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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯3 おとめ達
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この国へ

ぱく夜音よねが私を――」


おとめ「私は、夜音の目をとおして貴女きじょを見続けた――貴女は私の、夜音の手をはらった。でも、貴女の記憶きおくではその手を振り払わなかった…。それは貴女のねがいでもあったからじゃない?」


朴「――!」


おとめ「夜音と貴女の願いに魔法まほうこたえた――貴女が生きている。それが、それだけが答え。私はそう思う」


朴「私は――」


おとめ「夜音は貴女を大切に思って――きっとここへ来た理由も…」


 ――――。


ハイネ「――彼女の身に何があったの?」


おとめ「残念ざんねんながら、私は全てを見たわけではないし、過去かこに何があったのか知らない――断片的だんぺんてきにしか見てないわ」


朴「私から話すわ――自己じこ紹介しょうかいおくれたわね。それとも、もう知っているのかしら」


おとめ「――そういえば、貴女あなた、お名前は?」


朴「――やっぱり…」


おとめ「?」


朴「――あれは、私がこの国に来たばかりのころ――偏見へんけん差別さべつくるしんでいた日々。そんな時に現れたのが、夜音だった」


 ――――。


 この国での生活は、偏見と差別ばかりの日々だった――。


 徴用ちょうよういそがしい父はまともにはたらく事も出来ず、母は働こうにも女というだけで働く事もままならなかった。


 してや私達をやとわけもなく、その日に食べるものも無い有様ありさま…。


 お金が無いのは仕方しかたなかった――しかし、人々からさげすまれ、相手にもされない。


 買い物をしようにも相手にもされず、病院へ行こうものならかえされる始末しまつ


 私達が一体何をしたのか――道を歩けば、石を投げられ、罵倒ばとうびせられる。


 怒りなどうに無く、ただえるしかなかった…。


 そんな時、父が死んだ――。


 同時どうじに、それは徴用からの解放かいほうを意味した。


 祖国そこくに帰る事が許されたのだ。


 私達は、殺されたにひとしい父の死をいかかなしんだが、それ以上に祖国に帰れる事がうれしくもあった。


 祖国に帰ったところでまずしさは変わらないが、今の生活からけ出したかった。


 偏見と差別のない場所へ。


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