62/70
62
「今日、久しぶりに工場に行ったんだけどエミのこと、見掛けなかったな。ほら、ここ最近、忙しくて会えてないからさ」
「工場、行ったんだ。スゴい忙しそうだったでしょ?実は私、今、体調くずして休んでるんだ」
「え、そうなの?!」
「うん、最近、本当に忙しくて残業も多くて元気が取り柄の私も、さすがにダウンした……」
「それ、もっと早く言ってくれよ、見舞い行くよ!」
「私、ストレスひどいと肌が荒れてアトピーみたいになるんよ……顔にもチョット出てて……だから、今は信一には会いたくないかな……」
「何、言ってんだよ、まぁ、あのさ、そこまで頑張るエミは偉いと思うけど、他の会社の同僚には言えないけど身体こわすまで頑張ったら駄目だよ!」
「……あのさ、信一。私、この会社で働く前に他で色々仕事してたんだ。事務とかも、やったけど、そういうのは合わなくて、こうやって現場で作業してるのが一番自分に合ってると思ってる。回りの皆も良くしてくれて、給料も少しずつだけど上がってさ。そして、何よりも、イイコトがあった……」
「イイコト?」
「いつか、言おうと思ってたんだけど……信一、あなたが、やって来てくれたじゃない」




