恋愛感情
一週間後、美癒紀はこっそりとマネージャー小嶋の車に乗り、家へ戻る。
すると、車で移動中に小嶋は言った、
「実は、I★RISの新曲を考えているんだけど、PVに水城羽琉ちゃんの出演が決定したんだ」
何も知らない小嶋は喜んでいる。
なぜなら、今人気女性アイドルと今人気男性アイドルがコラボするからだ。
「あさってはレコーディングだから..どうする?美癒紀も行くか?」
「い、いんですか?わたし..一般人なのに」
苦笑いをして、小嶋は
「一般人ねぇ~美癒紀は関係者の一員さ、今日からはI★RISを支えてもらうぞ」
「え?」
「学校が終わったら、マネージャー補助としてしっかりと仕事をしてもらうからな」
「ホント..ですか?」
やったーと喜ぶ美癒紀の姿に、すこしホッとためいきをついた小嶋。
「ただいま帰りましたー」
へへへと笑って帰ってきた美癒紀を見て、涼介は
「どうしたの?いいことでもあったの?」
「まぁ..はい!すごくいいことです」
何々?とほかのメンバーも集まってくるが、一言も情報は教えたくない。
どうしてかというと、さりげなくが美癒紀が思うマネージャーの条件だと思ったから。
「はちみつレモンを作ったんです。のどにいいかなぁって」
さっそく力になっている。
「ありがと、新曲の打ち合わせがあるから、その後に食べるね」
「は、はい!」
いつしか、涼介をファンとしての目で見れなくなっていた。
でも、今はどんな目で見ているのかは自分でも分からない。
次の日
学校から帰ると、事務所に呼び出される美癒紀。
何かと言うと、父が
「美癒紀をアイドルオーディションに参加させようと思ってるんだ」
「え?」
「芸能人になれば、お前もちょっとは過ごしやすいだろ?エリートに育てるからな!」
「エリート..」
どうだ?と言われたものの、美癒紀は左右に首を振った。
自分はスタイルもよくないし、顔も、歌声もイマイチ。
それなら、自分以外のイケてる女子に道を譲ったほうが身のため。
そう思った。
「だから、わたしはいいの..」
「もうオーディションは出したんだ。審査員には社長の娘なんて言ってない、安心しろ」
「..........」
テンションがものすごく低くなった美癒紀のところに
I★RISの大季と涼介と麻耶が社長室に入ってきた。
麻耶が小嶋のところに来て、
「SUPER★BOY’Sはどこにいる?」
「あぁ..レッスン室でダンスレッスンしてたぞ」
「分かった」
麻耶は走ってレッスン室へ行った。
SUPER★BOY’Sとは、バックダンサーJrの中でも人気があるメンバーによって
結成されたデビューしていないユニットである。
メンバーは6人であり、全員ダンスがバリバリできる。
I★RISはアイドルなため、後ろでバックダンサーをつける曲がある。
そのときに活躍するのがバックダンサーJrである。
最近は正式デビューの噂もあり、ファンも徐々に増えている。
「そうだ、美癒紀に紹介するよ!スパボたち」
ちなみにスパボとはスーパーボーイズという名を略称している言葉である。
レッスンルームのドアを開けると、お辞儀をしてあいさつをするスパボたち。
「こんにちはー!」
「こんにちはぁ」
全員お行儀が整っている。
大季が張り切って、
「こちらは社長の娘さんの美癒紀ちゃん」
どうもどうもと頭を下げるスパボ一同。
「あ、こちらこそ」
美癒紀も同じように頭を下げてご挨拶。
「えっと、今日はどうしてここへ?」
「I★RISさんのコンサートのリハーサルで来ました」
「そうなんですか...」
「最近メンバー全員が15歳以上になったので、コンサート参加可能になったんです」
メンバーは、
15歳が1人、16歳が2人、17歳が2人である。
アリスエンターテイメントのルール第4か条目にある、
「14歳未満のコンサート、およびバックダンサーJrとしての出演は禁止」
これをやっと卒業できた、SUPER★BOY’Sにとっては
I★RISのコンサートは初めてとなる。
「よかったら、特等席で見てくださいよ!社長の娘さんならきっと!」
「ホントにいいんですか?」
そう言って、大季の顔を見ると、うんと頷いた。
「やったぁ~!チケット買いそびれてブルーな気分だったけど、すごく嬉しい




