芸能界の裏
芸能人といえば、美人だったりカッコイイ。
また、芸能人同士の結婚なんていうのも最近は多くなってきている。
アイドルでも既婚者は多く、既婚者がいないグループはI★RISくらいだ。
まぁ、若い年齢でもあるが..。
「涼介くんは..いつでもカッコイイんですね~アイドルらしいっていうか..」
「そう?メンバーにはいつもギャップあるって言われるんだけど」
大好きなメンバーが目の前にいる。
そんな生活夢見たい、美癒紀は心の中で思っていた。
「大季くんは、思ってた以上に幼いです!びっくりしました」
「どーも!でも、デビューしてたころは歳と顔がついていってなかったかもね」
テレビで見ている人が近くにいると、何を話せばいいか分からなくなる。
これが毎日になるんだと心で喜んでいると、友達の百合からの電話がかかって来る。
(もしもし?今どこにいるの!?)
「あ..お母さん入院して、これからおばあちゃんの家で住むんだよね..」
(じゃー朝は一緒に行けない?)
「う、ん...ホントなんか急でごめんねー」
そう言って、電話を切る。
美癒紀はとっさにあせり始めた。
「どーしよ..ここに住んでるなんて言ったら..大事になっちゃう..」
涼介が近づいてきて、
「どうしたの?」
事情を説明すると、メンバー全員が分かってくれた。
まとめ役のポジションに立つ大季は、
「一先ず、美癒紀ちゃんはこのこと内緒ね?バレたら大変になっちゃうから」
「はい!学校にもなるべく一人で行きます」
そして次の日。
ピーンポーン
「こんにちは~」
一人の女性がやって来た。
美癒紀は出てはいけないという約束のため、自分の部屋で待機。
大季が誰かと話している。
「あ、えっと..」
「涼ちゃん、いませんか?」
「呼びます..」
ドタドタと部屋中を走り回って、涼介を探している。
すると、大季が美癒紀の部屋に入ってきて、
「涼介、どこに行ったか分かる!?」
「部屋にいないなら..出かけていると思います」
「だよなー..まずい..羽琉ちゃん..きっと..」
うわーと言いながら、逃げた大季。
すると、向こう側から、おじゃましますの声が。
美癒紀はとっさに、自分の部屋のクローゼットに身を隠す。
するとすぐに、ガチャッと部屋に誰かが入ってくる。
「大季さん、ここってぇ~前まで涼ちゃんのソロ練習ルームでしたよねぇ~?」
「う、うん..そうだけど..今はもう使ってないんだ」
「へぇ~、誰かがいるみたいにキレイですねぇ~さすが、I★RIS」
苦笑いをしながら大季は美癒紀の部屋から逃げていった。
水城羽琉、本名は「水宇木春子」←ファンもマスコミも知らない
電話で涼介を呼び出す羽琉。
「もしもし?今どこ?」
(別にいいだろ、お前に場所をいう意味がない)
「今すぐ会いたいの、お願い」
突然甘い声になったのに気づいた美癒紀はゆっくり部屋の鍵をしめて、
ドアに耳をくっつけて聞き入っていた。
「今日はI★RISの結成日よねぇ?お祝いしたいなーって思って」
(そりゃどうも、お祝いよりも帰れよ、メンバーに迷惑だ)
そんなことを言われた羽琉は怒って、家を出て行った。
嵐が去ったように、麻耶、結、大季がリビングに集まる。
廉に連れられて、美癒紀もリビングにやって来た。
「さっきのは水城羽琉ちゃんで..」
「はい、雑誌で顔を見たことがあります。でも、可愛い方ですね」
大季と麻耶は顔をあわせて苦笑い。
「わたし..変なこといいましたか?」
大季は、
「顔だけはね、プライベートだとずっと涼介とラブラブだし」
「.......」
「あ、涼介は嫌がってるんだよ?」
涼介が一番好きと言っていたことを思い出した大季はとっさにフォローする。
「心配しないでください!わたしは涼介さんを恋愛として好きなわけじゃないんです」
いつの間にか、さん付けで呼んでいた。
「恋愛じゃなくて、一人のファンとして..だから交際報道になっても応援し続けます!」
「美癒紀ちゃん...」
そんな熱心なファンが近くにいるのがとても嬉しかった結は、
美癒紀の手を握って、
「ホント!これからよろしくね」
「っていうか、晴希は?」
麻耶が気づいた、晴希がいないことを。
大季は周りを見渡して、
「多分、大学に言ってると思うけど..どうしたの?」
「あのさ、借りてたCD、リハで使うんだよね..」
メンバーが近くにいるのはなれた美癒紀だが、イマイチピンとこない。
なんだか、長い長い夢を見ているようで..もうすぐ目覚めそうな気分だ。
でも、頬をつねってもただ痛いだけ。
心や体に現実をしみこませてはいるのだが、やっぱり涼介が近くにいる環境は嬉しいというよりもなれない。
「あの..今日は皆さんにお料理を!」
大季は喜んで飛び上がっている。
麻耶は、
「手を切らないようにね、じゃ」
部屋に入っていった。
「えっと、涼介と晴希の分は作らなくていいよ?」
結がそう言った。
「どうして..ですか?」
「仕事も遅くなるってメールあってさ、大学テスト前だから早く帰るの難しいって」
「OKです!皆さんの体調管理、これからはわたしが!」
そうだ、と美癒紀は思った。
ただ好きなアイドルの近くに入れて喜んでいるのは情けない。
どうせなら、好きなアイドルのために、何か力になりたいと。
すぐに特別コースに選択して高校生活を0(ゼロ)からやり直そうと思ったのであった。




