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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
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おとめごころ

「誰がそんな事――誰があんたのクルマになんかるか」


なに意地いじって――乗りたいくせに」


「乗りたくない!」


「乗りたい!」


「乗らない!」


「乗りなさい!」


「乗らん!」


「乗れ!」


「キッーーー。誰が乗るか!」


 ――私は別にこうなる事をのぞんだわけでも、何かを引きけたわけでもない。しかしどうだろう、いつの間にか大郷司だいごうじのクルマに乗り、大郷司家へかっていた。


「――おとめ、家へっていきなさい」


折角せっかくもうだけど、結婚けっこんいわいをわすれてしまったわ――残念ざんねんだけど遠慮えんりょさせてもらうわ」


特別とくべつ招待しょうたいしようというのよ。それに、クルマにも乗せてあげた――だからいなさい」


婚約こんやくも決まり、いろ々《いろ》といそがしいでしょう?今日はおいとまするわ――」


「――結婚はしないわ。その事を今からお父様へつたえに行く」


「なら、尚更なおさら私は――」


「特別に…、特別に、わたくしのそばさせてあげますわ。そして、わたくしの手をにぎり、握りつづけることを特別に許可きょかしますわ。それに、それに――」


 万千まち――。


「――私の手、つぶすなよ」


 私は彼女を、その見た目や性格からまるで――いや、誤魔化ごまかしたくない。


 私は偏見へんけんを持っていたしていた。それ以上言いようが無く、しかし当然とうぜんように、無自覚むじかくに。


 ――たまき一緒いっしょには来なった。


 さみしそうな顔をしていたが、多分たぶんられなかったのだろう。


 万千の背中せなかが付いて来るなといっており、それを環も感じ取ったのだろう。


「そもそも、何故なぜ環なの?だって彼女は女性じょせい解放かいほう戦線せんせんつうじているし。それではあちらの思うつぼじゃない?」


「そうよ…、それだわ!環さんが女性解放戦線と通じていた事を、お父様にお知らせすればきっと――」


 いくら万千でも、今回ばかりは父親にはさからえないらしい。


 今まで、見合みあいや婚約をさん誤魔化ごまかしてはきただろうが、今回ばかりは――。


 しかし、女性解放戦線のおかげで、少しではあるが光明こうみょうが見えた。


 皮肉ひにくにも万千と結婚するため、女性解放へ協力してきた環のおかげで。



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