オズの――
「ミス・大郷司が三代目になると色々厄介でね――二代目の協力無くして『OZ』へは行けないのよ」
それだけ『オズ』に執着している彼女が、女性解放戦線へ協力するのは何故?
二代目って、二代目雷鳥の事でしょう。二代目は『オズ』の事を何か知っているの?――そもそも二代目は、女性解放戦線なの?それとも『真・婦人協会』?
もう一つ気になることがある。この女性街、大使館と言っていたが、何故彼女等はここに居られるの?
いや、今の私にとって重要なことは、この大使館が何処の国のものかだ。もしかしたらここは――。
「『オズ』のものなのでしょう?この大使館――」
「――あら、気が付いていたの?意外だわ」
「なんとなくそう思ったの――今なら解るわ。貴女がこの国へ来た理由」
「貴女、ほんの少しの間に随分大人びたわね――『OZ』への手掛りは世界中にあるわ。ここもその一つ。私がここへ来たのは運命だったのかもしれないわね」
女性街は『オズ』が、魔女が造ったものか――。
『オズの大使館』――ならば、もしかしたら、今も尚、ここに、この国に魔女が居るのだろうか?手掛りは女性街にあるのだろうか?
「なぁ、もういいか?時間が無いんだ――もう行くぞ」
「そうね。うれしいわ、決心してくれて――但し、彼女は連れて行けないわ」
「いや、連れて行く――こいつが魔法で、舞踏会を滅茶苦茶にしてくれるそうだ。なっ!」
「――そうならない事を願うわ…」
女性街――オズの大使館には、数える程しか建物は無かった。
例えていうなら、外国の広い公園の様。私は見た事は無いが、それが一番近い例えだろう。
女性街いうだけあって、確かにそこには街があった。しかし、建物よりその敷地が何倍もある。
大通りを挟み、建物が並び、その先一番奥にとても大きい建物が建っていた。まるで舞踏会に御誂え向きの様に。
並び立つ建物は洒落ていて、一つ一つに看板があり、名前が付いていた。
読めはしないがきっとそうだろう。家には見えないし、お店でもないだろうし、大きい何かの施設だろうか?
「これは学校?こっちは病院かしら?」
しかし、気を取られ気付かなかったが、まるで人の気配がしない。これだけ広い街に私達しか見当たらなかった。
よくよく見ると、建物の殆どが閉ざされ、まるで何年も使っていないかの様な――。
その事に気が付いた瞬間、寒気がした。洒落て見えていた建物も、何か不気味に思えてきた。




