手遅れる訳が無い
不良娘B「おめでとう、朴!――後はアタイ等に任せな」
――校門からは不良娘達が次々と出て来た。
その数は、数十人は居り、夜音を慕う不良娘達は、私が知らないうちに増えていた。
しかし、彼女達は何故ここに居るのか?それに、おめでとうとは一体――。
夜音「行くぞ、朴――お前等、後任せた」
不良娘C「あいよ!任せときな」
朴「どこへ行く?何始める?」
夜音「今からお前の入学式を始める――」
入学式?――今更、私は…。
私にそんな資格は無い。
だけど、もし、もし許されるなら、これ程嬉しい事は無かった。
私は夜音に引っ張られ、校舎に入った。
この学園に入るのは、夜音に初めて会った時以来のことだった。
そこで私は、初めて雷鳥に出会った――。
彼女が雷鳥である事に気が付いたのはもっと後になってからだったが、その時のことは今でもはっきり覚えている。生まれて初めて本気で叱られ、涙まで流し、雷鳥は私の為に入学式を開いてくれたのだ。
何故こんな私の為にここまで――。
しかし、私の罪は消える訳では無い。
それを知ったのは外へ出た時だった。私を追ってきた警官隊が学園内へ突入しようとし、それを不良娘達が体を張って阻止していたのだ。
私の入学式の為、私の為に――。
警官「貴様等、奴を庇い立てするとは、この非国民が!」
不良娘A「あいつが何処の誰だろうが関係ねぇ。あいつはアタイ等の仲間なんだ!」
仲間――。私が…。
夜音「――あいつ等は馬鹿でお調子者で、世間から鼻摘みにされている連中だけど、だからこそあいつ等には偏見や差別、隔たり、仕舞いには言葉の壁、文化の違い、国境までも無い――あたしも、心のどこかであいつ等の事を見下していたのかもしれなかった…。偏見無しで物事を見ることは難しい。しかし、それに気付くことに遅すぎることはないだろう。それをあいつ等は、あたしに教えてくれた」
朴「えぇ…そうね…。ありがとう――」
夜音「お前はここに居ろ、後はあたしに任せな――」
そう言うと夜音は、私を一人残し、校門へ向かった――警官隊と彼女達が争うその目の前へ。
夜音「――警官共よく聞け!朴はもう、この自由文化学園の生徒と成った!これより先、彼女に手出しする事即ち、学園に手出しすると同じ!今日のところはお引き取り願おう!」
その声は響き渡り、警官隊と不良娘の動き止め、全員が夜音の方へ向いた。




