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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯3 おとめ達
52/131

ぱく「そんな場所、わけ無いのに――」


ゲーテ「朴、もうよせ――」


 帰国きこくちかづき、げられる石を上体じょうたいだけでけられるようになったころ夜音よね出会であった――。


 いつもの様に投げられた石を避けながら私は、ふと気付いてしまった。


 どうせこの国ともおさらば出来るのなら、この投げつけられた石を投げ返してもいいのではないのかと――。


 ひろい上げた小石こいしかたく、こんなものを投げつけていたのかといかりがみ上げ、強くにぎりしめた。


 そして私は、そのままかぶり、投げ返そうとしたその時だった。


 彼女があらわれたのは――。


 嵐山あらしやま夜音よねが――。


夜音「それを投げ返したら、貴女きじょやつらと同じになる――みにくく、あわれで無力むりょく存在そんざいに」


朴『ハッ!――』


 ゴトッ――。


 彼女の声のおかげで、私は寸前すんぜんのところでとどまる事が出来た。


夜音「あんなガキども、ほっとけ」


 セーラー服――。


 彼女を見るなり、彼らは逃げ出して行った。


朴「貴女あなた言葉ことば、話せるの?」


夜音「貴女がこの国の言葉を少しは話せる様に、私もいやでもおぼえてしまった。ま、困る事もない」


朴「………」


夜音「あいつうらむか?――奴等やつらにしてみれば貴女が怖いだけなんだ…」


朴「………」


夜音「この国を恨むか?――それとも貴女の国を恨むか?」


朴「………」


夜音「貴女だって分っているはず――」


朴「貴女に…、貴女に何が分かる――」


夜音「分からないさ。分からないから偏見へんけんや、差別さべつが生まれる。しかし、そんな事はぐに無くなる――クルマや、船舶せんぱく飛行機ひこうき。日々進歩(しんぽ)している乗り物。それらは国境こっきょうを無くし、毎日馬鹿(ばか)みたいに外国語がいこくご勉強べんきょうもしている。きっと言葉のかべも直ぐに無くなる筈。だから嫌いにならないでしい、私達を、この国を」


朴「それまでてと言うの?そんなに待てないわ――そこまで言うのなら、貴女が…、貴女が変えて見せなさいよ」


夜音「今この国は発展はってん途上とじょうだ――デモクラシーは動き出し、いやおうでも変わらざるえない」


朴「――貴女、名前は?」


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