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神々の箱庭  作者: 星奈
第一章 神々の世界
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第5話 太陽と月の神

 青い空、白い雲、穏やかな日差しが一面を照らし、優しい風が吹き抜けた。

 そこは今まで見たことがないような美しい場所だった。

 

 「気に入りましたか?」

 

 三人で外に出てから茜と蒼はその光景に目を奪われていた。

 アテナが二人の様子に気づき声をかけた。


 「とってもきれい。」


 蒼が目をキラキラさせて答えた。


 「ふふ、気に入って貰えたなら何よりです。どこか行ってみたいところはありますか?」 


 アテナが二人に聞いてみると、それまで静かに景色を見ていた茜が答えた。


 「アテナ、あれは何?」


 茜が指をさしたのは、天にまで届くような、見える限り一番高い建物だった。


 「あぁ、あれは書庫ですよ。図書館のようなものです。私の一番好きなところです。行ってみましょうか?」


 「うん。」


 茜の好奇心に満ちた顔にアテナは微笑んだ。

 三人は手を繋ぎ、書庫に向かって歩き始めた。

 道中もアテナがいろんなものを説明してくれた。

 初めて見るもの、聞くものに茜と蒼はとても楽しそうだった。

 書庫に着き入り口から入ると、二人の男女が見えた。

 二人は誰かを探しているようだった。

 

 「アテナはいないのか?」


 「いつもならここに来たらいらっしゃるのに。」


 その男女を見たアテナが二人に向かって声をかけた。


 「アポロン、アルテミス、来ていたのですか。」


 アテナの声に二人の男女が気付いたようで、こちらに向かってきた。


 「アテナ!今日は君に用があってきたんだ。・・・その子たちは君の子供かい?」


 男がアテナと話している途中でアテナと手を繋いでいる茜と蒼に気が付いた。

 そしてその言葉に女が反応した。

 

 「そんな!冗談ですよね?アテナお姉さまは純潔を誓ったはずでは・・・」


 「落ち着いてください。私はこの子たちの母親代わりのようなものです。アルテミス、私は純潔の誓いをきちんと守っていますよ。」


 アテナの言葉にアルテミスは落ち着きを取り戻したようだった。 


 「茜、蒼。この人たちは私と同じオリュンポスの12神の1柱、アポロンとアルテミス。双子の兄妹です。で、この子たちは茜と蒼。今まで人間界にいたの。」


 アポロンとアルテミスは優雅にお辞儀をした。

 茜と蒼もお辞儀をした。

 それを見てアルテミスが目を輝かせだした。


 「わぁ、この子たち可愛い!!」


 アルテミスが茜と蒼にとびかかりギュゥと抱きしめた。


 「茜、蒼、これからよろしくね。私は月と狩の女神、アポロン兄様は太陽と芸術の神よ。」


 あまりの勢いに茜と蒼が驚き口を開けずにいると、


 「アルテミス、二人が困っているよ。」


 仕方がないなぁと苦笑しながら見ていたアポロンがアルテミスを止めに入った。


 「あぁ、ごめんなさい。つい、・・・」


 「皆さん仲良くなったようですね。・・・それより、何か用があって来たのではなかったのですか?」


 それまで静かに見守っていたアテナがアポロンに問いかけた。


 「あぁ、そうだった。君に借りていたこの本を返そうと思って。」


 そう言ってアポロンはカバンの中から一つの分厚い本を取り出した。


 「もう、この本を読んだのですか。この本は役に立ちましたか?」


 「うん、いくらか役に立ったよ。ありがとう。」


 「どういたしまして。お役に立てたなら何よりです。」


 アテナが微笑むと同時にアポロンも太陽のような明るさで笑っていた。


 「それじゃあ、僕たちはそろそろ行くよ。またね、アテナ。茜と蒼も。」


 そう言って手を振りながらアポロンとアルテミスは書庫から出ていった。




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