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【Side:レオン王】賭けと異国の料理人


【Side:レオン王】




 そんな遥子の気持ちをよそに、王は思案していた。


 宮廷医ですら匙を投げた病だ。医者でもなく薬師でもなく、ただの料理人。

 しかも異国の女だ。


 そんな人間に一体何ができるんだと、話半分で聞いていたが、発せられる単語の一つ一つは聞いたことのない言葉だった。


 これも彼女の国では普通に用いられている言葉なのだろうか?


 確かに理路整然としている。だが、信頼に足るかは別だ。


 今日初めて会った得体の知れない人間には違いない。


 けれど、どこかで「治る見込みがあるのだろうか」と期待してしまう自分もいる。


 叶うのならば死にたくはない。余にはまだまだやらねばならぬことがある。


 嘘をついている感じはしない。けれど、自信がある感じでもなさそうだ。


 だが、ここで何もしなければ、ただ死を待つのと同義だ。


 賭けてみるか。この異国の料理人に。


 少なくとも、彼女の説明は誠実であった。


 政治上、あらゆる人間の嘘を見てきたのだから、それぐらいは分かる。




 だから、一縷(いちる)の望みにーー彼女に賭けてみようと思った。





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