251 「守る」だけの盾はもう古い!?
盾に火力を盛るツィマ○ド脳な作者
(※7章開幕です!)
ガンキンの新作武器の購入と、新たに購入した大盾への取り付け。
ついでにいくつかガンキン曰くの妙ちきりんな注文をして、またガンキンに渋い顔をさせて数日後。
ガタガタ…
「へぇ…。
それで出来上がったのがその盾ってわけ…?」
馬車に揺られながら、俺の装備する大盾を見て呆れた様子でマリ姉が呟く。
他の冒険者メンバーは俺が語った〈パイルバンカー〉の威力に驚いていたが、自前で魔法という強力な攻撃手段を持つマリ姉には響かなかったようだ。
だが俺は全ての機能を語ったわけでは無いため、マリ姉のような反応も致し方無しだ。
俺が〈パイルバンカー〉の購入を決めた後に俺へその機能を説明したガンキン曰く、「隠し球は必要だろう?」とのことである。
それに俺は知っている。
マリ姉が密かに、俺が「それ本当に必要か?」と首を捻るような魔法の魔法書を買っていることを。
主に夜に活用されるであろう、それらの魔法を知った時の俺の反応はというと…「このエロ魔女め…!」であった。
「…何だか、歩く武器庫みたいですね。」
マリ姉とは異なり素直な反応を見せてくれたリタは、新たな大盾を持つ俺をそう表した。
「ん?そうか…?」
確かに「〈パイルバンカー〉を仕込むのならば…」と、他にもいくつか盾の裏に仕込ませて貰った。
とはいえ仕込み過ぎても盾として扱えなくなってしまうので、リタが言うほどでは無いと思うのだが…。
盾の下半分は〈パイルバンカー〉関連で埋まっていて、本体の両サイドにそれぞれ1本…合計で2本の予備の杭が備え付けられている。
この予備の杭はそれ単体でも短めの投げ槍として使えるが、これ2本で本体の半値もする高級品を投げるのは憚られる。
肝心の〈パイルバンカー〉の作動方法だが…本体に繋がる盾の持ち手に巻かれた金属線はどうやら魔銀製らしく、魔道具を使うように魔力を流すことで固定が解除されて杭が打ち出される…という仕組みらしい。
…うっかり魔力を流して意図せず作動しないかが心配になったが、ガンキン曰く「その対策は一応されている」とのことだ。
そして残る盾の上半分、おそらくリタはここを見て「武器庫」と表したのだろう。
ガンキンの手により、先代の盾の一部から生まれ変わった総数5本の〈投げ針〉。
その内3本は最上部の〈巻金鞘〉に収納され、残る2本の〈投げ針〉と2代目〈シャベルナイフ〉は、盾の持ち手と〈巻金鞘〉の間のアイテムベルトに収まっている。
アイテムベルトは5つの収納部が設けられた、冒険者にはお馴染みの革製ベルトだ。
設置された場所はともかく…使い方としては一般的な筈であり、今は空いている2ヶ所には後でポーション類を収める予定だ。
〈巻金鞘〉はガンキンオリジナルの改造部品で、なんと〈パイルバンカー〉製作のために試作したミニチュアが元となっている。
ということは当然〈巻金鞘〉からは3本のミスリルワイヤーが持ち手に伸びており、魔力を流すと巻金によって〈投げ針〉が射出されるようになっている。
盾を上下逆にする必要があるが、盾型の弩だと思えばそこそこ使えると思えないだろうか?
例のごとく誤作動の対策はされているらしいが、本当にどういう仕組みなのやら…。
〈パイルバンカー〉を主として、〈巻金鞘〉・〈投げ針〉・〈シャベルナイフ〉・その他。
以上5つの仕込みが、俺の新たな大盾には施されている。
(…うん。改めて挙げると多いな?)
なんと無しにリタの言葉を否定したが、どうやら認識を誤っていたのは俺の方だったようだ。
ガタガタ…
そんなひと幕を繰り広げながら俺たち〈白の大樹〉はゆっくりと…だが確実に、今回受けた依頼の目的地へと向かって行くのであった。
─ ??? ─
陽の光が届くことが決して無い暗闇の中。
カツーンッ!カツーンッ!カツーンッ!
1人の少女がランタンの灯りを頼りに、一心不乱にツルハシを振るう。
カツーンッ!ポロッ…
「ふぅ…、これはどうでしょうか?」
やがて1欠片の鉱石が転がると、少女は一旦ツルハシを振るうことを止め、転がった鉱石を拾い上げる。
「………う~ん…、やっぱり質は良くないです…。」
ゴソ…
しばらく手にした鉱石を矯めつ眇めつしてた少女は残念そうに呟くが、それでも得た鉱石を大事そうに、地面に下ろしていたらしいリュックへと詰める。
「そのままで質が悪いなら、質を良くすれば良いのです!」
カツーンッ!
鉱石から鉄が精錬されるように、粗鉄を更に精錬すれば良質な鉄を得られなくも無い。
再びツルハシを振るい始めた少女が言っているのはそういうことなのだが、「言うは易く、行うは難し」である。
カツーンッ!カツーンッ!カツーンッ!
しかし少女はツルハシを振るい続ける。
幼き日に聞かされ今も憧れる、異端として追放されたかつての伝説に近付く…そのための1歩を踏み出す為に。
勘の良い読者はこれだけでもう、色々と気付くんでしょうね。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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