側車に乗って
外を覗くと警官隊が今にも突入しそうなところだった。
このまま唯捕まるだけならケジメにならない。それなら最後まで戦い、派手に散った方が良い――。
それが手向けに…。
しかし、それが一体何になるのか…。
沸き上がった虚無感は、自分の人生と重なり、垣間見たようだった。
朴『夜音――』
いよいよ警官隊が突入しようとし、覚悟を決めたその時。一台の赤バイが、扉を突き破り工場内へ飛び込んで来た――。
警官隊が突入して来たと思ったが、そこに乗っていた人物はセーラー服を着ており、髪が金色に輝いていた。
勢いよく飛び込んで来た側車の付いた赤バイは、私の目の前に停まり、私を驚かせた。
そこには夜音が乗っていたのだ――。
夜音「――ってて。停まるのは右手だった…」
朴「嵐山――夜音」
夜音「私を探してるって聞いてね――お前から私に会いに来るなんて珍しい。何か用だったか?」
呆れるやら、安堵したやら。私はつい笑ってしまった。
朴「フフッ、貴女は会う度に私の邪魔をするわね――初めて会った時を覚えている?あの時も寸前に邪魔された」
夜音「――朴」
朴「私の事を何も知らないのに、余計なお節介を焼き、付き纏い、私の心に土足で踏み込んだ。私はそんな貴女が嫌いだった――」
夜音「朴――ごめん、何言ってるか解んない」
朴「…あ、ありが……ありが――」
と、悠長な事をしていたら、夜音に続けとばかりに警官隊が突入して来た。
抵抗しなければ殺されはしないだろうが今更遅い。
この期に及んで未練が、後悔が押し寄せてきてしまった。
学校へ行けば良かった、夜音を探すんじゃなかった、自分の気持ちに正直に生きれたらと――。
夜音「乗れ、朴!まだ間に合う!――お前は、まだ生きてる!」
朴「――!!」
私は、夜音の乗る赤バイの側車に飛び乗った――その時私は、唯々込み上げて来るものを抑えきれずにいた。
――夜音の運転では死にかけたが、おかげで警察隊から逃げる事が出来た。
道中恐怖で気が付かなかったが、いつの間にか私は自由文化学園の前まで連れて来られていた。
夜音「どうやら間に合った様だな」
朴「?――どうして此処に?」
夜音「今に分かる。あいつ等も待ってる」
あいつ等?
不良娘A「待ってだぜ、朴!」




