自由の為
「じゃ…、じゃあ、この人達全員が万千に助けられたってこと?――」
「或いは――そして今度はお嬢様を助けに…」
そんな…、万千はここに居る女性全員を救ったというの?
彼女達の為に、彼女達を助ける為行動を起こした。
万千の事だ、そんな生易しい事ではない、きっと何かと戦って――それで、万千の婚約を聞きつけ彼女達は集まった。
きっと婚約を阻止する為、万千の力になる為。
「――貴女方、どうしてここに?」
「お嬢!結婚するって本当ですの?」
「私達、それを知って、居ても立っても居られず――」
「お嬢」、「お嬢」、「お嬢」――。
「わたくしの為に――婚約の事は本当よ。その事で今からお父様とお話しますの」
「でしたら、私もお供します。私、お嬢の為なら何でもします。お嬢に助けられたこの命、お嬢の為なら――」
「私も」、「私も」、「私も」――。
「でしたらその命、わたくしが預からせてもらいますわ――わたくしの為、デモクラシーを体現し、その命尽きるまで働いてもらいますわ」
「一体何をすれば――」
「恋よ!――女学校を卒業し、進学や社会進出なさい。自立した女性になれば、自由に恋愛を、恋をする事が出来る。それがわたくし達の権利であり、わたくしの夢の一歩になりますわ。社会へ、世界へ羽ばたくのです」
「お嬢の夢。それは一体?――」
「女性の自由――手始めに、女性であるわたくしが女性初の政治家に成り、この国を治める。そうすれば恋愛の自由、進学の自由、働く自由、全ての自由を手に入れる事が出来る」
その一瞬、その場に居た女性達は静まり返った。
それは、万千の言葉に驚いた訳ではなく、万千ならそれが実現出来てしまうのではないか、という予感と希望に言葉を失ったのだろう。
この私がそう思った様に。
女性解放戦線が万千をこの国の指導者にしようとしていることを聞いたときは馬鹿げていると思ったが、誰でもなく彼女の、万千の口からそのことを聞き、この場に居る多くの女性達を目の前に、私まで言葉を失っていた。
「さぁ、わたくしの夢の為、貴女方にはやる事がいっぱいありますわ。こんな処で油を売っている暇はありませんわよ――わたくしは大丈夫。自分の結婚相手位、自分で決められますわ」




