241 黎明
※警告※
この先脳破壊()展開があります。
苦手な方や疾患のある方は読み飛ばしを
『オススメ』
します。
以上の警告を承知の上、閲読する場合は【自己責任】で宜しくお願いします。
↑ネタです。本気にしないで下さい。
これから勝負を始めようとしていたら、既に決着が着いていた。
ニーニャはチャトランを選び、俺から永遠に離れてしまった。
それが「矜持」という名の自己満足でニーニャの好意をはね除けてきた結果であるなら、その「矜持」にかつて誓った通りに俺はニーニャの意思を受け入れ2人を祝福するべきなのだろう。
しかし今の俺は自分の望んだ結果で無いからと受け入れず、夕食も摂らずに部屋に閉じ籠って現実から目を逸らしている。
3人もの婚約者達に心配を掛けてまで拗ね続ける俺に、元々「矜持」などというものは一欠片すら存在していなかったのだろう。
それでは、俺は一体“何”を「矜持」と勘違いしていたのか?
コンコン
答えが出る筈の無い考えを遮り、俺の籠る部屋の扉がノックされる。
「…開いてる。」
またマリ姉か誰かが様子を見に来たと思った俺は、訪ねて来たのが誰かを確認すること無く入室を許可した。
そして俺は思い知らされる。
いくら目を逸らしたところで、いつかは現実に直面することになるのだ…と。
何故なら現実というものは、こちらが逃げていても向こうからやって来るのだから。
カチャ、キィ…
「あの…、話があって…。」
「………。」
婚約者3人の内の誰かだとある意味油断していた俺は、そっと開いた扉から顔を覗かせたのがニーニャであったことで、頭と身体が硬直してしまった。
おずおずと怯えるような様子のニーニャに、俺の知るマイペースな姿は欠片も伺えない。
「俺の知らない姿のニーニャ」…そのことが、ニーニャが自分から離れてしまったのだという実感を俺に与える。
不意打ちでショックを受けてフリーズしてしまい、反応が無い俺を訝しんだのだろう。
「ご主人…?」
ニーニャのその呼び掛けに、俺はカッとなる。
グイッ!
「きゃっ!?」
バタンッ、ガチャガチャ!
俺は衝動のままにニーニャの腕を引いて部屋に連れ込み、乱暴に閉めた扉に逃げられぬよう鍵を掛ける。
ドンッ、ボスッ…!
「ご、ご主人どうしたの…?」
突き飛ばされるようにベッドに倒れ込んだニーニャが、それを行った俺に困惑した目を向けて訊ねてくる。
ガバッ!
だが俺はニーニャに言葉で応えることはせず、代わりに「ニーニャの上に覆い被さる」という行動で示した。
「ちょっ…、そんな急に…」
ここまで来ると困惑していたニーニャも、俺が何をしようとしているのかに思い至ったようだ。
シュルッ…、スルスル…
「フッ…、フッ…」
だというのに、荒く短い呼吸を繰り返すだけで、俺にされるがままのニーニャ。
「ッ…!」
生まれたままの姿となったニーニャに、俺は初めて見たわけでもないにもかかわらず息を飲む。
フワッ
「穢してはならない」と直感に訴えてくる神聖さを感じる一方で、昨晩も嗅いだ甘い花のような匂いが俺を誘う。
だが昨晩と違い、俺を縛る理由など何も無い。
俺は誘いに抗うことはせず、食べ頃を迎えたばかりの果実に手を伸ばし─
「くぅ…ッ!」
「っ~~!─ったぁ…。」
─欲望の赴くまま、獣欲が満たされるまでニーニャを貪ったのであった。
… … … … … … …。
… … … …。
…。
メ゛ェ゛~
「…、ん…?」
(スラストか…?)
ニーニャが果てた後の何度目かで満足して寝ていた俺は、遠くから聞こえてきた〈ヤク〉の鳴き声で目を覚ます。
ノソ…
(…って)
「まだ夜明け前じゃないか…。」
身体を起こして窓の外を見た俺は、東の空がようやく薄ぼんやりと明るくなってきている景色を見て、そう独り言ちた─
モソリ…
「ん…、…ご主人?」
─筈だったのだが、俺ではない少し掠れた声が聞こえた。
「ニーニャ…。」
「ん、何…ご主人?」
昨晩のこともあり気不味げに自分の名前を呟いただけの俺に対し、恐怖でも嫌悪でも無く…まるで愛しい者を見るかのような表情を向けてくるニーニャ。
だがそんなことは無い筈だ!
そう…これは夜目が利かない夜明け前の薄暗さを理由に、身勝手な俺が作り出した幻想だ!
衝動的だったとはいえ、俺はニーニャに赦されざる罪を犯した。
それなのに幻想を作り出して事実をねじ曲げるとは、俺は更に罪を重ねるのか…?
ガバッ!
「ニーニャ、済まん…!」
聖人はおろか…そこで開き直れるような極まった悪人にもなれず、罪悪感に圧し潰されそすになった俺はニーニャにドゲザで謝る。
「…何で謝るの?」
しかしドゲザをする俺に、ニーニャは「赦し」でも「罵倒」でもない「疑問」をぶつけてきた。
…俺はドゲザでニーニャに最上の謝意を示したつもりであったが、ニーニャは俺の謝罪が「自分への謝意」よりも「罪悪感からの解放」にあることだと見抜いたのかも知れない。
だからこそ「赦し」でも「罵倒」でも無い「疑問」という形で、俺に「罪の自覚」をさせようというのだろう。
否…「罪を背負い続けて生きる」こと、それがニーニャが俺に科した「罰」なのだ。
「いや、その…俺はニーニャに酷いことを…。」
(だから!
ニーニャが求めているのは“何が「酷いこと」なのか”ってことだろうが…!)
だというのに、この期に及んですら言葉を濁す己に、俺は内心で自身を叱責する。
己の「罪」を口にすることすら満足に出来ない俺に、…ニーニャはさぞ軽蔑を抱いたことだろう。
…昨晩の行為に及んだ時点で最早関係の修復など不可能だというのに、未だにニーニャが俺に抱く気持ちを気にするとは─
(─滑稽だな…。)
俺は内心でそう自嘲し、肝心のニーニャの反応は─
カッ
「…うん。」
フイッ…
─俺の言葉を聞いたニーニャは瞬時に顔を紅潮させると、俺から目線を逸らしてしまった。
あまりの怒りに、俺の顔も見たく無いということ─
「最初はびっくりしたけど…強引なご主人、素敵だった…。」
ぽっ
─だろうか?
………、………。
「…ん?」
何か有り得ない言葉が聞こえた気がして、俺は思わずニーニャに聞き返す。
モジモジ…
「優しいご主人も好きだけど…、あんなに激しく求めてくれるなんて…。
…今すごくふわふわしてる。」
え…、今「俺が好き」って言った?
幻聴…じゃない?じゃあその前の「素敵だった」っていうのも…?
「「………。」」
無言で視線を交わす俺とニーニャ。
…コクン
そしてニーニャが頷く。
「…えぇええぇ~っ!?!?」
マリア「ちょっとラス君!?迷惑でしょ!!」
※お知らせ※
明日より章ラストスパートの連投を開始します。
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