第34話 思考のパズル
「くそぉ・・・なんだこれは?」
デバーノが持たせた遺物、「マインド・オーバー」。様々な記憶を保存したり、所有者と繋がりを持つ対象に全感情を受け渡したりできる遺物。
「婆さんめ、小賢しい!これ以上は時間の無駄だ、『霊廟陣・悪鬼纏』。」
宙に舞う、先の悪鬼の残骸が刺客の元へ還元する。
(希望がない限り勝つことは不可能。さっきの一撃をもう一回は状況的に無理そうだし・・・。)
戦いの中で崇城は壁を感じていた。能力は覚えたて、この世界の戦術も知らない、しかも少し前までただの高校生だった。
「振り返ろう・・・。」
だからこそ、記憶を手繰る。家族を想う、友を想う。裏世を思う。初めて会った能力者、戦いを教えてくれた者が放った言葉。
「応用・・・強敵を前に強さを知るなんて遅い・・・理論、深く多面的に。」
崇城の思考時間は現実では1分ほど経過していた。
「氣体術・蓄力&『霊廟陣・霊郭』!準備できたか?!」
「何かが足りない?」
ガン!
(棒立ちかよ、何考えてやがるッ?)
思考の渋滞。手繰り寄せた情報の多さに思考力が著しく低下しているように感じとられる。
「能力は潜在的なモノ・・・心理?」
「ぐっ、『百人一瞬・人寄』!」
空間が歪み、お婆さんの近くに崇城が転移する。
「おわ!蘇我さん?」
「はぁはぁ・・・なにしてんだ、しっかり前を向け。」
「考え事してました、ごめんなさい・・・。」
「何考えてるかは知らないけど、あんたの好きな用にやりゃあいいじゃないか?その力はあんたのモノなんだ、好きにやれば自ずと能力のこともわかる。」
「好きにやれば?」
応用、強さを知る、理論、深く多面的、心理、そして好きなように。
(最初にこの世界のことを知った時俺はワクワクした。乖理なんとかもあるけど、家族の友達のことを忘れる程の原初の想いは確か。)
「足りなかったのは、熱だ!熱、子供の頃から見て聴いて憧れた。それは浪漫!」
「へぇ、浪漫浪漫ね?いいじゃないか、モチベってやつだ!」
足りなかったピースが埋まる。崇城は熱が燃え上がる。
「やる気になったか?」
「お前ぶっ飛ばして!笑顔で帰る!!」
To Be Continued




