第25話 いざ魔界へ
オリュンポスの宮殿にある王の間でゼウスと別れて、クロアの造る影の中に入った。
生と死を司るクロアは別の場所へと道を開くことが出来る。
先導していたクロアが振り返った。
「さてさて、まずどちらに向かうとしようか?」
『・・・・』
天界に行くか、魔界に行くか、二つの選択肢を前に茜と蒼が悩んでいると後ろから声がかかった。
「あ~、悪いんだけど先に魔界に行ってくれない?」
振り返ってみると、ジブリールが頬を掻いている。
「?」
「ちょっと仕事が出来ちゃったんだ。だから、後から魔界で合流するよ。」
事情を察したのかクロアは一つ頷いた。
「では、天界の入り口まで送ろう。」
クロアは影に手を翳し、出口を開いた。
影に包まれた世界に少しずつ外の光が入って来る。
着いたのは神界から各世界へ行くために作られた唯一の場所。
天界だけでなく魔界、精霊界、人間界にも繋がっている。
ジブリールは白い6枚の羽をだし、飛んだ。
初めて見るジブリールの白い羽はジブリールが神に最も近い天使、熾天使である証だ。
「じゃあ、また魔界でね。」
またね、と手を振りジブリールは天界への道を飛んでいった。
それを見送った3人も反対方向にある魔界への入り口に向かって歩き出した。
「それじゃあ、私たちも魔界に向かおうか。」
魔界の入り口まで来たとき先導していたクロアが振り返った。
「これから魔界に入るのだが、蒼、君はこれを着ていきたまえ。それと魔界にいる間はなるべく茜の近くにいるようにしたまえ。」
クロアは蒼に黒いローブを渡した。
「これから行くのが最下層とはいえ、この先は魔界だ。人間界と比べても瘴気は桁違いに強い。瘴気は天使である君にとってあまり体に良いものではない。」
クロアの説明を聞きながら、蒼はローブを身に着けた。
準備が整い、神界にあるゲートを潜り抜けた。




