法律
帰りはちゃんと正門まで案内され、堂々と帰る事が出来た。
私達が侵入した場所から、角を曲がり程無くした所に、これまた立派な正門が在った。
今思えば、鍵が掛っているとはいえ、人は常に居る訳ではなさそうで、高さも然程なく、忍び込むならこっちでも良かったのではないだろうか――。
そんなどうでもいいことや、裁判について考えていた所為で、自転車の事をすっかり忘れ、家に着いてからその事に気が付くのであった。
次の日――。
昨日の出来事について心労し、自分がどうやって魔女だと証明するか考え、(てはみたが思い付かず)またこの立派な門の前まで来ていた。
「グッモーニン、ミス・八乙女。聞いたわよ、裁判の事。まるで魔女裁判ね。私の国ではよくやっていたらしいわ。やることは全く逆だけど――という訳で、貴女が魔女だと証明出来ないと私まで此処に居られなくなるわ。まさに一心同体ね。全力で弁護するわ、がんばりましょう」
女性街の正門であろうこの鉄柵越しに現れた彼女は、朝から荷が重いことをさらっという。
しかし、どうやら今日は、私を招待客として迎えてくれているらしい。
「ハイネ…さん。最初に言っておくことが有るわ――今日、私は魔法を使え…使わないわ」
「フ~ン、そう。なるほど――元い使えない。魔女裁判とはいえ、法律だからね。貴女のいるこの柵の向こうの法律では魔法は使ってはいけない。使わないで魔女だと証明しなくてはいけないわ」
「国際法――本当にそんなものが存在するの?」
「少なくとも彼女達はそれに則る筈――覚えといて、重要な法律を。『魔法は原則使用禁止』。例え裁判でもね」
そういうと、彼女は漸く門を開け、中に入れてくれた。
『女性街』には裁判所があるのか、それとも今日も『六鳴館』なのだろうか。
彼女は歩き出し、私を何処かへ導いた。
道中、彼女は国際法についても教えてくれた。
原則魔法が禁止されている事。その中でも『政治』『宗教』『戦争』『自然、動植物』『人体』への使用が禁止されていることを。
そもそも魔法が禁止されているにも拘らず何故そんな事をわざわざいうのか――。
それは『オズ』という国の法律が関係あると、国際法と自国の法律は違うと…。
「例えばA国では国際法で禁止されていることを除けば、原則魔法を使える――例えばB国では許可さえ下りれば何にでも魔法を使える」




