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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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新しい月

『よろしいでしょう。貴女きじょ二階にかいへ――ただし、お連れ様はここにおのこりを』


「私は大丈夫だいじょうぶよ、夜音よね。お母さんに会って来て――忘れないでね、魔法まほう呪文じゅもん


「あぁ――使わずにみそうだけどな」


 その場にた女性達は、階段まで道を開け、夜音は一人二階へ上がって行った。


 一人残された私だが、万千まちたちがここに居ない以上、どうすることも出来なかった。


 逃げようにも周りをかこまれ、帰れない。


 二階へ行った夜音が、万千達を見つけてくれることをねがい、あわよくば、連れて来てくれれば…。


『さて、八乙女やおとめツクスさん。貴女あなたの事は、話に聞いています。貴女の存在そんざいが、われ々の未来を大きく左右さゆうすると――しかし、我々は、貴女の本質ほんしつを知らない。ですから、証明しょうめいして欲しいのです。貴女が我々の『あたらしいつき』にれるかどうかを』


『新しい月』――?


 その瞬間しゅんかん、会場中がざわついた。


 言葉の意味は分からなかったが、私に対する期待きたいと、私が魔女まじょである事を証明しろということだろうか――。


 それにしても、ハイネさんだけではなく、この組織そしきそのものが、私に、『オズ』に興味きょうみがあるということなのか。だとしたら差詰さしずめ、ハイネさんは女性じょせい解放かいほう戦線せんせん利用りようして『オズ』へ行くつもりなのだろう。


 そのために私を――。


「――私にどうしろと?」


『デモクラシーのらしく、民主的みんしゅてきに、この国の法律ほうりつで決めましょう――貴女を見極みきわ判断はんだんします』


「――それは、つまり?」


裁判さいばんで決めましょう――貴女は、自分が魔女であることを証明なさい』


 魔女であることを証明しろとは、皮肉ひにくにも私が今、一番出来そうもない事を――。


「証明出来たら、私も『オズ』へ連れていってくれる?――それに、万千まちたまきにも会わせて」


『それは貴女がみちびく、と聞いていましたが…。まぁ良いでしょう――ご友人については、ご自由に』


約束やくそくよ――」


『お聞きの通り、彼女を裁判にけます。よって、今日の舞踏会ぶとうかいはおひらきにし、後日ごじつあらためましょう――貴女も今日はお帰りなさい。そして、また明日いらっしゃい。今度は正面しょうめんからね』


 ――結局、私は何も出来ず帰路きろについた。


 ただ、万千は『三代目さんだいめ襲名しゅうめい延期えんきされ、夜音もお母さんに会えただろうし、『女性街じょせいがい』にも来れ、『オズ』についてもほんの少しだけ近づけた。


 約束も取り付けただけでも上出来じょうできだろう。


 しかし、環については何も解らず仕舞じまいな上、魔法まほうが使えなくなり、私の無力むりょくさを痛感つうかんした事も事実じじつだった。


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