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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯3 おとめ達
53/131

不良

夜音よね夜音よね嵐山あらしやま夜音よね。あんたは?――どうせひまだろ?私に付き合え」


 この出会であいが私の人生じんせいを大きく変えた。


 出会ったあの日、私は彼女にある場所へれて行かれた。


 自由じゆう文化ぶんか学園がくえん高等こうとう女学校じょがっこうへ――。


ぱく「ここは一体?」


夜音「女学校さ、私もかよっている――そして、今日から貴女きじょも通うことになる」


朴「何を言って?そんな事出来るわけ無いでしょう。私みたいな…。それに私は、もうすぐ祖国そこく強制きょうせい送還そうかんされる。やっと解放かいほうされる」


夜音「何も変わらんさ、徴用ちょうよう植民地しょくみんちも。同じ国民間みんぞくかんでさえ差別さべつえない」


朴「だからと言ってさからえないわ」


夜音「私にまかせておけ――」


朴「………」


夜音「貧富ひんぷさらなる偏見へんけんを生み、無知むちは差別を助長じょちょうするだけだ――学問がくもんを身にけろ。どんな金持ちも、どんな差別主義者(しゅぎしゃ)も、がくがあるやつを無下むげには出来ないだろう」


朴「そんな事、本当に…」


夜音「私にすべまかせろ。貴女の事も、母親の事も、父親の事も」


 夜音が何をしたのかは解らないが、私は強制送還されず、自由文化学園へ通う事とった。母もしょくに有り付け、住む場所も出来た。


 一番(おどろ)いたのは、私達へのいやがらせが日に日に無くなっていった事だった。


 彼女は一体何をしたのか、私には見当けんとうも付かなかった。


 しかし、私はそれらをぐにはれられなかった。


 勿論もちろん、夜音には感謝かんしゃしたが、それで今までの事が無かった事にはならず、今尚いまなお祖国そこくや、この国のどこかでは私の様な人間がいる、そう思うと私の心はすさむばかりだった。


 あんじょう、私は学校にも通わず不良ふりょうに成っていた――。


朴「仕返しかえしとばかりに悪事あくじばかりをかえしていた――厚意こういを無下にしていた。今まで、他人たにんからやさしくされた事が無かったんだ、しんじられるわけがない」


おとめ「――そんな貴女が、どうやって立ちなおったの?」


 私はある日、隣町となりまちのあるうわさを耳にした――。


 怪物かいぶつ


 たけ百寸ひゃくすんはあろう巨体きょたいに、怪力かいりきるい、あばれ回っている者の噂を。


 そのあらくれ者は、如何いかなるてきにもくっせず、自分のうでぷし一つで全てを屈服くっぷくさせふせせた。


 それは怪物たる所以ゆえんであった。


 しかし、私をり立てたのは怪物が戦う理由りゆうにあった――。


 女学生達の純情じゅんじょうを守るため


 気にわなかった。人をすくった気にでもなっているのかと。


 しかもその怪物が女学生と聞いたからにはだまってはいられなかった。


 そんなやつは私が――。


 その怪物は、人々から尊敬そんけい畏怖いふめ、『おじょう』と呼ばれていた。


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