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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯3 おとめ達
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ケジメ

夜音よねわかるさ――あたしに付いて来い。あたしがデモクラシーってもんを見せてやる!」


 ――夜音のまわりには不思議ふしぎと人が集まった。


 女学校に通ってはいるが不良ふりょうむすめかよいたくても通えない娘、様々な人間が夜音の周りに集まるようになっていた。


 とは言え、やる事といえば、今までと変わりのない些細ささいな悪さばかり、それでも夜音にき付けられ人が集まって来た。


 それは私にとって複雑ふくざつ心境しんきょうだった。


 夜音が不良女学生とごしはじほどなくしてか、彼女は私をける様になった。


 その時からか、悪いうわさも聞くようになった。私の居ない所で一体何をしていたのか――。


 ただ一方的いっぽうてきまとわれたり、付き合わされていただけだったが、いざ居なくなるとさびしいもので、私も彼女にかれていたのだとその時分かった。


 そして、もう私は必要ひつようないのだとさとった――。


 夜音が私からはなれて行った事で、私は自分の人生にケジメを付ける決心けっしんがついた。


 私の意味のない人生を終わらせるため、父の為。私は徴用工ちょうようこう工場こうじょうをその場所に決めた。


 そうと決めたら、最後に一目ひとめ夜音に会いと思ってしまった。うっとうしいほどの相手だったが、会えなくなると思うと会いたいものだった。


 しかし、いざ探すと見つからないのだから滑稽こっけいである。不良娘達にも聞いてみたが見つからず、結局けっきょく会えず仕舞じまいで私は工場へ向かった。


 作戦さくせんなどあるはずもなく、何がしたいわけでもなかったが、行けば何か起こせると。


 死に物狂ものぐるいで戦えばケジメが付くと。警察が相手ならなおの事いい、一矢いっしむくいて終われるだろうと。


 工場には何十人もの人が働かされており、その環境かんきょう劣悪れつあくなものだった。


 父もまたその一人だったのだろうとあわれんだ。


 しかし、その現実を目の前にしても私は、彼らを助けたいという感情はかなかった。


 工場内には簡単に入れた。


 工場を管理かんりしていたのは唯の工場で働く人間で、軍や警察の人間は居らず警備けいび手薄てうすだった。おかげでやる事が決まった。


 私はあばれ回った。力のかぎり、体力の続く限り暴れ、破壊はかいくした。


 働いていた者達は皆逃げ出し、私一人唯々暴れ回った――私の全てをさらけ出し、全てをぶつけた。


 程なくして外がさわがしくなり、警察がやって来ていた。


 おあつらえ向きな状況は、警官相手に特攻とっこうをしかけ、終いにし、ケジメを付けるのにはうってつけだった――。


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