ケジメ
夜音「解るさ――あたしに付いて来い。あたしがデモクラシーってもんを見せてやる!」
――夜音の周りには不思議と人が集まった。
女学校に通ってはいるが不良の娘、通いたくても通えない娘、様々な人間が夜音の周りに集まる様になっていた。
とは言え、やる事といえば、今までと変わりのない些細な悪さばかり、それでも夜音に惹き付けられ人が集まって来た。
それは私にとって複雑な心境だった。
夜音が不良女学生と過ごし始め程なくしてか、彼女は私を避ける様になった。
その時からか、悪い噂も聞くようになった。私の居ない所で一体何をしていたのか――。
唯、一方的に付き纏われたり、付き合わされていただけだったが、いざ居なくなると寂しいもので、私も彼女に惹かれていたのだとその時分かった。
そして、もう私は必要ないのだと悟った――。
夜音が私から離れて行った事で、私は自分の人生にケジメを付ける決心がついた。
私の意味のない人生を終わらせる為、父の為。私は徴用工工場をその場所に決めた。
そうと決めたら、最後に一目夜音に会いと思ってしまった。うっとうしい程の相手だったが、会えなくなると思うと会いたいものだった。
しかし、いざ探すと見つからないのだから滑稽である。不良娘達にも聞いてみたが見つからず、結局会えず仕舞で私は工場へ向かった。
作戦等ある筈もなく、何がしたい訳でもなかったが、行けば何か起こせると。
死に物狂いで戦えばケジメが付くと。警察が相手ならなおの事いい、一矢を報いて終われるだろうと。
工場には何十人もの人が働かされており、その環境は劣悪なものだった。
父もまたその一人だったのだろうと哀れんだ。
しかし、その現実を目の前にしても私は、彼らを助けたいという感情は湧かなかった。
工場内には簡単に入れた。
工場を管理していたのは唯の工場で働く人間で、軍や警察の人間は居らず警備は手薄だった。おかげでやる事が決まった。
私は暴れ回った。力の限り、体力の続く限り暴れ、破壊し尽くした。
働いていた者達は皆逃げ出し、私一人唯々暴れ回った――私の全てをさらけ出し、全てをぶつけた。
程なくして外が騒がしくなり、警察がやって来ていた。
おあつらえ向きな状況は、警官相手に特攻をしかけ、終いにし、ケジメを付けるのにはうってつけだった――。




