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花咲く頃に、僕は消えて  作者: 月嶋歩夢
【第四章】冬、キミを忘れる
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第29話 未来

「え?」


 涙が止まった。


「ワタシがいるじゃない!」

 

 小さい口をニカッとさせて、それは言った。


「君のそばにいるよ」

「どうして? 私、あなたの大切な人を」

「シッ! 言わないで。彼はワタシにとって大切な友達だよ。でも君のことも大切なんだ」

「どうして?」

「理由なんていいじゃん。そうしたいから!」


 それは子供のようにはしゃいでいる。


「ワタシね、姿を変えることができるの。何でも変えられるんだよ」


 そういうと、それの姿は光に包まれ、種型の宇宙人の姿から、マントを羽織った少女の姿に変わった。


「どう? かわいいでしょ?」

「う、うん」


 私は、唖然とした。

私は、何を見せられているの?

夢?

いや、今の状況で夢じゃないわけないんだけど……


「あれ? お気に召さない感じ? じゃあ、これはどうだ!」


 マントを羽織った少女は光に包まれ、金髪の貴公子が現れた。


「どう? こういうの好きでしょ女子は」

「……へ?」


 貴公子はキメキメの顔でポーズをとっている。

美しい。

美しいんだけど、このポーズをあの種型宇宙人がやってると思うと、おかしくてたまらなくなった。


「はははは!」


 私はおかしくなって笑った。


「いいね! 笑った!」


 それも笑った。


「私のそばにいてくれるの?」

「うん、いるよ!」

「ずっと?」


 私の言葉に少し困惑しながら、それは答えた。 


「君が生まれ変わる時が来るまで、ワタシがそばにいるよ」


 それは、貴公子の姿でソワソワしている。


「だから、ずっとではない」

「はははは!」


 我慢できなかった。


「その姿でくねくねするのやめて! 面白い」


 それはポカンとした顔をしていた。

が、状況を把握したのか、頬を膨らめ地団駄を踏みながら言った。


「えーひどい! ワタシ真剣だったのに!」

「無理無理! 無理ある!」

「もーひどーい! ははははは!」


 すると、金髪の貴公子は光に包まれた。

光が止み、そこには一人の少女が立っていた。


「……わ、私?」


 そこにいるのは私の姿だった。


「えへへ? どうかな?」

「そっくり、かわいいよ」

「えへへ、嬉しい」

「……」

「どうしたの?」


 私は考えた。


「……ねえ、私の理想のイメケンになれる?」


 それは、急な私の質問に苦笑いで答えた。


「うーん、できるんじゃない?」

「じゃあ、死んでも理想の彼氏ができるってこと?」

「うーん、中身なワタシだから……」

「あ、そうか。じゃあかわいい女の子で」

「その方が、ありがたいかな」


 私たちはくだらない話をした。

楽しい。

また、幸せになってもいいんだよね。

この子と二人で。


「よろしくね」

「うん」


 私たちは握手をした。


——世界は広い。これからもっと楽しいことが待ってるぞ、相棒!

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