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神々の箱庭  作者: 星奈
第四章 新たな世界へ
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第70話 新たな始まり


 茜と蒼の二人が五つの世界とそれを飲み込もうとした歪みを破壊し、新たな世界を創造してから五年の月日が流れた。

 新たな世界では人も神も天使も悪魔も精霊も一つの世界の異なる次元にそれぞれ住んでいた。

 人間の信仰心も以前のように戻り、神も力を取り戻した。

 そして五年前あの場で誓ったように、悪魔と天使の戦いもなくなった。

 少しずつだが異種族同士の交流も増えてきている。




 茜と蒼はこの五年ほとんどの時間をゼウスたち、神と一緒に過ごしている。

 五年前のあの日から一か月後目を覚ました2人はまず、悪魔たちの居る次元へと向かった。

 そして、ルシファーに顔を見せた後、ベリアルの所に向かった。

 茜を見たベリアルは顔には出していなかったが辛そうだった。

 そして一か月前の約束通り、茜は左目を対価として差し出した。

 蒼がすぐに創造の力を用いて新しい目を創った。

 最後別れるときにベリアルは寂しそうにこう言った。


 「また、無茶をしたんだな、マスター。」


 茜はそれに笑って返すしか出来なかった。

 無茶をしたこと事態は後悔していないし、その無茶をしていなければ今のこの世界は存在せず世界は終焉を迎えていた。

 だからこそ、そのことについて謝ることも出来なかったし、茜自身がしたく無かった。

 その後、二人は天使たちの居る別の次元へと移った。

 ミカエルの所では二人っきりにして欲しいと蒼が言いだし、茜はラファエルたちと一緒にいた。

 ミカエルの元から戻ってきた蒼と茜はラファエルたちに挨拶をした後、神の住む次元へと戻ってきた。







 それから五年がたち今に至る。

 茜は15歳となり蒼は12歳となっていた。

 神として目覚めたためか、いつのまにか成長も止まっていた。

 普段は蒼が力を使って年相応に見える姿にしている。


 「茜、蒼、継承式を執り行うぞ。」


 そんなある日茜たちがバベルの塔で本を読んでいると聞きなれた声が聞こえてきた。

 振り返った先に立っていたのはゼウスだった。

 本来なら五年前に行うはずだったが、茜たちの力が戻り切っていなかったこと、準備が整わなかったこともあり、今までゼウスが続けていたのだ。


 「今すぐやるの?」


 ゼウスの言葉に対して茜が返したのは拒否ではなく、確認。

 継承すること自体はもともと決まっていて翻せることでもない。

 それに茜たち自身がこの世界に誓ったのだ。


 世界を見守る永遠の王になる、と。


 「いや、神を集めるのに苦労している。大半の神は集まってきているのだが、一

部の神が従わなくてな。」


 継承式はいろんな国の神や他の次元の代表者が集まってくる。

 その中でも神には一癖も二癖もあるやつが多い。

 神々の王であるゼウスが呼びかけるから来る神も多いだろうが、それでも従わない者もいるのだ。


 「それで、僕たちはどうすればいいの?」


 「お前たちには日本とインドに行ってきてもらいたい。」


 「日本神群とゾロアスター教?」


 日本とインドと言うだけで何処に行くのかを特定するのは難しいだろう。

 日本はともかくインドには仏教、キリスト教、ヒンドゥー教の三大宗教の他にもバラモン教、イスラム教、シク教、ゾロアスター教など数多くの宗教がある。

 けれどもそんなことはこの二人の知識量の前には関係なかった。


 「そうだ、日本の方はお前たちと直接話をして決めたいということだ。ゾロアス

ターの方は善神アフラ・マズダーは来るようになっているのだが悪神アンラ・マン

ユの方は何度使いを送ってもその使いが帰ってこない。」


 使いを送っても帰ってこないということは、殺されている可能性が一番高いということだ。

 それならば半端な力の者が行くよりかは2人が言った方が話が早く済むという訳だ。


 「それで僕たちに話が回ってきたということ。やるよ、今まで継承式の日を伸ばしていてくれたからね。」


 蒼は迷わずに引き受けた。

 蒼の言葉通りゼウスはわずかな時間だけでも茜たちが自由に暮らせるようにいろいろと手をまわしていたのだ。

 ゼウスが茜にも確認するように視線を向けたが茜もしっかりと頷きゼウスを見た。

 ゼウスも安心したように笑った。


 「頼んだぞ、二人とも。」


 それだけ言うと、ゼウスは部屋から出ていった。


 「じゃあ、行こう。蒼。」


 ゼウスを見送ると茜は読んでいた本を片付け、蒼に手を差し出した。

 蒼がしっかりと手を握り返すと2人は近くにあった窓から翼を広げ飛び立った。





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