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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
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さよなら

 パチ…パチ、パチ――誰からともなくはじまった拍手はくしゅは、女性達をわれかえらせ、その場にた全員が万千まちけ拍手していた。


 それはとてもちからづよく、はっした言葉が聞こえなくなるほど大きくなった。


 いつまでもむことの無い拍手と、その中心ちゅうしん当然とうぜんように居る万千に、私は言いようのない感覚かんかくおちいり、居ても立っても居られずクルマをりた。


 私を見るやいなや拍手はおさまり、みなが私に注目ちゅうもくした。


 私と万千の関係かんけいは、彼女()にとってはうとましく、私はかたきの様な存在そんざいだった。


 そんな私が、大郷司だいごうじのクルマから降りて来たのだから、手もまるだろう。


「万千、どうやら私はもう必要ひつようないみたいね。これだけの人数が居れば心細こころぼそくもない。私、もう行くわ――あぁそれと、もし貴女きじょがこの国をおさめると言うのなら、あれはどうにかしてしいわ、『ライスカレー』。あれはたかぎるわ。貴女の権限けんげんやすくしてちょうだい。じゃ、よろしく」


「おとめ…。わたくしは、魔法まほうなどという戯言たわごとみとめてはいないわ。ましてこの国に、デモクラシーに魔女まじょは必要ない。貴女が魔女のちからを使うというのなら、それはわたくしに弓引ゆみひくという事。その時には貴女を――」


否定ひていはしないわ。やす々としんじられるものでもない――ただ、私は私のために魔法を使う。もし、それをはばむというのなら、そのときは相手あいてになるわ。万千」


 万千は私が魔女という事を知っていた。


 しかし、それでも万千は私をここへれて来た。


 魔女である私を――。


「………」


「………」


 彼女のひとみは今まで見たことの無いもので、それは私の心をチクリとし、何かもやの様なものをのこした。


 『さようなら、万千』。


 私は、万千との視線しせんりその場を後にした。


 『女性街じょせいがい』へかう為、夜音よねを助けに行く為に――。


 ――あれから随分ずいぶんつが、私の体に異常いじょうは見られない。


 それは夜音が魔法を使っていないということだろう。もし魔法を使っていたら、つかれやくらくらいしそうなものだ。


 ということは、夜音はまだつかまったままサーカスにるに違いない。


 女性街――。こんなに早くまた来ることになるとは…。ここには『オズ』への手掛てがかりがあるかもしれない。


 出来ればその為に来たかった。しかし、今はそれどころではなかった。


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