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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯4 今までも、これからもおとめ
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女性初

「――勝手かってにわたくしのしあわせを約束やくそくなさらないでくださいまし」


万千まち!――」


 たまきていから出て来た万千は、着物きものにたすき姿すがたで、行儀ぎょうぎ見習みならいに来ている事が本当の事だったのだと分かった。


 しかし、その姿は家事かじとういより、りの方が似合にあっている。


「そもそも、こうなってしまったのも、貴女あなたがた女性じょせい解放かいほう戦線せんせん所為せいですわ――たしかにわたくし、この国の指導者しどうしゃにはりたいけれど、いかがわしい組織そしき三代目さんだいめ代表だいひょうになど成りたくはありませんし」


 万千は『三代目さんだいめ雷鳥らいちょう』のもうことわったのか――それでも、その事が大郷司だいごうじの耳に入り、婚約こんやくはやめられたのだろう。


 女性解放戦線だって万千をあきらめてはいないだろうし…。


「わたくしは、わたくしの手で大学へ行き、女性(はつ)政治家せいじかに成り、この国をおさめたいの――貴女きじょよう魔女まじょ魔法まほうなどと幻想げんそううつつかさず、女性解放戦線の様に暴力ぼうりょく変化へんかもとめたりはしない。そのためには結婚けっこんなんてしていられない」


 万千。私が魔女である事を、魔法の事を聞いたのか――。


 それにしてもおどろいた、万千がそんな立派りっぱな事を考えていたなんて。


 多少たしょうっかかるが、その言葉にはまるで、虚勢きょせい嘘偽うそいつわりを感じなかった。


 それがどれだけ困難こんなんけわしい道のりであっても、もしかしたら、万千ならかなえてしまうのではないだろうかとさえ思えた。


素晴すばらしいわ――ならば私は、貴女の夢に全力で協力します」


 たまきは、万千にえら感激かんげきし、ひざまずき手を合わせ見上げていた。


「………」


大郷司だいごうじさん?」


「結婚なんてしていられない――そう、思っていたのだけれど…、今回ばかりはそうも言っていられない状況じょうきょうになってしまったわ。お父様は、女性解放戦線に何やら遺恨いこんる様で、うやむやに出来でき雰囲気ふんいきではない。こうなった以上お父様にはさからえない」


心配しんぱいにはおよびませんわ。私がいくらでも貴女をささえます。結婚してからでもこの国をおさめられます」


 何があったのか、万千らしくもない言葉だった。


 彼女なら、デモクラシーがどうとか言って、おや縁談えんだんなんて断固だんこ拒否きょひするはずなのに。


 最初から戦う気もない――だからか、私は無性むしょうはらった。


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