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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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適材

 魔女まじょの私は、私のむ国の法律ほうりつ国際法こくさいほう、『オズ』の法律。一体どれにしたがえばいいのだろうか?


「『OZ』には『OZ』の法律がある。それは時として、何よりも優先ゆうせんされるもの。忘れないで、ここは『OZ』の領土りょうどであることを――」


 私に魔法を使かわせ、裁判さいばんをどうにかしろと、遠回とおまわしにつたえたいのだろうが、無理な相談そうだんである。


 今は、いや、夜音よねなくては使えないのだから――。


「――ただし、『OZ』の法律を知っている人間は存在そんざいしないらしいわ」


「それじゃ、どうすることも出来ないじゃない」


「だから貴女きじょまかせるわ――うまくやってね」


『うっ!う~ん?それって――』


 ちない彼女の話を聞きながら、広場ひろばの中心にある素敵すてき噴水ふんすいを通りぎ、街の大通りを抜け、気付くと女性街じょせいがい最深部さいしんぶ六鳴館ろくめいかん』まで来てしまった――。


 ところで、この中に万千まちたまきは今も居るのだろうか。さすがに帰っただろうか。


 夜音よねにしても監禁かんきんなんてされていないだろうな…。


 このやかた牢獄ろうごくに見えてきた。


「違う、そっちじゃない。こっち――」


 彼女がゆびした場所は『六鳴館』のとなり、といってもおくまった場所で、その建物に気付かなかった――。


 ふるびたその建物は、周りの建物とはことなり、まるで『女性街』ができるはるか前からその場所にったかのようたたずまいだった。


「この建物は一体――随分ずいぶん…歴史を感じるわ」


「ここはもと々、教会だった建物よ――この国でいうなら…、寺院じいんってところ?」


「裁判をするのでしょう?『六鳴館』ではないの?」


「彼女達だけじゃ、貴女きじょさばけないからね――私の国でも魔女まじょ裁判さいばんは教会で行われていたわよ」


 神頼かみだのみって事?


 はぁ~、今更いまさらだが、私が魔女と証明しょうめい出来なかった場合どうなるのだろう。


 『オズ』に行けないのはもちろん、ただで家に帰してくれるのだろうか。今になって夜音の言葉が脳裏のうり横切よこぎった。


 死ぬかもしれない――。


「私に出来る事はここまでね。舞台ぶたいは用意した――準備じゅんびは良い?覚悟かくごは出来ている?」


「…『雷鳥らいちょう』は魔女やオズを信じているの?――いいえ、普通は相手にもしないはずだわ」


「それは貴女次第(しだい)。言ったわよね、一心いっしん同体どうたいって。死ぬときも一緒いっしょよ――さぁ、行くわよ」


「え!?ちょっ、待っ――」


 ――ってはもらえず、彼女は古びた元教会の扉を開けた。


 広さは『六鳴館』の半分にもたないが、中は外見がいけんほどの劣化れっかは見られなかった。


 中央の通路つうろはさみ、左右さゆう何列なんれつもの座席ざせきが在り、その正面には演説えんぜつが出来そうなつくえが一つ――見渡みわたす限り、まだ誰も来ていないようだった。


 だからか、私は目をうばわれてしまった――。


 一際ひときわ目を引いたそれは、入って正面、演説机の向こうのかべ


 その上半分が硝子がらすで出来ており、色が付き、絵がえがかれていた。


 見惚みほれるほどの美しさだった。


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