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農家のデブ三男、兄に実家を追い出されて街で冒険者始めたらモテ始めました!?  作者: FURU
5章  忍び寄る戦争の影

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198 作戦は順調

 盗賊砦(洞窟)地形イメージ


    入り口━━┓ 〇 〇  ?

  旧入り口?──┗━┻┳┻┳┻━|?

             〇 〇


  〇 →部屋(確認済み) ━ →通路

  ? →部屋(未確認)  ─ →通路跡?

  | →板材の扉



「(行くわよ。)」


 とのマリ姉の合図から、3…2…1…─


カサッ…

(今だっ!)


 マリ姉が草を束ねたカーテンを僅かに捲る、とほぼ同時。

 俺は盾と槍を構え、いの一番にその部屋に突入した。


ツーン…ッ


「うっ!?(来るな、外れだ。)」


 とたんに俺の鼻を襲った腐敗臭に思わず嘔吐き、俺は後に続くメンバー…特にニーニャに入って来ないように警告した。


(腐ってやがる…!奪い過ぎたんだ。)


 幾つかの村が被害にあったとは知っていたが、この腐った食料の量を見るに…目につくものは根こそぎ奪って来たに違い無い。


 昨年の不作で、ただでさえ蓄えが少ないなかでの略奪だ。

 被害にあった村の運命はその時点で、「盗賊に殺される」か「空腹に殺される」かの、どちらかに決まってしまったのだろう。


(…いや、領主様が今すぐ動けば間に合うか?)


 というより領主代行のあのお嬢様ならきっと、問題の盗賊団が退治され次第動けるよう、既に準備を終えていてもおかしくはなさそうだ。


 不幸中の幸いか、臭いの元が食料で良かった。

 リタやニーニャ…は意外と平気な予感がするが、それでも腐った死体なんかは見ない方が良い。


「(がらくた、荷車。)」


「(壊れた武器に食料…、ですか…。)」


「(腐ってない食料も別で置いてある筈です!)」


 俺が密かに過保護を発動させていることなど知らず、ニーニャとアデリナがこれまで確認してきた部屋を振り返り、リタが次の部屋の中身の予測を立てる。


 部屋の中身はともかく。


 これまで確かめてきた部屋は。通路を挟んで交互に配置されていた。

 そしてこうした配置の穴蔵は、オットーさんに読み込むように言われたギルドの魔物資料で見覚えがあった。


 おそらく…この洞窟の元は、魔蟻(アント)系の魔物の小規模な巣。

 放棄されたそれをゴブリンが棲みやすいように拡張し、盗賊団はここをゴブリンから奪った…という感じだろうか?


 〈深淵苔〉の通路から崖側は崩れたのか埋め立てたのか知らないが、元は入り口から真っ直ぐな通路だった形跡があったので大きくは外れていないだろう。


 そして魔蟻の巣が元であるなら、一番奥には女王蟻の座す広い部屋がある筈。


「(…いや、もう途中の部屋は無視しよう。)」


 腐敗臭を嗅いで嫌になったわけではないが、途中にある部屋に盗賊団や拐われた女達がいる可能性は低い。

 盗賊をするような人間が、襲撃されたわけでも無いのに一番広い部屋以外にコソコソと潜む道理など無い。


(仲間と拐った女達でお楽しみをするにも、広い部屋はお誂え向きだろうしな。)


