↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花咲く頃に、僕は消えて  作者: 月嶋歩夢
【第五章】今、ボクは生きる
PR
31/36

第31話 少女

 ガタガタガタ、ガターン


 何かが跳ねるように倒れる音がした。


「へ?」


 少女の喉から漏れるような声が聞こえた。


「こ……こは……る……」


 僕はもう一度言った。


「そ、そんな……そんな……」


 少女の声が震えている。

呼吸が荒く、肩が小刻みに上下している。


「う……う……う……わあああ」


 少女が僕に抱きついてきた。

胸に重みを感じる。


「こは……る……」


 少女は僕の胸に顔を埋め、泣いている。


「こはる……どう……した……?」


 少女は胸に顔を埋めたまま答えた。


「お……お兄ちゃん、お兄ちゃんがあああ」


 困った。

泣き止まない。


「お兄ちゃん、お兄ちゃんが目を覚ましたあああ」


 少女は体を起こした。

顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっている。


 小春……僕の妹だ。

生意気で、いつも僕を小馬鹿にしてくる。

小春のこんな顔、初めて見た。


「ど……どうし——」

「あっ!」


 小春が何かを思い出したような顔をした。


「お医者さん呼んでこなきゃ! お父さんとお母さんにも連絡しないと!」

「こ……こは——」


 バタバタと大きな音を出しながら走って行った。

扉も乱暴に閉め、忙しない。


「病院……だぞ……」


 小春には届いていない。

だが、流石に兄として言わないといけないと思った。

小春は小学生。

元気だけで突っ走る。

……そういうやつだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。