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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
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祝・

「――あの万千まち結婚けっこんねぇ?これほどおめでたい事もないわ。おめでとう、万千」


「『おめでとう』ですって?――貴女きじょは一体何をおきになっていましたの?わたくしがどのようなおもいでいるか…」


「どうせもらなんていなかったのでしょう?丁度ちょうどいいじゃない。それどころか、貴女に、たまき勿体もったいない程よ」


八乙女やおとめツクス!貴女は何を言って――」


「言わせておけば――たとえどのよう殿方とのがたが来ようと、のぞまない結婚けっこんがどれほどのものか、貴女には分からないのですわ!」


 そう言って万千は、いつもの様に私につかみかかって来た。


 しかし、両手りょうてで掴んだ胸倉むなぐらの、その手にはいつもの様なちからは無く、いかりも感じなかった。


「――いやならやめればいい」


「だから、それが出来できれば――」


「だったら、いつもの様に力尽ちからずくにやればいい。女性じょせい解放かいほう戦線せんせんだっている、それに『オズ』へ行けば――」


「――それでは意味が無いのです!そうやって暴力ぼうりょくりかざしたり、誰かにたよったり、りもしない幻想げんそうすがり、それでは、わたくしはすくわれますの?」


「万千――」


「わたくしは力のかぎりをくしてきましたわ。その所為せいで人も多くきずつけました。しかしどうです、何かが変わりまして?女性の地位ちい向上こうじょうせず、社会しゃかい進出しんしゅつすすまない。一向いっこうに自由になれない――暴力ぼうりょくでは、わたくし一人のちからでは…」


 万千が一体何と戦っていたのか、私には分からない。だけど、万千がなんために戦っていたかは分かった――まったく、うわさどおりのおお馬鹿ばかだよ。


「何というか、いろ大変(たいへん)ね――でもまぁ、私には関係かんけいないけど」


「貴女という人は、他人事たにんごとの様に――まったく、これだからおひまなお人は」


「お生憎様あいにくさま。こう見えても私、いそがしくてね。今から『女性街じょせいがい』へかうの」


「あら、そうでしたの――わたくしも、今から家の方へもどりますの。クルマもたせていますわ」


方角ほうがく一緒いっしょね。せなさいよ」


「ご冗談じょうだんを――しかし、貴女の誠意せいいによっては考えなくはないわ」


「まさか、頭を下げろというの?するわけ無いでしょう――そんな事するくらいならあるいたほうしよ」


「あら、わたくしもおにではなくってよ。素直すなおせてしいとたのめば、乗せてあげてもよくってよ」


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