご存知かと…」7人は目を潤ませ…口々に「はい…」と返事をしながら(そうです…皆んなの希望は…必ず聞いてもらえます…)と思った。ジョニーとアンジーはデッキの窓辺のソファーに移動して…30分間ほどのマジックショーのシナリオを、1時間余りで作り上げた。まず、病院から白いシーツを8枚借りる、それも患者さんと親御さん達が見ている前で、ナースの方達から手渡してもらう…シーツを魔法のジュウタンに見立て、8人はフリーの力を借りて空中に浮く、見ている人達は病院のシーツなのに?と思う…後は空中に浮いたままで、ライオンだろうがトラだろうが象だろうが、子供達が喜んでくれると思うモノにフリー達に変身してもらい、その後に…と話しあっている時に、…スカイシップは一軒目の病院上空に着いた。。小高い草原の真ん中に病院は建っている…建物の周りには花壇が綺麗に区画され、その中で色々な花々が咲いている。病院の玄関前では既に…3人のナースが、8人のボランティア・マジシャンの人達を待っている。スカイシップの中から「ベイ博士どうしましょうか?ナースの方達ズッと遠くを見てますよ…」と言ったのはボブである「ボブ、僕達はマジシャンなんだから空から堂々と、スッーと下りて行ってもいいんじゃないかな?そう言った事をするマジシャンの方、居るんじゃないかな」「そうですね〜」ベイの言葉にボブは嬉しそうにリンダの手を握って「さあリンダ行くよ…何だか胸がドキドキしてきた」と言って皆んなを笑わせた。3人のナースは車でマジシャンが来ると思っているので、街の方から病院まで一本で繋がっているアスファルトの道を…ズッ〜と眺めていた。「先輩、マジシャンの方達の車…見えませんね〜」「そうね〜、ボチボチ約束の時間なんだけど、街の方の道が…混み合っているのかしら?…」と2人のナースが喋っている、すると3人目のナースが笑いながら「マジシャンの方達だから…空から下りて来たりして」「まさか〜」と言いながら3人は空を見上げた…ベイは、下から見上げている3人のナースと目が合ってしまった…「あっ〜残念。あと50メートルほどで下に着いたのに、見つかっちゃいましたね〜」とグレイが言うとルーシーは満面の笑みでナース達に手を振りながら「ほら皆んなも手を振らないと、怪しまられるわよ」その通りだと思った7人も慌てて手を振った…「先輩、スゴイですね〜。前に、空に向かって上がって行くマジックは見た事があるんですけど…スゴイなぁ〜登場する所からエンターテイメントが始まっているんだぁ〜」と3人のナースは感動した。8人は小さな体育館のような部屋に通された、縦横の広さは約40メートルほど、天井までの高さは6メートルほどある…「ベイ博士、ちょうどいい広さですね」とジョニーが言うと、アンジーは、既に集まってくれている子供達と親御さん達に向かって「皆さん、こんにちは、お待たせしてスミマセン…」と言いながら病院側が用意してくれた舞台の方に進んだ。高さが50センチ、奥行き3メートル、横幅6メートルの、仮設の舞台である。8人は舞台の上に立つと親御さん達が拍手をしてくれた…車椅子の子供達が16人、ベットに寝た状態の子供達が8人…自分の力でソファーに座っていられる子供達が3人である。後ろの壁には親兄弟、親戚だろうか?、70名ほどの人達が立っている。「皆さんお待たせしました、世にも不思議なマジックショーの始まりです…」ジョニーの第一声が…震えている、痛々しい子供達の姿に胸が苦しくなっているのか、目には既に涙がたまっている、その事に気付いたアンジーは小さい声で「フリー・アー、バックミュージックをお願い」「はい、アンジー様」軽快な音楽が部屋中に響き渡った…「では始めにナースのどなたか、シーツを8枚貸してくださいませんか?」入口の前に立っているナースが直ぐに8枚のシーツを持って来てくれた。アンジーは笑顔でシーツを受け取ると「皆さん、今ナースの方から魔法のジュウタンをお借りしました…」会場中はキョトンとしている(…シーツだけど…?)ベイ博士達はいっせいにシーツを広げると…その上に乗った。子供達も大人達も歓声を上げる(クオリティの高いマジックだぁ〜)ジョニーとアンジーは会場を見回すと(…よし、皆んなの気持ちを掴んだぞ〜)と思った。後はライオン、象、シロクマ、天井スレスレにキリン…動物の後には車、ボート、ジェット機、アニメに出てくるロボットまで…子供達は大喜びだが大人達は余りの凄さに言葉を失って「…これって本当にマジックなの…」と呟き出した、その声は、8人の耳にもちゃんと聞こえている、しかし8人は大人の言葉など少しも気にせず、子供達の笑顔だけを見つめて(さあ〜もうすぐ終わりだよ…最高の驚きを、あなた達にあげるからね…)と思っていた。