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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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平塚

 仮面かめん舞踏会ぶとうかい――。


 そこにた全員が仮面を着けていたのだ。これでは誰が誰だか解らない。


 私達はその場に立ちくしてしまった。


 そこには大勢おおぜいの女性がり、そこに居たほとんどの人間が、開かれたとびらを、私達を見ていた。


 ドレスで着飾きかざり、仮面で顔をかくし、のぞき見るような目で…。


 あんじょう、私達は直ぐに見つかってしまった――。


 中ではすでに舞踏会が始まっており、今まさに私の目の前で行われていた。


夜音よねちゃんよ――」


三代目さんだいめが来てくれたわ――」


 ざわつく会場からは、夜音を歓迎かんげいする声が上がった。


 しかしそれらは、夜音を歓迎するものだけではなかった――わざとらしく、うとましさを言葉にするものもあり、その視線をびせられた。


 少なからず私は歓迎されていないらしい。


 私は必死ひっし万千まちたまきを探した。


 仮面で顔が解らなくとも、背格好せかっこうで分かると思ったからだ。


 特に万千にいたっては、その図体ずうたいは女性のではなかった。


 しかし、この場には居ないのか、見つけられない。一階の部屋はここだけだろうし、万千や環は二階に居るのか――。


「これじゃ、魔法まほうを使う意味が無い――いや、いっその事、全員の仮面をばすか…」


『皆さん、静粛せいしゅくに!――貴女あなたがたも、えず中へ』


 何処どこからか聞こえた声は、よくひびいた。


 誰の声かは分からないが、この場に居る人物の声ではないだろう。つる一声ひとこえ。この場に居た全員がだまり、しずまりかえった。


 私達は中に入るほかなく、しぶ々入った。


 扉はざされ、周りをかこまれてしまい逃げ場が無い。それでも夜音は物怖ものおじせず、どう々《どう》としていた。


「『二代目にだいめ』に会いたい。会わせてくれ――ついでにこいつも、友人に会わせてやってほしい」


 夜音――。


『彼女を招待しょうたいした覚えはありませんし、『二代目』には、お会することは出来ません――ですが、貴女きじょが『平塚ひらつか夜音よね』であるのなら、あるいは…』


 『平塚ひらつか』――?『嵐山あらしやま』ではないのか?


「……わかった――『平塚ひらつか夜重やえ』に会わせてくれ」


 『平塚』は母親のせいなのか?


 夜音と母親の間には何かがあるのだろうか。今日にしても、とうには会えていない。


 母親と会う、それだけの事に彼女は、覚悟かくごを決め、計画を立て、今日にのぞんだのだろう。それほどに――。


 それが私にはよく解った。今なら彼女に、魔法を使わせても良いとさえ思えていた。



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