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花咲く頃に、僕は消えて  作者: 月嶋歩夢
【第四章】冬、キミを忘れる
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第24話 少年

「え?」


 その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が小さくざわついた。

理由は分からない。

私は、思わず聞き返した。


「何を言ってるの?」

「ごめんね、急に。君も気づいていないんだね」


気づいてない?


 意味が分からない。

私は少しだけ眉をひそめた。


「この記憶はね、少年の記憶なんだ」


 それは、悟るように話し始めた。


「彼はね、内気で、人と話すのが少し苦手だった。でも、本を読むのが好きだったんだ。一番好きなのがSF小説。本の話をすると、目を輝かせる子だった。物語の世界が、彼の全てだったんだ——」

「だから、私の夢は、彼が読んでいた小説みたいになってるってこと?」


 私は、それの言葉を遮った。


「……そうかもね」


 それは、無邪気に答えた。


 私の夢は、知らない誰かの記憶からできている。

でも、私には心当たりがない。


「その少年って誰? 私と関係あるの?」

「あるよ」


 それは、私の言葉に被せるように言った。

先ほどまでの笑顔ではない。

私を睨みつけ、小刻みに足を震わせている。


「君は……彼を殺したんだ」


 静かだった。

何かを押し込めるような。

そして、諦めているような、そんな声色だった。


「そして、君は……死んだんだ」


 それは、小さくつぶやいた。


私が……死んだ?


 呆れて何も言い返せなかった。

だが、それの顔は真剣だった。

一つしかない目をカッと開き、私の目を見ている。

まるで“真実”だと私を説得させるかのように——

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