バックミュージックが止まり8人は静かに頭を下げた…アンジーの優しい声が子供達の耳に届いた…「皆さん、楽しんで貰えましたか?」酸素マスクをしている子供達が大半である…声にならない笑顔でアンジーの質問に応えている、「皆さん、実は今日…この席に、皆さんの夢を叶える為に、世界一の天才科学者ベイ博士が来られています。」会場中の大人達はまだショーの続きだと思っている…「さあ〜叶えて貰いたい夢は何かしら?…」するとソファーに座っている6歳くらいの女の子が「わたし…病気が治ってお家に帰りたい…」と言った。子供の両親は泣き顔を隠す為に両手で顔を覆った…周りの大人達は(何で夢を叶える何て言うの…もう手遅れなのよ…悲しい思いをさせないで…)と思いながら小さくタメ息をついた。するとベイは「お嬢ちゃんの夢を叶えようね」と言いながら、手にシーツを持って、女の子のソファーに向かった…その様子を見ながらアンジーは更に「さあ〜ベイ博士が動き出されましたよ、次は誰かしら」小さな手が上がった…「あなたの叶えたい夢は?」「学校に戻って…友達と…勉強したり…遊びたい…」と言ったのは車椅子の少年である…アンジーは笑顔で「とっても素敵な夢ね…大丈夫、叶うわよ」少年は弱々しく微笑んだ。「私は…長生きして…パパとママを大事にしたい…」と言った女の子は、ナースに頼んで、自分の代わりに夢を語ってもらっていた…もう小さな声しか出せないのである。ベイはソファーの女の子の前に立って「お嬢ちゃん、お家に帰ってパパとママにいっぱい甘えてね…」と言って白いシーツをファ〜っと女の子に掛けた…(何をしているんだ…)誰もがそう思った。女の子がシーツにくるまり、わずか2秒…ベイがシーツを剥いだ…女の子はソファーの上に立ち上がり、元気な声で「パパ、ママ!」と叫んだ。両親は言葉を失い、椅子から転げ落ちてしまった。ドクターとナース達は目をむいて絶句し…部屋の中はシーンとなった…静寂の中、女の子は両親の元に駆け寄り「パパ、ママ…ベイ博士に病気を治して貰っちゃった…」と言って微笑んだ、両親の絶叫と、力いっぱいの抱擁…部屋の中は歓声の嵐、嵐…嵐。ベイはフリーを通じて「さあ皆んなで取り掛かろう…」ボブもリンダもアンジーもジョニーもグレイもルーシーも、そしてメリーも、満面の笑みで親指を立て…「了解いたしました」と頷き、1人また1人にシーツをかけ病気を治して行った。…今までズッと夢を見て居たのだ、我が子が元気に走り回っている事を…目を覚まし、現実を受け入れると、お腹にグッと力を入れて涙を拭い…子供の前では笑顔を作り…心の中で(神様、助けて、息子を(娘を)助けて〜お願いします、お願いします…其処に居るんでしょう、もう死んでしまいそうです…お願いします…私達の胸の中に子供を返して下さい…)そうズッと願って来たのだ…。そして今、(誰なの?神様ですよね?目の前の黒衣のマジシャン達は…神様ですよね…スミマセンでした、外見で判断して、でも、神様はてっきり白衣の方だと思ってました…本当にゴメンなさい、ごめんなさい…そして有難うございます、感謝以外の言葉が見つかりません…)と、部屋の中に居る大人達は…皆んな…口々に…そう呟いた。ドクターとナースが一番驚いたのは、病気の進行上やむなく両脚を切断した女の子が、ベットの上で飛び跳ねているのだ?えっ〜?何で?両足がある…ドクターとナースは気を失いかけてしまった。…わずか10分足らずで病院内の子供達を全員…治してしまった。院長が誰かに電話かけ出した…女将から、フリー達を通じて警告が届いた「皆さん、院長が国の機関に電話をかけています、皆さんの事を、悪魔が来たと言っています、ボチボチ撤収された方がよろしいかと」ベイは早口で「了解いたしました…皆んな撤収するよ〜」そう言うと7人は親指を立てながらロビーに向かった…。しかしロビーには既に20名の警備員達が…8人を外に出すまいと、まるでフットボールのスクラムを組んだような形で、8人にジワジワと近づいて来た、身体の一番大きなボブが両手を広げて腰をかがめた…20名の警備員達は(たった一人で何が出来る、押し潰してやる)と思った…その時、部屋の中から警備員の責任者が駆けつけ、ボブと20名の警備員の間に走り込んだ「皆んな、落ち着け…誰の指示で此処に居るんだ?」