痛み
朴「今思うと、私はそうなる事を望んでいたのかもしれない…」
案の定、結果はボコボコにやられた――。
全身が痛み、横たわる私は、動く気力さえ残っていなかった。
それでも意識ははっきりしていた。死にかけた筈が、死ぬどころか無理やり生かされている気分だった。
朴「その時か、自分が生きていることを知ったのは――皮肉にも、死ぬ以前に、自分が生きていることを知らなかった」
おとめ「………」
どの位経っただろうか、体を動かせる様になり、起き上がろうとした時、見知らぬ人物が手を差し伸べてきた。
金髪の女性――外国人か?
金髪に威圧された私は、差し伸べられた手を掴まされ、立たされていた。
金髪の女「随分楽しそうなことしてるじゃん。あたしも交ぜてよ」
朴「貴女は…、誰?」
金髪の女「もう忘れたのか?――夜音、嵐山夜音だよ」
朴「髪…、違う」
夜音(金髪の女)「染めたんだよ、これであたしも、ちったぁそれらしく見えるだろ」
朴「何故?」
夜音「覚えとけ朴、こういうのをハイカラっていうんだ」
それからか、金髪に成った夜音は私に付きまとう様になった。
自然な程不自然に金髪をたなびかせ、セーラー服のスカートはくるぶしまで伸ばし、両手はかくしにしまい、背中を丸め闊歩していた。
それで私に付いて来るのだから、私以上に目立ってしまい、いつも以上に人の視線が突き刺さった。
今までとは違う冷たさ、冷ややかな視線。気になって仕方なかった。
夜音は目立ち過ぎた。
目立ち過ぎるがあまり、私は悪さが出来なくなってしまっていた。
その代わりといってはなんだが、別の不良女学生達に目を付けられる様になった。
私の噂もあっただろうが、夜音の金髪は彼女達を魅せたのだろう。
夜音の金髪は正直、私も羨ましかった。
そんな時か、夜音の金髪を妬んだ奴が、私を人質に夜音を呼び出した事があった。
夜音「こんな事して、唯で済むと思ってんのか?――」
不良女学生A「目障りなんだよ!お前も、お前の髪も!」
夜音「朴を放せ、狙いはあたしだろ――お前等、こんな事してて楽しいかよ?散々悪事働いて、満たされているのか?」
不良女学生B「お前には解んないだろ?髪も服も自由に出来ない世の中で、アタイ等が女学生でいる意味なんて!」