 狭い空間で密着するというのもアリだが、そこにむさい野郎が加わると…想像だけでも鳥肌ものだ。


 … … … … … … …。

 … … … …。

 …。


 途中にあった2つの部屋をスルーして…と言っても次の部屋はリタの予測通り、まだ食べられる食料が置かれているのが、開け放たれたカーテンの奥に見えた。

 その次の部屋は草のカーテンではなく出入り口が人1人が通るくらいがやっとの狭さで、その横に置かれた2つの樽を見るに、簡易的な牢として使われているのだろう。


 狭い出入り口を中身入りの樽2つで塞ぐ、というわけだ。

 そしてその樽が避けられ中に誰も居る気配が無い、となれば…。


 他の部屋とは異なり、板材で乱雑に塞がれた突き当たり。

 一体何処から持って来たのかという扉までもが設けられた、「如何にも」な部屋の近くに行けば…


…ンッ…パンッ…

「ぁんっ、あっ…」


 案の定、中からは“お楽しみ”の音と女の喘ぎ声が漏れていた。


「「「………。」」」

「………、(臭い…。)」


 中で何が行われているのかを察した〈白の大樹〉女性陣は顔を顰める、…かと思いきや感情が抜け落ちたような無表情。

 鼻の利くニーニャは何の臭いをさしてそう評したのか、嫌そうな顔で呟く。


 …まぁ、小便をしに出てきた不潔男はよほどのことだとしても、各村々から奪ってきた食料が腐るくらいにはここに構えて久しいのだろう。

 この近くに水浴びできるような川が無いことに加え、毎日とは言わずとも“お楽しみ”を行っているのならば臭って当然だ。


 ゴブリンの巣もかなり臭いらしいが、この盗賊団とどちらがより臭いのか?

 …興味はあるが、知りたくは無い。


(さて、そんなことより…)


 ここまで来ておいてなんなんだが盗賊団が想定((12人))以上の人数残っていた場合、それは最早 1組のCランクパーティーの手に負えるものでないので即撤退を事前に決めている。

 …まぁ、先に3人排除して来たのでその可能性は低いが。


 そして都合の良いことに、雑に打ち付けられた板材には隙間が多く中の様子を覗き放題となっている。

 ………一応、疚しい気持ちは一切無いということを誓っておこう。


(…さて、(盗賊)は何人居る?)


 俺は適当な隙間から中の様子を伺い、見えた盗賊の人数を数える。


「(2、4、…6人か。)」


 先に排除した人数と合わせると、全部で9人。

 ファムさんは8人と言っていたが、やはり見落とし…というよりは数え間違いがあったようだ。


 しかし想定より増えたものの、人数的には突入に問題の無い数だ。


(リーダーはどいつだ?)


 最初に頭を潰せば、余程訓練されていなければ混乱は必至。

 それは元兵士であろうが、単なる破落戸の集団であろうが変わらない。


「おいお前ら、そろそろ見張りを交代しろ。」


 そう命令を下したのは、兵士というよりは裏の人間といった風貌の灰色髪の男。

 灰髪男は一切立ち上がる素振りを見せず、一つしかないソファに深く腰かけ、裸の女を抱えていた。


 その態度に他の盗賊が文句を言わないことといい、入り口から一番奥に陣取っていることといい、奴がこの盗賊団の親玉でないわけが無い。

 良く見れば灰髪男の座すソファの横には、何に使うことを想定しているのか投擲斧が立て掛けられている。


(さて、どうしたものか…。)


 灰髪男のいる位置的に、「最初に頭を潰す」という作戦は使えない。

 

「よっこらせ…。」


「あ~あ、…怠ぃな。」


 次の見張り番らしき2人の盗賊も重い腰を上げ、服を着始めた。


(…待ち伏せした方が良いのか?)


 中の4人に俺たちの存在を知られてしまうが、次の見張り番2人は確実に倒せる。

 この板材の壁をマリ姉に魔法で破壊して貰って6人全員に奇襲をかけるよりは、先に2人減らして4対4の同数勝負の方が確実性は高いだろう。


「…っ!?」


 決まった作戦を皆に共有するために壁の隙間から離れようとした瞬間、何気なく灰髪男の姿を最後に目に収めようとして俺は驚愕する。


(あの後ろ姿は!?)




一体誰なんだ!?

ヒント:1 既出キャラ

    2 名前の文字数→○○○○○


分かった方は挙手!(…してくれたら良いなぁ。)



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― 新着の感想 ―
ネタバレ嫌う人も居るでしょうからボカしますが熊っぽい人ですよね ちなみにヒント無くても私の中では二択の内の片方でした
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