「ボス、院長から、8人のマジシャンを捕まえように指示がありまして…」「此方の方達はマジシャンじゃない…神様だ、部屋の中を見て来い…病気の子供達が走り回っている…神様が治して下さったんだ…」すると後ろから院長が「何をしている8人を捕まえるんだ…そうしないと解雇するぞ」20名の警備員達は院長と責任者の顔を交互に見た…スクラムを組んでいる2人が部屋の中に走り込んで行った…そして帰ってくるなり「ボスの言う通りだった、その方達は神様だ、道を開けろ…」18人の警備員達は、慌ててスクラムを解いて両脇に並んだ。院長は大声で警備員達を怒鳴ろうとした…しかし、声が出ない…身体も動かない。ベイが小声で「フリー・べー、院長だけストップモードにして」という指示を出して居たからである。ベイは院長の前に進み「…貴方の言う通り、私達は悪魔の使いです、私達を捕まえる?動けない貴方がどうやって……貴方の事を、少し調べさせて貰いました…過去に…本当なら助かる子供を…9人も、人体実験の材料にしましたね…医学発展の為には、多少の犠牲はしょうがない…なんて言わないで下さいね…私はそんな事をしなくても子供達を助けましたよ」ベイの言葉を聞いて驚いているのはジョニーとアンジーである(えっ〜、この院長、テレビで紹介されて居た時は「子供達の最後の時間をとにかく…大事にして上げたいんです」と目に涙を浮かべながら喋って居たじゃないか…)と2人は顔を見合わせて…憤慨した。しかし警備員達はもっと驚いていた(まじかよ〜、人の命ほど尊い物は無いって、院長の口癖だったじゃないか…ガッカリさせないでくれよ…)と思っていた。フリーがベイの耳元で「女将さんが、昨日亡くなった6歳の女の子の魂が、まだ両親の周りを漂っているそうです…院内の霊安室です、ご両親もまだ霊安室の中に居られると…」「ありがとうフリー・べー。」ベイは19名の警備員達にむかい「悪魔の力を見せてあげましょう…」と言って霊安室に向かった。19名は黙ってベイ博士達の後に続いた。霊安室のなかでは亡くなった我が子を抱きしめ…30代半ばの夫婦が声をひそめて泣いて居た…。突然入って来た27名の人達に…夫婦は小さく会釈をした…夫は妻の肩をさすりながら立ち上がると「…スミマセン…お邪魔でしたね…私も妻も…身体中の力が抜けちゃいまして…スミマセン直ぐに帰ります…」ベイは夫をいきなり、ギュ〜っと抱きしめた…1年前の自分を思い出したからである。夫は我慢していた何かが吹っ切れたのかベイの肩を借りて、大声で泣き出した…最愛の娘を無くしたのだ…警備員達もすすり泣いている。ベイは夫の背中をさすりながら「トップシークレットなので、詳しい説明は出来ませんが…お嬢様を…」と言っている時に、リンダが女の子を生き返らせ終って居た…婦人の絶叫、警備員19名の歓声…「あなた〜セシルが〜、あなた〜」ベイは夫の背中を、ポンポンと叩くと「お嬢様が帰って来ましたよ…」と言って夫を振り返らせた。「…セシル?」「パパ…ただいま…」夫は、子供を抱っこしている妻ごと抱きしめ「ありがとうございます…神様…」と言うのがやっとだった。…8人が玄関に向かうと沢山の人達が集まって居た、神様に…マジシャンの人達に御礼を言いたかったからである。1人の婦人が「大事な息子が走り回っています…本当に何と御礼を申し上げれば良いのか…」ベイは大勢の人前で喋るのが苦手なのでジョニーがすかさず前に出た「私達のマジックショーは…気に入ってもらえましたでしょうか?」と尋ねると、拍手と歓声が上がった…8人は微笑みながら…小さく手を振り、そして空に昇って行った。下から見送る人達は(…神様って本当に居たんだぁ…神様って4組の夫婦だったんだなぁ…黒い衣装を着て、照れながら…自分の事を悪魔の使いって言うんだ…)と思った。皆んなで8人を見送った後にロビーに入ると、身動きが出来ない院長が目に入った…誰もが(…悪魔って本当に居たんだなぁ…それも身近な所に…白衣を着て…偉そうに、私は神の使いです、みたいな感じの事を言ってたくせに…)と思った。後に院長は、地元の警察の人達に囲まれた時に、身体が動くようになった…「違う、誤解だ、私の話を聞いてくれ…」「ハイハイ、署に戻ってゆっくりと話を聞きますよ」「嫌だ、警察には行きたくない、私を誰だと思っているんだ」「殺人容疑者です」と言って、院長は逮捕された。。。。

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