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おとめの夜あけ  作者: 合川明日
♯2 もう一人のおとめ
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何代目

 彼女は私のくちを手でふさぎ、親指おやゆびこうを指した――話の途中とちゅうだが着いてしまった。


 おそらくここが大使館たいしかん中枢ちゅうすうであろう建物たてもの、『六鳴館ろくめいかん』へ――。


 歴史れきしを感じるふるびた洋館ようかんは、私からすればモダンなものだった。


 二階建てをゆうに超す大きさに、真っ白な壁面へきめん玄関げんかんには左右に太く大きいはしらが立っていた。


 どこぞの貴族きぞくでも住んでいたのかと思うほど立派りっぱで、それ程の人物が居たに違いない。


 しかし、その外見がいけんから、オズの大使たいしはもちろん、人が今でも住んでいるとは思えなかった。


 嵐山あらしやまさんは中をさぐろうと建物の周りを見回していたが、まど内側うちがわからかくされ、中はうかがえず、私達の身長しんちょうでは、それらから中に入れそうもなかった。


 侵入しんにゅうするとなると、玄関から入るしかなさそうだ。


「さて、作戦だが、何かいいあんはあるか?…有るわけ無いよな――かりに、うまく玄関からと入れたとして、取りえずあたしは三代目さんだいめには興味きょうみが無い。個人的に用がある、ある人物を探す。今日を逃せばもう…」


何故なぜ?『雷鳥らいちょう』には興味きょうみがないのでしょう?一体誰に会いに行くの?――彼女。貴女きじょのお友達が関係かんけいしているの?それとも『二代目にだいめ』?」


 走馬灯そうまとうで見た、彼女の友達(けん)、お目付めつやく


 あの後彼女がどうなったのかは分からないが、嵐山あらしやま夜音よねの走馬灯から私は、彼女の存在そんざいの大きさだけは感じ取れた。


 それに二代目雷鳥。彼女との関係は一体?――。


「ふんっ、あたしにそんなもんはいない――ただ、あたしが『二代目』の娘で、『初代しょだい雷鳥らいちょう』のまごからだ」


「貴女が雷鳥の娘で、孫ですって!?――」


 雷鳥の娘で、孫。なんとなく気付いてはいたが、母と祖母が雷鳥とは。


 つまり彼女のお婆様ばあさまは、自由じゆう文化ぶんか学園がくえん創設者そうせつしゃで、『初代雷鳥』という事――。


 しかし、雷鳥といえば、『しん婦人ふじん協会きょうかい』。


 何故なぜ、二代目の母親は女性街に?ここは女性じょせい解放かいほう戦線せんせんの――。


「『二代目雷鳥』とはあたしの母で、『あたらしい太陽たいよう』の代表『だいひょう』。つまりかしらだ――どの走馬灯を見たかは知らないが、何かしら見ただろう。母は祖母『初代雷鳥』のやり方が気に食わなかった。だから独立どくりつした自分の組織をつくった」


 『新しい太陽』――。『真・婦人協会』とは別の女性解放運動組織。


 通称つうしょう女性解放戦線。その代表が彼女の母親。もしかしたら、走馬灯での出来事、学徒がくと動員どういんが関係しているのだろうか。


 走馬灯で見た人達も『新しい太陽』の一員なのだろう。


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